Zゲージの小型レイアウト製作記

Zゲージの小型レイアウト製作記(1)です。
先ずはプランニングからです。


最初に、これまではNゲージメインでHOnをかじっていたのに、どうしてZゲージに手を染める事になってしまったのか、少し経緯について書いておきたいと思います。

私は、やはり日本の、それも旧国鉄の車両が好きです(それもDLとDC、SLなど)。
欧米の鉄道(車両)については、これまでなぜか興味が湧きませんでした。
そういう人は、結構多いと思います。
しかし、小型レイアウトに魅力を感じている以上、Nゲージよりも小さなZゲージはどうしても気になってきます。
Zゲージはドイツのメルクリン社のみ(最近は日本型も徐々に出つつはありますが)が製品化しており、一部、アメリカ型もありますが欧州の車両、特にドイツ国鉄の車両がメインになります。

そして、marklin Z(mini-club) は「極めていいお値段」なのです。


それにもかかわらず、Zゲージのレイアウトに挑戦してみようと思ったのは以下のような理由からでした。

 (1)1/220のスケールで、場所のとらない小型で密度の高いレイアウトを構成できる。
 (2)調べているうちに欧州型車両のデザインも見慣れてきて、徐々に魅力がわかってきた。
 (3)メルクリン社のZゲージ「marklin Z(mini-club)」の実物を手に取ってみると、なかなか出来映えが良かった。

 ということになります。
 実際に始めてみると、これがなかなかクセになってしまって、まさに禁断の果実という感じがします。

気になる「marklin Z (mini-club)」のお値段ですが、新品ですと車両も線路もストラクチャも日本のNゲージの3〜5倍は覚悟が必要です。
そこで中古をネットオークションで調達することにして、少しづつ資材調達を始めました。
これだと新品の1/3ほどの予算で済み、日本のNゲージの新品との価格差が縮まります。
(marklin社に代弁して言い訳をしますと、その小ささゆえ製造に大変な手間がかかっているので高価なのだと思います)

まず最初にしたことはカタログの入手です。
カタログはドイツ語では全く読めないので、英語版を調達しました(現在、日本語版はありません)。



カタログ(2005年版)はこのような感じで日本のカタログのイメージとはずいぶん違います。
カタログ自体はハードカバー、全176ページのフルカラー刷りにもかかわらず日本のNゲージのものと同等の価格で求めることができて、十分に愉しめると思います。
(2006年にソフトカバーに戻り、2007-2008年度版はHO、1番ゲージ共通のハードカバーになり、2009/2010年版、2010/2011年版は、また、ゲージごとに分かれたソフトカバーになりました)
このカタログは、興味の有無にかかわらずNゲージャーさんにも一読(一見)をお勧めできる内容です。

カタログの最初のほうのページには機関車の製造工程についての説明もあって、製品造りに対するこだわりが感じられます(近年のカタログはこの解説が省かれました)。

この「marklin Z(mini-club)」のカタログには日本のNゲージカタログにはない以下の特徴があります。

・車両ごとに、そのプロトタイプが活躍した年代をERA I〜ERA Vの5段階で分けて表示があります。
・車両の写真は、全て「実物大」で印刷されていて、大きさの把握が容易にできます。
・動力車については、その材質(どの部分が金属で、どの部分が樹脂か)が表示されています。

なお、価格の表示はありません。




それと平行して、ネットで1万円ほどで新品が購入できる簡易スタータキットを入手しました。
このスタータキットで、先ずは「marklin Z (mini-club)」の概要、雰囲気を感じてみようと言うことです。



R145のレールで円形に近い楕円エンドレス(ほとんど円ですが)用のレールとミニSL、貨車1両、電池用パワーパックを小型のプラスチックケースに収めたものです。
(電池のパワーパックは速度の調節ができず、通常の運転ではあまり実用にはなりません。電池はアルカリマンガン電池より内部抵抗の高いマンガン電池のほうがいいでしょう)
この小さなスタータキットにはSLの塗装や貨車の種類によって何種類ものバージョンがあり、値段もずいぶん違います。
私が購入したものは、トスカナと呼ばれる最も標準的なものです。


このミニSLは世界最小の鉄道模型として有名なもので、プロトタイプは旧ドイツ国鉄、DBのBR 89型です。
ほとんどの部分が金属(亜鉛ダイキャスト)でできていてズシッと重さがあります。
当たりはずれがあるとも聞きますが、私のものはNゲージ用のパワーパックで走らせてみると極めてスムースな走りで驚きました。
Nゲージの小型車両に勝るとも劣らない走りで、とても静かで安定したスロー走行をします。
2000年ごろから順次変更された5極モータの性能がいいのかもしれません。
(それ以前のものは3極モータですが、人によってはこちらを支持する方もあるようです)
何れにしても、この優れた走りがレイアウト建設計画推進のいい動機(言い訳)になったと言えます。
こんなにいい走りをするなら、やってみようと決心したわけです。

●レイアウトプラン
当初、アタッシェケースに・・・と言うことも考えましたが、あまりに走らせられる車両が限られるので、デスクトップ型としました。
メルクリンにはR145、R195、R220の標準カーブレールがあります。
フレキシブルレールを用いるという手もあったのですが、前記のセットのR145が手元にあったことと、目的が小型のレイアウトであること、また、marklin Z (mini-club)のほとんどの車両がR145を満足に走行できるとの理由でR145を用いることにしました。
R145はNゲージに換算するとR213にあたり、結構な急カーブになります。
できるだけシンプルに2編成が運転できるように以下の形状とし、横幅の長さだけ少し悩みました。
前回、製作した「Nゲージの小型レイアウト」では、その大半が複線となってしまいローカルなイメージが半減するという反省点がありました。
そこで、今回は欲張らずに全線を単線にして引き込み線を設けるのみとしました。
とは言っても、左下には何やら途切れたレールがあるのですが・・・。

「Nゲージの小型レイアウト」の時と同じくフラットトップですが、今回はかさ上げして川を通し鉄橋を架けることにしました。
左上の部分は山で、トンネルを設けます。
ターンアウト(ポイント)レールは2か所でそれぞれにギャップを設けますが、これは、ポイント自体がNゲージのような選択式でなくスイッチ機能を有しないために必要になるものです。




幅360mm、長さを600mmとした案でNの600×900の40%のサイズです。
直線区間がやや短めで275mmとなります。
小ささと、運転を両立させるのにはいい寸法です。






長さを720mmとした案で
直線区間は385mmとれます。
小ささでは劣りますが機関車+客車3両程度がそう違和感なく運転できます。

十分小さいので、今回はこのサイズで行くことにしました。


marklin Zのターンアウト(ポイント)レールは非選択式で、Nゲージでは一般的な選択式ではありません。
非選択式は、ポイント切り替えで通電は切り替わらず、どちらに切り替えても両方に通電されたままになります。
したがって、2編成を走らせるためには、図中、 赤い部分にギャップを挿入し、黒色の部分、 緑色の部分 青色の部分の3カ所に各々フィーダーが必要です。

●レイアウトベースの構造
ボードの構造は以下のようなものが考えられます。(a)は「Nゲージの小型レイアウト」で採用した最もオーソドックスな構造です。
発泡スチロールで地面をかさ上げする際には(b)の様にしますが、小型レイアウトの場合には(c)の様にすることができます。
(c)は単純で小型のレイアウトにもってこいの構造で、このサイトで紹介しているHOnのパイクも同じ構造です。
今回も小型ですので(c)を選択しました。



(a)は、最もオーソドックスな構造。
TomixのNゲージ用レイアウトボードや絵画用パネルと同じ構造ですので流用もできます。
工作が容易で、かさばらず軽量、電気配線も楽なのでおすすめの構造です。
ベース板は3〜6mmの合板を用います。強度は補強材の太さと数で決まります。





(b)は、(a)に発泡スチロールのかさ上げを用いた構造。
発泡スチロールの断面を隠すために化粧板を貼って仕上げます。
図のように地面下に掘り下げて河川などを形成する場合に、(a)では工作が面倒になります。
それをカバーする手段として発泡スチロールを用いた構造です。





(c)は、小型レイアウトで地面のかさ上げをする場合に最適な方法。
強度は(b)に劣りますが、600×900以下では十分な強度が得られます。
フラットトップで線路勾配をつけなくても鉄橋を設けて立体的なシナリーが可能というメリットがあります。
(b)に比べると、発泡スチロール接着時に板が反りやすいので、注意が必要です。
電気配線の収納に困りますので、図のように化粧板を下側にはみ出すように付けておきます。
この絵では地面となるベースにも薄合板を貼ってレールの取り付けを楽に(釘が使えるように)していますが、ベース板なしでも構成できます。





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