FROM TK 2010


2010/12/30
電子書籍リーダーを買いました
電子書籍を販売しているネット上の本屋さんから一番人気の本を入手し読んでみました
単行本ではかなりの厚さになりますが、リーダーはその四分の一程度の厚さであり、画面も落ち着いていて、電池の持ちも十分で、なかなかいい感じであります
価格も紙の本の七割ほどに抑えられていて、内蔵メモリに1千冊以上も保存できるので、電子書籍はこれから大いに普及するのではないかと期待しています
ところで、この一番人気の本というのが、マイケル・サンデルの「これからの『正義』の話をしよう」であり、この教授の授業がメディアで話題になっているようです
友人によれば、この本については毀誉褒貶、意見が分かれているとのことでしたが、ハーバード大学で最も人気のある授業であることに納得する内容ではありました
哲学に「政治哲学」という分野があることを始めて知りました
そして、米国の政治家や経営者たちが考えていること、或いは、彼らの思考の源泉を垣間見たようでした
翻って日本人はどうか、社内公用語を英語にすることより、米国の思考と戦える思索の論理的強度を高める訓練をするほうが重要ではないかという思いを強くしました(米国人になってしまうという安直な手段もありますが・・・)
ここでは、「正義」「公正」が語られています
前者のキーワードの一つが「自由な選択」(「自発的な選択の尊重」)であり、後者の要件として美徳の涵養と共通善の判断が挙げられています(この部分はよく理解できていません)
「展開一番」は、財務会計システムというジャンルに新たな選択肢を加えるものなので、「正義」には適っているのではないか
また、「展開一番」を、無理をしないでゆっくりと養い育てている(「涵養」の意)ので、「展開一番」に美徳の要素があれば、これも「公正」に通ずるものがあるのではないか・・・と無理矢理に解釈し、本年を締め括りたいと思い
ます
それでは、どうぞよい年をお迎え下さい



2010/09/30
実家を新築しました
ハウスメーカーの選定から完成まで、17か月かかりました
建築場所と現在の住居が離れているため、打合せや確認作業に予想以上の時間を取られました
しかし、最も時間を要したのは、古い家財の処分でした
傍から見れば、ゴミの処分でしかありませんが、両親が今から38年前に建てた家には、38年分の時間が詰まっています
これらを丁寧に、納得しながら、筆者だけの意識の底に沈めていく作業が大変でした
さらに言えば、沈めた時間をいつでも引き上げられるように、古い記録や写真をデジタル化する作業も大変でした(この作業は三分の一ほどしか終わっていないので、過去形での表現は適切ではありませんが・・・)
振り返ってみれば、生まれてから現在まで、学生時代の下宿を含めると、実に両手に余る家(または部屋)で暮らしてきたことになります
このためか「家」に対する執着はありません、「もの」を所有することにも興味はありません
反面、時間に対するこだわり(想い出に対する執着)は強いようです
「過去はない」という哲学者がいます、「過去は想起によって制作される」というのであれば、筆者は「過去」を想起することが好きだということかもしれません
「楽しかったことは記憶に残らない」という人もいます、筆者が写真を大事にする理由も那辺にあるような気がします
歳をとるごとに楽しかったことが増えていくような人生を送りたいと思います
この17か月間、「展開一番」に取り組む時間が取れませんでした
これからは、「展開一番」などというヘンテコリンなシステムに取り組んだ日々を楽しく想起できるように、頑張りたいと思います


2010/06/21
日常生活でよく利用されている製品やサービスを、(某試験問題を真似て)以下のように書いてみました

(1)A社の製品は、利用者の支持が厚く、また、リピータも多いことから、長年にわたってA社に多大の利益をもたらしている
ただし、この製品の使用により生じる煙が、利用者だけでなく、その回りにいる人々の健康を害することがわかっている
また、利用者以外の多くの人は、会議室や飲食店等の閉ざされた空間が、煙により汚染されることを不快と感じている
A社は、煙のでない製品の開発には消極的で、いまだそのような製品を市場に投入していない
(2)B放送協会(以下B社)は、映像を電波で配信し、その利用料で経営を維持している
B社以外にも多くの企業が映像を配信している、いずれもその受信は無料であり、配信内容も、ニュース、報道、ドラマ、バラエティなど多彩であり、B社の映像の視聴を必要としない人も数多くいる
しかし、B社の映像を視聴しなくても、その電波を受信できる機器(携帯電話等を含む)を所有しているだけで、利用料を支払わなければならない法律が施行され、利用料滞納者が逮捕される事態が生じている
なお、B社の電波を受信しない機能の付いた映像受信機はどのメーカからも提供されていない

民主党の「事業仕分け」がマスコミを賑わせていますが、無駄な支出だけではなく、国の管理下にある特殊法人の収入など(事業内容)にも目を向けてほしいと思います
人々の意識が変わっていくのに合わせて、これまで当然のように考えられていたことが、必ずしも当然ではなくなり、その評価が一変することさえ珍しくなくなりました
この一年ほど、「展開一番」には、ほとんど手を入れていないので(その理由は次回に明らかにする予定です)、「財務会計システムは有料であるとの考えを見直すべきである」というのもどうかとは思いますが、「展開一番」を諸々宜しくお願いいたします



2010/03/28
今月の始めに南米チリで大きな地震がありました
日本にも津波が来るというので、CNNのニュースにチャンネルを合わせました
女性キャスターが大きなディスプレイパネルに腕を延ばし、端っこにあった小さなウィンドウを手前に引き寄せ、両手で左右に広げるようにするとウィンドウが大きくなり現地の様子が映し出されました
被害状況のレポートが済むと、そのウィンドウを逆の操作で元に戻し、今度は別のウィンドウを広げ津波のシミュレーション画像の説明を始めました
両腕と両手を慌ただしく動かし、ウィンドウを開けたり閉めたりしながら様々な情報を伝えていました
効率よく情報を伝えていくキャスターに感心しながら、これからの仕事のありようを見るような想いに捕らわれました
大量の情報を自在に操り、効率よく仕事を処理していく人の姿が思い浮かびます
しかし、同時に、この人の背後に、これらを可能とする教育や訓練を受けられず経済弱者としての生活を余儀なくされている人々の影を見て取ることもできます
仕事の進め方が変われば、人と人との連携の在り方も変わってくるのでしょう
人と携帯端末が同義となれば、端末の画面を擦るのも、一つのコミュニケーションとなるのでしょうか
時代は急速に変わっていくようですが、春には必ず花を咲かせてくれる桜が例年になく愛おしく感じられます
これから、携帯電話を持たないで、花見に行ってきます