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またの夜も、月のいと明かきに、藤壺の東の戸を押しあけて、さべき人々物語しつつ月をながむるに、梅壺の女御ののぼらせたまふなる音なひ、いみじく心にくく優なるにも、故宮のおはします世ならましかば、かやうにのぼらせたまはまし、など人々言ひ出づる、げにいとあはれなりかし。
天の門を雲居ながらもよそに見てむかしのあとを恋ふる月かな
故宮は祐子内親王の母、後朱雀帝の皇后、嫄子。
一条帝の孫であり、頼通の養女。
一方の梅壺は女御。古くから仕える人々にとっては、自分たちの方が上だとする思いもあったと思われる。藤壺が一番なのだ。
作者にとっても物語の中に見ていた藤壺なのだが、抑制の効いた文章だ。
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