旅のミニ情報局 〜 マレー半島分室 〜



JBから北上開始!
JBの愛称を持つジョホール・バルは、マレー半島の南端に位置する国境の街。 全長約1050mの陸橋、ゴーズウェイでシンガポールと結ばれている。 シンガポールの繁栄にあやかり、クアラ・ルンプルに次ぐにぎわいがある。 東海岸から南下するとその大都会ぶりに圧倒され、シンガポールから入国すると 人々の服装や建物を目にするにつけイスラームの国に来たという実感がわいてくる。 さらに、第二次世界大戦中のこの地方と日本の関わりも忘れてはならないだろう。 1855年にイスラーム教の君主スルタン・アブ・バカールによって造られたこの街 は”新しいにぎわい”ばかりではない、ジョホール・バル駅をはじめスルタンの王宮 イスタナ・ブサル、アブ・バカール・モスクなど、イスラームの伝統を残した数多くの 古い建物にも触れることができる。(「地球の歩き方」より)


ジョホールバル中心部
ジョホールバル中心部。高層ビルが何本も立っており、かなりの都会である。 マレーシア〜シンガポール間を陸路で移動する時には必ず通過せねばならない交通の要所であるが、 市内にはこれといった観光スポットはない。しかも、治安が比較的悪いらしいので、わざわざ何日か滞在する必要性はない。 前述のジョホールバルのバスターミナル(ラーキンバスステーション Larkin Bus Station)は中心部や鉄道駅がある場所から 5km以上離れている。またシンガポールから路線バスで来た場合は中心部を通過し、このバスターミナルが終点である。 そして折り返しシンガポール行きとなる。ちなみに中心部からバスターミナルまでは車で10分ほど。 タクシーを利用すると8RM(256円)。


タンピン駅
マラッカには鉄道が通っていない。だからバスで行くのが最も便利だが、どうしても鉄道で行きたい場合は 最寄り駅のタンピンからバスに乗り換えるという手がある。写真はタンピン駅。 タンピンまではシンガポールから所用時間4時間、運賃は急行2等で27$(2079円)、3等で15$(1155円)。 JBからは所用時間3.5時間。タンピンからは1時間おきに運行されているバスで1時間、1.9RM(約61円)。 一方、前述の通りバスでマラッカまで直行するとJBから所用時間3.5時間、10RM(320円)。


タンピン バスターミナル
タンピンのバスターミナル。鉄道駅から徒歩10分くらいのところ、市内中心部にある。 タンピンの街は、活気はあるが高層ビルもなく小さな街である(でもケンタッキーが1軒あった)。


マラッカ海峡の夕日を見にいこう
クアラルンプールからバスで南へ3時間、海峡に面した町マラッカ(ムラカ)は、マレーシア最古の街である。 日本でいえば、さしずめ奈良か鎌倉。古都を象徴する多くの遺跡が現存している。 15世紀初頭に築かれたマラッカ(ムラカ)朝は、今日のマレー世界の原型をつくった。 イスラーム教を導入し、スルタンを王とする王朝であった。華々しい繁栄を支えたのは、海峡そのものである。 季節風を利用して、東西へ貿易船が行き交う。マラッカはその天然の中継港であり、シルクロードに匹敵する 海上の道として、東西の東西の文明がここで渦巻くように交差した。 だが、繁栄の礎は反転して、亡国のそれとなる。アジア侵略を目指すヨーロッパ諸国にとって、 マラッカは垂涎の的であった。16世紀初めのポルトガルに始まり、オランダ、イギリスの数世紀に渡る 外国支配が、この地からついには半島全土に及んでいった。 ほとんどの史跡は、中心のブンガラ通りの先、運河沿いの一角に集中している。 目を奪う鮮やかな紅色のスタダイス、時計塔。さらには博物館、ここでは日本の軍政時代も含む マラッカの興亡史が手にとるようにわかる。その裏の小高い丘、ポルトガル時代のサンチャゴ砦に登れば、 マラッカ海峡が一望できる。眠るようにゆったりとたゆたう海を眺めながら、いにしえの王国を思い描くか、 それとも、水平線上を行き交う石油タンカー(半分が日本向けという)に、現代を考察するか――。 いずれにしても、見どころと旅情のあるマラッカ、セントポールの丘に置き忘れられたような昔の街並みを 歩いてみると、街全体が静まりかえって、タイムトリップしているような気持ちになってくる。 (「地球の歩き方」より)


とあるマラッカの風景
サンチャゴ砦近くのとあるマラッカの風景。 街並みもヨーロッパ占領時代を反映して、ヤシの木が立ち並ぶ南国アジアの中に、 どことなくヨーロッパを感じさせる。 夜10時まで営業しているデパートもあり、とてもきれいな街である。


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