旅のミニ情報局 〜 インド分室 〜



タージ・マハルがある古都、アーグラー
タージ・マハル。ヤムナー河畔に立つムガル皇帝シャー・ジャハーンの愛の記念碑。 その白亜のドームは、人類が地上に残した一粒の真珠。 この完璧な建物は、時代を経るにつれ、ますますその輝きを増しているようだ。 そしてファテープル・スィークリー。 わずか14年の間、首都としての栄光を担った後、見捨てられた人の住まぬ廃都。 ファテープル(勝利の都)の城壁は、とどまることを知らぬ時の流れに今も勝利をおさめ続けるのであろうか。 アーグラーは、デリーからヤムナー河沿いに約200km下ったところにある地方都市。 有名なタージ・マハルのある町として、多くの観光客を集めているが、デリーと比べるとずっと静かな感じだ。 タージ・マハルをじっくり見たら、市内のアーグラー城、郊外のファテープル・スィークリーなど、ムガル帝国の栄光を偲ばせる遺跡も見て欲しい。 アーグラーの歴史は古く、「マハーバーラタ」には紀元前3世紀の都市、Agrabanaとして登場し、またプトレマイオスの世界地図にもAgaraとして記されているほどだ。 16世紀半ばに、ムガル帝国第3代皇帝アクバルが首都をここに置き、以後1世紀足らずの間だが、隆盛する帝国の中心として繁栄した。 1638年には、シャー・ジャハーンが都をデリーに移してしまったが、アーグラーに残る史跡は、タージ・マハルも含めていずれもこのムガル時代に建造された壮大なものだ。 現在のアーグラーは、イスラーム文化の香り高い古都としての落ち着きを見せながら、教育・ビジネスの中心地ともなっている。 (「地球の歩き方」より)


アーグラーの交通について
「アーグラー」を冠する鉄道駅は3つあるが、デリー・バナーラス・カルカッタを結ぶ幹線からだとアーグラー・カント駅に到着する。 ここの見どころは、タージマハル、アーグラー城、また郊外のファテープルスィークリーの3つ(いずれも世界遺産!)であると言ってしまって良いので、その近くで宿泊して行動の拠点とするのが便利。 また月夜に浮かぶタージマハールを拝むためにも、屋上からタージを眺められる宿を見つけると良いだろう。 アーグラー・カント駅からタージ・マハル周辺までは約7〜8km。オートリクシャで20Rs(56円)位が相場。


タージ・マハルその1
解説するまでもないくらい有名なタージ・マハル。 写真でこうしてみると、おとぎの国の景色のようで現実的に見えないかもしれない。 だから現実にタージ・マハルを目の前にすると、あまりに完璧で壮大な姿にしばし浮世を忘れてボーっとしてしまうのである。 この感覚は実際に行ってみないと分からない。行ったことがない人は是非1回は行ってみて欲しい。 さて現実に戻って入場料のことだが、たびたび値上げされているらしい。 2000年ごろに、960Rs(2688円)になったらしいのだが、私が行った時は、結局換算額は同じくらいなのだが「US10$+500Rs」という謎な料金体系だった。 やっぱり世界的遺跡の入場料はバカ高い。 また、2001年くらいから今まで無料で入場できた金曜日が入場不可能となった。 無料を狙って金曜日に訪れる外国人を排除する目的だろう。ご注意あれ。


タージ・マハルその1
もはや言葉は要らない。 気分はアラビア〜ン♥である。(ちょっと違うか)


タージ・マハルからヤムナー河を望む
タージは階段から壁から廊下から、何から何まですべて純白の大理石でできている。 日差しの強い日中は、建物全体がまばゆいばかりに輝いて、しっかり目をあけていられないほどだ。 建物内部は思ったほど広くない。 中央に大理石で細工された網に囲まれた、棺のような壇があるだけで、上層は吹き抜けてになっているし、下層に下る階段があったが塞がれていて入れなかった。 また日の日差しが届きにくい所だから、薄暗くてちょっと陰湿な印象だ。 やはり一番はちょっとはなれたところから全景を眺めることだろう。 メインの建物以外は写真のように一周ぐるりと歩いて回ることができ、裏側にはすぐヤムナー河のゆったりとした流れが迫っている。 裏手の日陰で腰をおろして、ヤムナー河のゆったりとした流れを眺めながら、悠久の時の流れに物思いにふけるのが吉。 なお、建物に入る際は入口の番人に靴を預けなければならないが、この番人がまた困ったちゃんである。 帰り、番号札と引き換えに靴を返してもらおうとしても、この番人は「チップが多い人の靴から順番に」返却してくるのである。 さすがは人気スポットだけあって、いつも人であふれかえっているから、二束三文のチップでは一向に構ってくれない。 靴をモノ質にするなんとも腹立たしい輩である。 私は運良く、タージで知り合いになったインド系アメリカ人と一緒だったので、ヒンディー語で思いっきり怒鳴ってもらった(笑)


お約束。
やっぱりです。 タマネギ型ドーム屋根のお約束なんですから仕方ありません。 でも日本じゃ世界遺産相手にこうはできません。貴重です。


アーグラーの街とタージ
タージに程近い安宿シャンティ・ロッジの屋上からの眺め。 屋上はレストランとして解放しているので、月明かりの夜は食事をしながら月明かりに浮かび上がるタージを眺めることができる。 この辺は住宅や商店が結構密集している地域であり、トタンやコンクリートで作られたお世辞にも立派とはいえない建物が続いている。 シャンティロッジの詳細については、「生活・交通編」を参照してください。




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