旅のミニ情報局 〜 インド分室 〜



インドといえばカレー!?
我々日本人の印度に対するイメージ。それは、インドの食といえばカレーであるということ。 「日本印度化計画」(C)大槻ケ○ヂ でも唄われているくらい常識だ(古)。 実際はどうだったかといえば、やっぱりインドはカレー。 地元の人しかいないような食堂に入るとまずカレー味以外の食事にありつくことはできない。 しかし、日本のカレーのように1種類の味ではない。実に多種多様なカレーがあるのだ。 もともとカレーは何十種類のスパイスを調合して作られる食べ物。 そのスパイスの調合の仕方を変えると、味も見た目も変わってくる。 もはや「カレー」とひとくくりに呼べないような状況だったのだ。 だからインドを旅行したら毎食毎食カレーしか食べられないと悲観する必要はない。 バラエティーに富んだカレー料理を大いに楽しもう。 ・・・でもやっぱり飽きるけどね。(笑)


エッグカレー&ダール
右がエッグカレー。 タイのカレーはココナッツミルクを使っているものが多いし、汁もさらさらしていてしかも辛いのが多いのに比べ、インドのカレーは全体的に思ったほど辛くない。 しかも日本のカレーと味も見た目も意外なほど似ている。左がエッグ・カレー(30Rs=84円)。 左がスチームド・ライス。要するに蒸した米、白米だ。 米はやっぱり長粒種のインディカ米。粘り気が少ないのでパサパサしている(20Rs=56円)。 真ん中にあるのはインドでもっとも一般的に飲まれているスープ、ダール。 大豆のような豆をトロトロになるまで煮込んだスープで、味もスパイス少しと塩くらいで非常にあっさりしている。 このダールとナンだけで食事を済ませる人もいるらしいが、ちょっとあっさりしすぎているかも。 だいたい20Rs(56円)。


インドの食堂
インドの食堂。 ほとんどがこのようなオープンエアーで、料理は通りに面した軒先で作られている。 お世辞にも衛生的とはいえないが、現地の人しか入らないような食堂にチャレンジするのは楽しい。 一方、扉がある食堂はまず高級料理店(といっても5割増位の値段)と考えてよい。 なぜなら暑いインドでわざわざ扉をつけるということは、店内にはインドではまだまだぜいたく品のエアコンがあるはずからだ。


ターリー
上の写真の食堂で食べた、ターリー。 ターリーとは「大皿」の意味であり、インドでもっともポピュラーな定食だ。 カレー数種類と(カレーには香り付けの月桂樹のような葉が入っていた。意外と凝っている)、同じくカレー味のジャガイモに付け合せの生キュウリと生タマネギ。 別容器にダールも注いでくれる。それにライスとチャパーティー。 チャパーティー(チャパティー)とは、水でこねた小麦粉を石釜の壁面に貼り付けて焼き上げたもの。 ただ水でこねただけなので、そっけない味で腹にもたまる感じだが、石炭や木炭で焼かれていたりすると、とても香ばしくておいしい。 日本でも有名なナンは、見た目や焼き方はチャパーティーと全く同じだが、パンのように生地を多少発酵させたものだ。 その分ナンの方が多少高い。 このターリーは、どこの店でもどんどん無料でお代わりをくれる。 店員(小学生のような小さな子も働いている)が巡回していて、ダールをどんどん注ぎ足してくれる。 チャパーティーも焼き立てを持ってきてくれる。 庶民の定食なので、どこの店でも値段は安かった。だいたい一食20Rs(56円)ほど。 写真にはスプーンがついているが、これは外国人と見た店員が気を使って持ってきてくれたもの。 通常インドの食文化では、手で食べるのだ。 左手はヒンズー教で不浄とされているので使わない。 右手でちぎったチャパーティーやライスをカレーの中に入れ、手でよくこねる様に馴染ませてから器用にスプーンのようにすくって食べる。


マサラ?
店員が「マサラ、マサラ」と勧めるのでそれを注文したが、後でガイドブックを調べてみるとマサーラーとはインドカレーのベースとなるスパイスを調合したもののことで、日本でいう味噌や醤油にあたる調味料とのこと。 結局正確なメニュー名は確かめられなかった。 白いのは、ココナッツミルクに青唐辛子系の辛いスパイスをふんだんに入れた激辛スープ。 それにカレー味で炒めたタマネギとジャガイモを生地で挟んで焼き上げたもの。 30Rs(84円)。ちなみにインドで初めて食べた食事。


フライド・ライス&チャイ
ベジタブル・フライドライス。インドでは珍しくカレー味とは無縁の、日本人の口にも合ういたって普通のチャーハンだ。 インディカ米は、白米ではなくてこういった食べ方がいちばんおいしい。 カレーにちょっと飽きた時にこれを食べるとほっとする。30Rs(84円)。 左の飲み物がインド紅茶、チャイ。 ダージリンティー、アッサムティー等がスリランカのセイロンと並んで最高級品といわれている紅茶、どちらもインド産出のものだけあって、インドでは紅茶がもっとも一般的な飲み物だ。 ただもちろん高級品は庶民は飲めず、ほとんどが輸出に回ってしまうらしい。 インドでは、ミルクで煮出した紅茶に砂糖をたっぷりと入れて飲む。 中にはレモンやショウガで風味をつける場合がある。 暑い国なのでこういった熱い飲み物ばかりだと、時々冷たいものをがぶ飲みしたい衝動に駆られるが、それでもとてもおいしく、毎食必ず注文していた。 1杯5Rs(14円)。 で、改めて感じたのがシルクロード沿いの茶の文化は、言語の壁を越えて名前が共通なんだということ。 日本もそうだけど「チャ」と発音するか、もしくはヨーロッパやマレーシアのように「ティー」と発音するか2種類だけなんだから。


シズラーチキン
デリーで出会った日本人男性(バブル崩壊で事業が失敗し、それ以降デリーでインド人相手に日本語を教えているという)から勧められたシズラーチキン。 鶏のもも肉を、カレーのようなルーで煮込んだ料理。 インドでも、肉を使った料理は結構高く、95Rs(266円)。 カレーでもチキンカレーになると20〜30Rs高くなるので、これほど丸ごと肉を使った料理だとこの値段でも仕方ない。 ヒンドゥー教では、牛を神聖な動物として食べないので、国民の9割がヒンドゥー教のインドではまず牛肉はお目にかかれない。 またイスラム教では豚を不浄な動物とみなしているためか、豚肉もほとんど出回っていない。 よって肉料理といえばほとんどは鶏肉か、またはマトンとなる。




NEXT