仕訳ファイル作成上の留意点 10


1.仕訳ファイルと仕訳定義ファイルの整合性

仕訳定義ファイルには、仕訳ファイルで使用するタグ名を、その並び順に記載します
仕訳ファイルの項目(フィールド)はこの定義ファイルの順番通りに並んでいる必要があります
項目は、カンマによって区切られますから、例えば、適用文中にカンマがあると、そこまでが一つの項目で、それ以降が別の項目とみなされ、項目の並びが崩れてしまいます
このような仕訳が仕訳ファイルに存在すると、エラーが発生する可能性があります
仕訳定義ファイルと、仕訳ファイルの、項目数の整合性を検査するスクリプト Chk7Itg1XJ_RDJ が用意されています


2.必須項目と非該当項目

仕訳の項目(フィールド)はユーザが自由に決めることができます
最低限必要な項目は、会計日、経過月、借方科目Code、借方金額、貸方科目Code、貸方金額、全体摘要文の7つです

項目には、該当するCode、金額、摘要文などをセットしますが、当該項目にセットする値がない場合があります
当該項目にセットすべき値がない場合は「ゼロをセット」します
「経過月」を自動計算したり、「資金Code」を科目マスタを参照して自動的にセットするスクリプトがありますが、これらは当該項目がゼロである場合に値をセットするようになっています
「非該当はゼロ」、この原則に従って、仕訳を作成してください


3.会計日

会計日は、数字だけで表記され桁数が揃っていれば、どのような表記でも構いません
例えば、2003年4月8日は、「20030408」、「030408」、「150408」のように表記できます

「2003/4/8」は数字以外の文字を使用しているため、また、月日の表記において桁数が変わるため、会計日としては使用できません
「展開一番」では会計日を数字に変換して利用します、ただし、「Ruby」の仕様ではゼロで始まる数字は8進数と解釈されます
このため、ゼロで始まる会計日は意図に反した値として解釈されます、また、8以上の数字が含まれるとエラーが発生します
ゼロで始まる会計日を利用したいときは、当該値を「"」で囲い文字列として処理するようにして下さい、例えば、
Sel9MA1XJ2WXJ_SetV("J_Date","090101","090131")
会計日に数字以外の区切り記号(/.-)を利用したいときは、当該記号を取り除くスクリプト「Del7Delimiter12WXJ」を使用します
このスクリプトは「2020/01/28」「2020.01.28」「2020-01-28」形式の会計日を「20200128」に変換します
記号付きの会計日を「J_Date」タグに記録し、ユーザ定義タグ(例えば、「U_Date」)を追加し、ここに上記のスクリプトを利用して区切り記号なしの会計日をセットします、会計日を基準として仕訳の抽出を行うときは、「U_Date」タグを利用します
会計日を含め、仕訳データのインテグリティ(正確性、完全性)はユーザの責任で維持する必要があります
仕訳ファイルの中では、各仕訳の会計日は連続している必要があります
仕訳を会計日順にソートするスクリプト「Srt12XJQ_Tag」が用意されています、このほか、CSVエディタやテキスト整形用のユーティリティを利用する方法もあります
元号の変更などで、数字としての大小が逆転する場合は、その前後でテキストを分け、それぞれごとにソートして、連結するなどの方法で対処できます
和暦から西暦への変換も、テキストの置き換え処理で対応できます、この場合は、ターゲットとする会計日以外のデータが変換されてしまう危険性がありますが、「正規表現」を利用できるエディタであればより正確な変換が可能です


4.伝票番号

会計事実の認識、記録、承認の過程は、重要な内部統制の一部を構成するもので、これを紙媒体で運用する仕組みが会計伝票です
「展開一番」は、仕訳ファイルの作成から始まりますが、この仕訳が会計伝票から作成される場合は、会計伝票と「展開一番」の仕訳を結びつける伝票番号項目 J_SlipNo が不可欠になります、また、会計伝票の仕訳がすべて正確に「展開一番」に入力されたことを確認するコントロールが必要になることにも留意してください
他のシステムで仕訳を作成する場合は、仕訳識別フラグ(仕訳生成システムID) J_FlgJ 、自動採番用の伝票番号 J_AutoNo などを利用して、上記と同じレベルのコントロールを維持して下さい


5.資金Code

仕訳に資金Codeを持たせることができます
資金Codeを持つ科目の金額を資金Code別に集計するスクリプト「Sum7JCF1WXJ2ZLT」が用意されています
このスクリプトを利用すると、キャッシュ・フロー計算書(直説法)作成のためのデータを作成することができます
正しい結果を得るためには、資金Codeの付け方などを考慮した仕訳の作成が必要になります
データ作成のロジックは「個別問題」を参照してください





Last Update 2022/01/22