=コロ助のオススメ=

これを聴きなさい!!のコーナー


記念すべき第1回目は世紀末に出た超強力なこのアルバムです。

第1回目<1999年4月29日>

Stance/向井滋春

 向井さん待望の新作です。前作からなんと5年(!)もたっているとはご本人も驚きでしょう。編成は3管ものやTB&TSのオーソドックスな2管,少し珍しいTP,TBの2管,2TBもの,ワンホーンものと多彩です。しかし,アルバム全体の雰囲気は統一されていてとても聴きやすい内容になっています。
 向井さんにはビバップの曲は合わないと思っていたのですが,ビバップっぽくないアドリブラインがいいなぁと僕は感じます。1999年5月号のJazzLifeに向井さんのインタビューが載っていますが,それによると,若い人にビバップができるのに自分ができないのは悔しいしかっこわるいからそういう曲を練習するようになったと書いてありました。
 僕は,向井さんはどんな曲想であっても,向井さん独特のフレイジングを気持ち良くマッチさせるところがすごいなぁ,と思います。どんなバンドにいても「あっ!これ向井さんだ!」と分かる存在感というか個性というかとにかく日本が誇る名インプロバイザーだと思います。
 願わくはもっとアルバムを出してほしいです。向井さんが出さなきゃ誰が出す!!次はレギュラー活動のアルバムが聴きたいです。

アルバムの聴き所

1.向井さんフレイズ満載

 全編に繰り広げられる向井さんフレイズが1番の聴き所でしょう。トロンボーン吹きならこういうアドリブをやってみたいもんです。4.では,サビに入った一瞬分からなくなるところがあります。トロンボーンのフレイズも一瞬止まりますが,すぐに次のフレーズに移っています。8.のアウトフレイズが向井さんぽいなぁと感じました。

2.共演者のプレイもすごいぞ!

 どうしても我々は向井さんのトロンボーンに耳がいってしまいますが,実は共演者のプレイにも聞き所が隠されています。特にすばらしいのはベースです。アドリブフレイズに合わせたベースラインがとても気持ち良いです。8.のトランペットのフレイズが下がっていくところでは2,3拍ぐらい遅れてベースラインも下がっていきます。その後すぐの向井さんのアウトフレイズでも,何やら変なべースラインを弾いて雰囲気を作っています。僕は全編に渡ってベースがすばらしいなぁと感じました。 また,ニコラスペイトンのトランペットもノリノリで好きです。
 

収録曲

参加ミュージシャン

1.Stance
2.A Good Train
3.Moon
4.Anthropology
5.Spiritual Calling
6.The Second Hard
7.Up Jumped Spring
8.Shuffle
9.A New Thing
10.If You Could See Me Now
Trombone
Shigeharu Mukai
Drums
Billy Hart
Piano
Mulgrew Miller
Bass
Rufus Reid
Sax
John Stubblefield
Trumpet
Nicholas Payton
Trombone
Yoichi Murata(#9)

TOPへ僕の好きなトロンボーン奏者BIGBANDのことライブ告知リンク全然違う話題