旅のミニ情報局 〜 中国分室 〜



大草原が広がるモンゴルの玄関口
フフホト《呼和浩特》は、モンゴル語で青い城という意味。 異国情緒あふれるその響きにふさわしく、面積約60km2、人口約150万人の市内には、モンゴル族をはじめ約20万人もの少数民族が暮らしている。 また気候は西北特有の大陸性気候で、夏でも涼しい。 そのため、フフホトは夏がベストシーズンと言える。 今、内蒙古自治区の区都であるフフホトは驚くほどのスピードで発展を続けている。 街には新しいビルがどんどん建ち、近代都市に変貌を遂げつつある。 またフフホトの街で気づくのが、看板にモンゴル文字が併記されている点。 発展した街を歩いていると、本当にこの近くに大草原などあるのかと心配になるが、この文字を見るとここがモンゴルだと実感できる。 車に乗って2時間ほど走ると、市内の光景からは想像もつかないような大草原が広がっている。 ここでは羊の骨付き肉、そして新鮮な空気を心行くまで味わいたい。 (「地球の歩き方」より)


フフホト駅
フフホト駅《呼和浩特站》。 北京から約11時間、ずっと山がちだった車窓が次第に平坦になり、見渡す限りの畑や草原に変わってくる。 そこに現れる大都市がモンゴルへの玄関口、フフホトだ。 モンゴル族が20万人暮らしているとのことだが、モンゴル族は漢族とあまり見た目の違いがない(むしろ日本人と風貌が似ているかも)ために全く違和感はない。 夏は昼間でもからっと過ごしやすいが、冬は最低気温がマイナス10度を下回る。


大草原ツアーに行こう
モンゴルというと、誰もが大草原とそこに暮らす遊牧民を思い浮かべるだろう。 フフホトでは、そういった大草原と遊牧民の暮らしを体験できるツアーに参加することができる。 冬はめちゃくちゃ寒いので、ベストシーズンは6〜9月の夏場。 いくつもの旅行社が同様のツアーを主催しているが、中国旅行社と中国国際旅行社は全国的に名が通った大手の旅行社なのでより安心だと思われる。 どちらの旅行社も、オフィスは内蒙古飯店(五ツ星の超高級ホテル)の裏手にあるビルに入っている。 古い「地球の歩き方」から場所が移転しているので注意。 または内蒙古飯店のレセプションに申し出ても中国旅行社のエージェントを呼んでもらえる。
大草原ツアーは、1泊2日と2泊3日のコースがあるし、行く草原によっても種類が分かれている。 シラムレン《希拉穆仁》、輝騰錫勒、格根塔拉などの種類があるが、シラムレン以外は標高が高くて寒かったり(9月とかでも零度近くまで下がるらしい)、施設が悪かったりでエージェントの方もあまり勧めてこない。 草原の状態はシラムレンより良いとのことだが、人数が集まらなくて催行されないことが多いそうだし、されたとしても代金が高くなってしまう。 なので結局はシラムレンを選択する客が多そうだ。 また2泊3日コースは希望する客が少ないので催行される可能性は少ないかもしれない。 代金はシラムレン1泊2日コースで500元(7500円)。 参加人数が少ない場合はもっと金額が高くなる。


宿泊するパオ
今回参加するツアー客(日本人7人、中国人3人、香港人1人)を乗せたワゴンは、フフホト市内を出発し、峠を越える広くて快適な有料道路を走る。 運転手兼ガイドはたいてい片言の英語や日本語を話すことができる。 疾走すること2時間弱、だんだん平坦な土地になってきてシラムレン草原に到着する。 写真のようなモンゴル遊牧民の住居であるパオ《包》に宿泊するのだが、本物の遊牧民と全く同じとは残念ながらいかない。 現地の人々が暮らすレンガ造りの母屋に、観光客用のパオが並んでいる。 コンクリートの基礎に鉄骨で枠組みが作ってある移動式ではないパオだ。 また中心には食事や宴会で使用される一回り大きなパオがあり、外れにはトイレ(穴を掘ってそこに壁を作っただけの超簡易トイレ)が設置されている。 周囲10km以上に渡って草原以外は何もないのに、驚くべきことに電信柱が通っていて電気が通じている。 しかも携帯電話の通話エリアに入っている。 ただ当たり前だがガスや水道はないので、シャワーを浴びることはできない。 パオの内部は以外と広く、布団4枚を敷けるくらいの広さはある。
到着すると、母屋に住んでいる現地の住民が民族衣装を着て歓迎の出迎えをしてくれる。 また歌を歌いながら酒を振舞うという歓迎の儀式をしてくれる。


地元民の住居
宿泊するパオに到着して間もなく、車ですぐのところにある現地の住民の家を訪問する。 さすがにこの辺では本物の遊牧生活をしている人はいなく、このような住宅に住んでいる。 この家にある井戸水を汲んでみたり、現地のクッキーやミルクティーにも似ている味のバター茶をご馳走になったりしながらのんびり過ごす。 するとどこからともなく民族衣装の貸し出し(5元)をする客引きが現れて営業をはじめる。


昼食
宿泊地に戻ってしばらくパオでのんびりすると、昼食の時間になる。 歓迎の儀式と同じお酒(なんと49度!)で乾杯して、キュウリの炒め物、タマネギの炒め物、セロリの炒め物、焼いたハム、羊肉のダシが効いたスープに白いご飯と饅頭。 そういったものを食べていると出てきました、焼いた羊肉のかたまり。 羊肉はクセがあるので苦手な人もいるが、基本的にはとてもおいしい。 羊肉を振舞うのはモンゴルでは最高のもてなしなのだそうだ。


モンゴル相撲
昼食を食べ終わると、現地の人がモンゴル相撲や競馬のアトラクションを見せてくれる。 我々客人も混じり、言葉は通じないがスポーツで交流する。 なお、周りに転がっているのは馬糞。 ずっと同じ場所に定住しているので、居住地の周りは馬糞だらけだ。 ただモンゴル草原は1日中強い風が吹いているので、不快な匂いはすぐ飛ばされてしまい、漂ってこない。


乗馬体験
さて、次は乗馬だ。 唯一乗馬だけがツアー代金には含まれておらず、1時間で50元(750円)取られる。 ただ乗馬をしないと何もすることがないし、大草原で馬に乗るのはとても爽快な気分になるので、ケチらずに乗るのが吉。 鞍などの馬具もついているし、馬もよく馴らされているので安心だ。


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