1.LinuxとRubyのインストール | ||
Linuxのインストールには、ディストリビューションパッケージを利用します 筆者は、ターボリナックス株式会社の「turboLinux10 desktop」(12千円で購入)を利用しました このパッケージには、Rubyも付属しているので、LinuxとRubyを同時にインストールすることができます(Rubyはコンパニオンディスクに収録されているので後からインストールすることもできます) インストールは、マニュアル通りに行えば、問題なく終了します、所要時間はおよそ30分です なお、インストールタイプは「標準」を選択し、 「グラフィカルログインを使用」(起動時にX Windows Systemが起動)する設定にしました、したがって、以下の説明は、KDEというディスクトップ環境下での操作を前提としています このパッケージはWindowsとの親和性が高く、特別な設定を行わないでも(システムが自動的に設定しているため)LAN経由で簡単にWindowsマシンのファイルをコピーできます また、日本語入力システムとして「ATOK X」、マイクロソフトオフィスとの互換性に優れた「StarSuite7」もバンドルされているので、「展開一番」で作成した帳票ファイルを表計算ソフトウェア「StarSuite Calc」で見易く整形することができます |
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2.「展開一番」フォルダの作成とファイルのコピー | ||
ファイルマネージャ(ディスクトップにある「マイコンピュータ」アイコンをクリックすると起動します)を利用して、ルートディレクトリの下にmpacs(MultiPurposeACcountingSystem)ディレクトリを作成します、さらにその下に、「D_Xdata」「D_Ydata」「us(UserScript)」サブディレクトリを作成します なお、「展開一番」ディレクトリmpacsはどこに作成しても構いません、また名称も「mpacs」等である必要もありません 次に、 ファイルマネージャ(ディスクトップにある「Windowsネットワーク」アイコンをクリックすると起動します、「場所バー」が「devices/」から「smb/」に変わっています)を利用して、Windowsで使用していた「展開一番」ファイル(以下の註を参照)を、該当するフォルダにコピーします この場合、LinuxとWindosでログイン名/パスワードが違っていると、接続が拒否されたり、再度ログイン名とパスワードの入力を求められることがあります、この辺りは、LAN構成や運用方法の違いで一概には言えない部分ですが、筆者の場合は、特別に苦労をしたということはありませんでした |
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3.ファイルのコード変換 | ||
Windowsで利用していた「展開一番」ファイルをLinuxに持ってきた(コピーした)だけでは、正常に作動しないはずです なぜなら、「展開一番」ファイルはすべてテキストファイルであり、その行末のコードがLinuxとWindowsでは違っているのに加え、使用するコードセットがまったく異なっているからです そこで、「展開一番」ファイルをLinuxで扱えるようにコード変換を行います 「スタート」「プログラム」「システム」と選択し、「コンソール」を起動します ここで、「nkf -eSd (A) > (B)」とコマンドを打ち込みます 「nkf」は、ネットワーク漢字フィルターというプログラムで、これを利用して、文字コードを変換します、変換方法等は、その後のオプション(-)で指定します 「eSd」は、e:EUC-jpコードに変換すること、S:入力ファイルのコードセットはShift-JISであること、d:行末のCR(キャリッジリターン)コードを削除することをそれぞれ指示しています また、(A)にはWindowsファイル名、(B)にはLinuxファイル名が入ります したがって、Windowsの「展開一番」ファイルをLinuxにコピーした後、当該ファイルの名称を変更しておく必要があります(上記の、ファイルマネージャでリネームできます、また、筆者の場合、一時的にリネームするときは前のファイルの先頭に「q」を付けることにしています) 「展開一番」ライブラリを含めすべてのファイルを変換します 【例】 $nkf -eSd qt1.rb > t1.rb $nkf -eSd qXJ_9050.txt > XJ_9050.txt |
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4.プロファイルの修正など | ||
ファイルのコード変換が済んだら、プロファイルを修正します プロファイルには、個別データと汎用データのディレクトリの場所が記述してありますが、この指定方法が、LinuxとWindowsでは異なるからです プロファイルがあるディレクトリに移り(以下の註を参照)、t1_Profile.txtをクリックすると「kwrite」というエディタが起動するので、aとbのタグの内容を以下のように修正します a,C:\mpacs\D_Xdata\ ---> a,/mpacs/D_Xdata/ b,C:\mpacs\D_Ydata\ ---> b,/mpacs/D_Ydata/ 次に 「コンソール」を起動して、以下のように入力します $ RUBYOPT=-Ke;export RUBYOPT これは、Rubyの環境変数にRubyが標準として利用するコードセット、すなわち、EUC-jpをセットするためのものです 以上で、すべての作業が終了します Windowsと同じように、「コンソール」から、「ruby ユーザスクリプト.rb」 と入力すれば、指定した帳票が作成されます |
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(註) ディレクトリを移動するには、コンソールから「CD 移動先のディレクトリ」と入力します 例えば、ユーザスクリプトのディレクトリ(US)に移動するには、以下のようにします $ CD /mpacs/us |
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Last Update 2004/01/07 | ||