Zゲージの小型レイアウト製作記(5)

拡張 です。

レイアウトの拡張工事手順を紹介します。

駅のホームにギリギリ25m客車2両+DLが入らなかったことや、ちょっとした衝動にかられてレイアウトの延長工事をはじめました。
方法はいろいろとあるのですが、右側のカーブ部分をバッサリとカットして、その間に110〜330mmの拡張部分を挿入するという方法でトライしました。

●レイアウトプラン





当初、少しだけ長くすることを考えていましたし、山を分断することになるので、その繋ぎ安さも考えて110mmで計画しました。
しかし、現在の保管場所に余裕があったことや、手持ちのレール、強度など考えて以下のプランとしました。
実際には切断してから気が変わって決めたプランです。




●切断


写真のように切断しました。
作業は大型カッターナイフのみで行い、引き込みレールの切断のみニッパーを使用。
表裏が比較的薄いラワン合板ですが作業は2時間程度かかっています。
レール継ぎ目部分は少しバラストを取り除いて慎重に作業しました。
ポイントにゴミが入らないよう、マスキングテープを貼っています。






断面はこんな感じです。
レールのつなぎ目でカットして、両側のレールを生かします。
ジョイナーも元のまま生かしました。



●追加パネルの製作


全く同じ構造で追加パネルを製作します。
上板が2.5mm、底板が4mmです。
今回は精度良く作業をする必要があったので加工しやすいシナベニヤ合板を奢っています。
Tomixの発泡スチロール板を挟み、木工用ボンドで接着。
内側が木工ボンドの水分で濡れるため板が反りますので、ヤットコ型の大型洗濯ばさみで挟んで乾燥させました。





●追加パネルの接続と線路の敷設


先に線路を仮固定して3つのモジュールを接続しました。
作業は長辺を下にして、縦にして行いました。
モジュールの端面にも木工ボンドを塗って上下板とも別の板を貼って固定します。






固定方法の概要はこのようになっています。
一見、強度は大丈夫なのかと不安になりますが十分な強度が得られています。
この状態で、全体の重量は2.5kgしかありません。





●バラスト撒きと地面の着色


いつもと同じ方法で前処理をした生乾きのバラストをまいて、軽く筆で形を整えた後、ボンド水の滴下で固着します。
バラストの横が地面の場合はバラストをきれいにそろえてまく必要はありません。
プラットホームなどがくる部分は30〜40cmの定規を当てて整形します。
接着剤が乾いた後で、掃除機で未固着のバラストを吸い取ります。
その後、線路内側のバラストをピンセットやマイナスドライバなどで取り除きます。





バラスト乾燥後、レールごと塗装しています。
レール、バラストはタミヤの水性アクリル塗料「フラットアース」(XF-52)、
地面は同じく「デザートイエロー」(XF-59)に「フラットアース」(XF-52)、「バフ」(XF-57)を混ぜたもので、ミルクコーヒー色に調合したものです。
本当の色は数日間完全に乾かさないとわかりませんので注意が必要です。
塗装直後に乾いて色が薄くなります。
その後も日々、色は薄くなり、最終的には3日以上置いてから判断します。

接続のために使用した板は紙粘土などで覆って地面の起伏に見せて塗装しています。
また、この段階で5mm厚のアガチス材の側板を接着によって取り付けました。





●丘と地面の制作


切りっぱなしになった丘を発泡スチロールで延長、整形します。
丘全体を紙粘土(木工用接着剤と水を少量混ぜたもの)で覆うのでティッシュは無くてかまいません。
(無い方がかえって紙粘土の塗りつけはやりやすいです)

この後で紙粘土で丘の地面を整形し、ミルクコーヒー色に合わせた水性アクリル塗料で着色します。






地面着色後に、パウダーを撒き、コースターフを撒いて木工用接着剤の水溶液(洗剤入り)で固着しました。
プラットホームが長く違和感があるので、ホーム後方で情景を分断するためにこのような地形にしました。

不自然な丘の形状は致し方ないので、今後の樹木の植え方などで自然に見えるよう工夫するすることにします。






拡張した線路のつなぎ目部分の様子です。
多少バラストの色などで変化がありますが、そう違和感なく仕上がりました。
郊外の線路ですので、バラストの間からも雑草が生えています。
いつも通りバラストを着色してから地面を仕上げたので、ガタガタだったバラストも目立たなくなりました。

そうです。バラスト撒きなんていい加減でいいんです。
でも、塗装はすべきです。





●ストラクチャと樹木の配置


駅ホーム後方に配置するための、家を組み立てます。
これは、VOLLMERの9530で、4cmほどの小さな家ですが、部品は50点ほどにもなります。
VOLLMERのストラクチャはmarklinやFALLERのものにくらべてカッチリと組上がるような感じがします。
(marklinとFALLERが同じかというと、FALLERのほうがずっと組みやすいです)
もともとカラープラスチックを使い分けてあるので着色は不要です。
ただ、写真のようにやや派手な色合いになります。

なお、写真の接着剤は「タミヤセメント」と呼ばれる定番のものですが、グリーンのキャップの「タミヤセメント(流し込みタイプ)」の方をお勧めします。
部品を組み合わせてからキャップに付属するハケで軽く触れると、さらさらの接着剤が一瞬で流れ込んで行って非常に扱いやすいです。






組み立てた家を配置し、駅ホーム後方から見たところです。
各所に植えた樹木は、いつも通りのマメツゲやつまようじと「フォーリッジクラスター」を使ったものです。
VOLLMERのストラクチャは無着色ですが、つや消しのグレーを薄め液でしゃぶしゃぶに薄めたものを数回塗って、派手な色を落ち着かせています。
上の組立中のパーツにくらべて落ち着いた色になっているのがわかると思います。

こちら側からはプラットーホームがほとんど見えなくなり、思った通りの情景分断ができました。
化粧側板をグリーンに塗ったら、継ぎ目はあるものの拡張した事はほとんどわからないくらいになりました。

そして、毎度の事ながら、ベニヤ板に直線レールが固定してある状態から比べると見違えるように広がりがでてくれて、とりあえず安心しました。






延長した駅のホームの様子です。
プラットホームは1.5〜2mm厚程度の厚手のボール紙です。
ボール紙を使った理由は、年季の入ったアスファルトやコンクリートのようなザラザラ感を得るためです。
プラ板でもいいと思います。バルサなどの木材では、木目が見えてしまいますのでNGです。
プラットホームの柵は、0.5mm□の角材(#8000 BassWood、MIDWEST社)が建築模型材料を扱うお店で入手できることを教えていただき、Webショップで入手して、自作したものです。

やはり人を配置すると雰囲気が良くなります。
このお二人は他人のようですが、女性のほうは男性が気になるのでしょうか、ちらりと見ていますね。






拡張後の全景はこんな感じです。
レイアウトは未完成ですが、ホコリよけのためアクリルカバーを用意しました。
このアクリルカバーは、ネットで見つけた業者さんに発注して作ってもらいました。
ちょうど左前に引き込み線があったので、そこに切りかけを設けて車両を出し入れできます。
カバーの取付を前提にしてレイアウトを計画するときは、あらかじめ引き込み線を便利の良い位置に設けた配線にしておく方がいいですね。

小さなレイアウトですが、直線区間は一人前(?)に715mmもあって、機関車+26m級(120mm)客車5両が直線でおさまります。4〜5両の運転が、違和感なくできるようになりました。

ただ、R145は通過抵抗が大きいですから、26m級客車5両を牽引しての運転が可能な機関車は限られると思います。






いつもはアクリルカバーを被せたままなので、ここから列車を挿入。
このオプションレールは、角材を切断、塗装したものに220mmのレールを貼っただけのものです。
紙で作った仮のドア(フタ)があって、ここからも埃が進入しないように気をつけています。

普段は、1〜2編成が常にレイアウト上にあって、ディスプレイケースのように使っています。
あたりまえですが、中は全く埃をかぶらないので、とても気持ちがいいです。





拡張はこれで一旦おしまいですが、レイアウトの制作進捗は、まだまだ、続きます...


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