マスタファイルの作成 20


1.マスタファイルの種類

ユーザが作成するマスタファイルは以下の三種類です
1.プロジェクトファイル(CstPrj_hhhh)
2.原価計算部門マスタ(CstDiv_hhhh)
3.配賦基準ファイル(CstAlc_nn_hhhh)

カッコ内はファイル名(既定)です、hhhh には法人Code(4桁既定)、nn には2.の部門マスタに設定した部門Code(任意の数字)が入ります
すべてテキストファイルで、拡張子は「.txt」です


2.プロジェクトファイル

Prjファイルには、Prjの原価が記録されます
完成したPrjの原価は売上原価になり、未完成のPrjの原価は仕掛品になります
タグ(フィールド)の並びは以下のとおりです
プロジェクト(以下「Prj」)Code,名称,取引先,ステイタスフラグ(以下「SF」),以下金額フィールドが(最大)27個
1レコードに(最大)合計31の金額フィールドを持つことになります

「t1_costing」ライブラリは、Ver.002 から、工事進行基準による売上高の計算を扱えるようにしました
この計算のため、金額フィールドを27個にしました(全てを利用する必要はなく、目的に応じて利用する数を決めることになります)
金額フィールドに名前を付けています、計算した原価を特定の金額フィールドにセット(加算)するスクリプトのパラメタで利用します
金額フィールドの名前は、先頭から "M0","M1"・・・"M12","Q1"・・・"Q4","G0"・・・"G9" と決められています
したがって、「PrjCode,Prj名称,契約先,StatusFlag,0,0,0,0」のデータを持つレコードにあって、後方四つのデータを "Q1"〜"Q4" として扱うことはできません("M0"〜"M3"として扱われます)
なお、「G」はGeneralの略であり、例えば、一般的な合計のほか、工事進行基準による売上計上額を計算する用途などの利用を想定しています
例えば、「C_RefPrjPre_SetPrj("M3")」とすれば、Prj直課原価がPrjファイルの該当するPrjの先頭から八番目のフィールドにセットされます(PrjCode,名称,取引先,SF,M0,M1,M2,M3←先頭から八番目 )
レコードの先頭に「#」を付けると、その行は読み飛ばされスクリプトの実行に影響を与えません(他のマスタも同様です)
フィールド名を記録しておくと、CSVエディタでデータの確認がし易くなります

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Prjファイルの例
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#PrjCode,名称,取引先,Sフラグ,M0,M1,M2,M3,M4,M5,M6,M7,M8,M9,M10,M11,M12,Q1,Q2,Q3,Q4
100328,第五次教育支援システム,Y教育財団,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0
100408,統計システム性能評価,財務省,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0

「C_AddZeroN_Prj(n)」スクリプトはPrjファイルのレコードの末尾にn個のゼロを付加します、従って、最初の四つのフィールドだけを作成し、このスクリプトのパラメタに27を渡せば、27個のゼロを付加することができます
「100328,第五次教育支援システム,Y教育財団,0」「100408,Nシステム性能評価,財務省,0」のデータを作成し、「C_AddZeroN_Prj(17)」とすれば上記のレコードが作成されます


3.原価計算部門マスタ

原価計算部門(以下「部門」)マスタのレコードは、部門Codeと部門名から構成されます
この部門は部門費の集計単位として機能します、「展開一番」の部門(「J_DD」「J_CD」「J_XD」)とは関係ありません(同じCodeを使用しても問題ありません)
原価の集計単位と原価の配賦方法が(配賦基準ファイルを通して)リンクしています
この部門Code別に集計された原価が、部門Code別に作成された配賦基準ファイルのデータによりPrjに配賦されます

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部門ファイルの例
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#原価計算部門,名称
1100,開発1課
1200,開発2課


4.配賦基準ファイル

配賦基準ファイルは部門別に作成します、ファイル名「CstAlc_」の後ろに部門Codeを付け、例えば
「CstAlc_1100_hhhh」「CstAlc_1200_hhhh」・・・のようになります
ファイルのレコードは、PrjCodeと配賦基準値から構成されます
このファイルに登録されているPrjに配賦される原価は、以下の算式で計算された原価となります
配賦原価=当該部門の原価総額÷Prj配賦基準値の合計×当該Prjの配賦基準値

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開発一課の配賦基準ファイルの例
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#PrjCode,配賦基準値
100328,600
100408,800

この例で、開発一課の部門費の合計が 10,500,911円とすれば、PrjCode100328 に配賦される原価は
10,500,911÷(600+800)×600=4,500,390.428--(四捨五入)--> 4,500,390円となります
四捨五入にかかる端数の調整は、配賦基準が最大のPrjで行われます、従って、部門原価の合計と配賦原価の合計は一致します
当然ですが、この配賦基準ファイルにPrjを登録しなければ部門原価は配賦されません、配賦基準額をゼロにすれば、配賦原価はゼロになります
配賦基準ファイルの正確性は原価計算実施のポイントとなる部分です、内部統制上のキーコントロールに位置づける必要があります





Last Update 2021/03/24