旅のミニ情報局 〜 インド分室 〜



悟りを開いた仏教最高の聖地
ガヤーから南へ10kmほど、ネーランジャラー川沿いに進むとブッダ・ガヤーに至る。 こここそ菩提樹の下で瞑想を続けたブッダが、ついに覚りを得たところ、仏教徒にとっては最高の聖地である。 およそ2500年前のこと、シャーキャ(釈迦)族の王子として生まれたスィッダールタは、人生の苦悩を痛感し、解脱への道を求めて世俗の生活を捨て去り、厳しい苦行を続ける。 それでもなお解答は得られず、やがてウルヴェーラー村(現在のブッダ・ガヤー)の大きな菩提樹の下で深い瞑想に入った。 そして時を忘れた瞑想のさなか、長く暗い夜がまさに明けようとしていたときに、澄み切った覚りがその人の心に訪れたのである。 ここに世界の謎は解け、宇宙はその真の意味を開示した。 人間がなぜ存在するのか、またどのように生きればいいのかという疑問への答えなど、透き通った水のなかにあるもののようにはっきりと、その人には見えたことであろう。 こうしてブッダ(覚者・覚った人)となり、静かな歓喜に包まれるその人を見守るのは、ものいわぬ大樹と未明の空に輝く明けの明星だけであった。 のちにこの覚りの内容は、四諦八正道の教えとしてまとめられ、仏教が広まるとともに多くの人々にとって心の支えになった。 この教えは、日本に生まれ育った我々の心の奥底にも、どこか受け継がれているのではないだろうか。 (「地球の歩き方」より)


ブッダ・ガヤー中心部
ブッダ・ガヤーには鉄道駅がなく、16km離れた最寄りのガヤー駅からバスを利用することになる。 バナーラスからの所要時間は列車によって異なるが9時間30分位、ガヤー駅は重要ターミナル駅ではないため足の速い特急は利用できず、距離の割には時間がかかる。 運賃は2Aで540Rs(1512円)、SLで115Rs(322円)。 営業距離では300kmあまりだ。 ガヤー駅からはバスで30分、4Rs(約11円)、オートリクシャで70Rs(196円)位。 さて、ブッダ・ガヤーは非常に小さな集落だ。 メインストリート沿い3〜4kmに渡って建物が点在している以外は、一面の田園風景が広がっている。 写真はブッダ・ガヤーのメインストリート。2階建て以上の建物はほとんどない。


ブッダ・ガヤーの田園風景
メインストリートから一歩脇道へそれると、写真のようなのどかな風景が広がっている。 質素な農家からは地元の子供が無邪気に走り回って遊んでいた。


マハーボーディ寺院
いくら小さな集落とはいえ、ブッダ・ガヤーは仏教最高の聖地である。 寺院へ近づくにつれて次第に、大きな数珠を首から下げたひげもじゃの一団や、タイと同じオレンジの袈裟を着ている一団など、各地から集まった巡礼の人々が列をなして歩いているのを見るようになる。 また観光客の姿も増えてくる。 そして寺院前に到着すると、突然きれいに整備された道になる。


マハーボーディ寺院の大塔
ブッダが悟りを得た地に建つマハーボーディ寺院(大菩提寺)。 その敷地の中心に建つのがこの大塔だ。 マハーボーディ寺院の入場料は無料、カメラの持ち込みは別途5Rs(14円)、靴を預けたお礼に0.5Rs位。 さすがは仏教現役の聖地のため、タージ・マハルと違って観光地プライスではないようだ。


大塔内の仏像
大塔内の金色に輝く仏像。 各地からの信者たちですごい混みようだ。 偶像崇拝のないヒンドゥー教で占められている国だけあって、このような像は珍しい。


菩提樹
ブッダは菩提樹の木の下で瞑想をし、ついには悟りを覚えたという事実はあまりにも有名であろう。 これがその菩提樹の木である。 しばし眺めていると、ふいにこの菩提樹から落ち葉がはらりと落ちてきた。 早速ゲット。最高のお守りになった。




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