あうとふぉーかす 吉岡 平


”無責任艦長タイラー”シリーズで有名な作家・吉岡平が自分の趣味であるカメラを題材にして書いた小説です。
主人公はカメラ雑誌の若手編集者・小関雄。その小関が編集者の仕事を通じての新人カメラマンや、編集長、そして作者自身がモデルの”えすえふ作家・吉田均”との間での会話や行動などで、作者のカメラや、写真の取り方等へのこだわりを面白く書いています。
僕自身は写真に撮られるのは嫌いだし、ほとんどカメラを使った事がないのでカメラ事態にはあんまり興味がなかったのですが、この小説を読んでいくといっぺんカメラを持ってみたくなります。
ただ僕のばあい、使わずに飾っとくだけになりそうですが・・・それじゃぁこの小説に出てくる吉田均だなぁ・・・・
最近になって自衛隊の演習とかを見る機会などがあり、そういうのを見ると「あぁ写真とりたいなぁ」などと思うことが増えてきて、久しぶりにこの小説を読んでから、カメラをやってる友人に話をしたら、この小説に載っているカメラはもう古いタイプに成り下がっていました(笑)
ただ、カメラの型は多少古いかもしれないですが(なんといっても、初版発行が1992年・・・・冒頭は宮沢りえのヘアヌード写真集の新聞朝刊での全面広告から始まっていて懐かしい限りだし)、取り方にかんしては結構詳しく、多岐にわたって書かれているし、写真始めたばっかりの方には結構為になるのではないかなぁと思います。
難点をいえば、カメラの専門用語がバンバン出てくるので、最後に簡単な用語集を入れてほしかったです。。。
また巻末には、吉岡先生が取った写真が各種掲載されていて、それに対する一言コメントと使用機材が書かれていて小説で書かれている撮り型の一部を実戦していてくれているのがうれしいです。
ちなみに僕がこの小説で雑学として記憶できたのはライカと二次戦時のドイツの戦車の形式名がほぼ一緒で同時期に作られたってことだけです(^_^)
それと、結構実在する人がモデルになっているみたいで、そっちの方からも結構楽しく読めます。。。