北京最大のターミナル駅である北京駅《北京站》。 地方に帰省する人や、また上京してきた人でごったがえしている。 なお、北京駅のほかにも、北京西駅、北京北駅、北京南駅がターミナル機能を果たしており、行き先によって発着する駅が異なる。 切符《火車票》を購入し駅に向かう時には、目的の列車がどの駅から発着するかをよく確認しておこう。 特に北京西駅は北京駅と並んで大規模なターミナルである。 |
中国のシンボル天安門周辺 |
北京を旅行する人で、ここを訪れない人はいないだろう。 北京の、いや中国のシンボルである天安門。 その天安門前の、世界でも最大級の巨大な空間が天安門広場である。 この広場は、東西を歴史・革命博物館、人民大会堂の巨大建築に囲まれ、南は正陽門(前門)から毛主席紀念堂、人民英雄紀念碑とこれまた巨大な建造物が南北軸線上に配置されている。 また天安門から北は、故宮の枢軸をなす主要建造物がこの線上に並ぶことからして、かつての権威主義的中央集権国家の延長線上に、現在の国家体制もあることが感じられるであろう。 (「地球の歩き方」より) |
故宮を中心とした「内城」を囲む9つの門のうちのひとつである前門(正陽門)。 故宮や天安門の真南に位置し、内城の正門として皇帝や皇族専用の門として使用された。 建造は1420年の明代で、現在の建物は1900年の8カ国連合軍で破壊されたあとに修復されたものである。 5元(75円)で城門楼に登ることができる。 ただ天安門方向の真正面には毛沢東紀念館が建っているため、天安門と広場の大パノラマは望めない。 |
天安門。
さすがは中国の象徴だけあって、その巨大な姿は威風堂々としている。
残念ながら当時は壁の補修工事が行われており、壁の左半分が工事用ネットに覆われていたが、そこには「中華人民共和国万歳」、そして右半分には「世界人民大団結万歳」という中国のスローガン(?)が書かれている。
また中央に毛沢東の肖像画が掲げられているのはあまりに有名だが、その大きさはほとんどの人の想像を越えているだろう。
真下に行ってみるとその巨大さに驚かされる( 写真 )。
正面には国旗掲揚のポールがあり、そこには警備の兵士が微動だにせず立っている。
その周りにはおびただしい数の中国人観光客が群がって記念撮影をしているし、そういった観光客を狙ってお土産売りの売り子が声をかけている。
もはや天安門事件当時の物々しさは完全になくなり、国家の偉容を讃える観光地になっている。 余談だが、中国ではよく建物の壁に人民を鼓舞するスローガンがあちこちに書かれている。 正確には覚えていないが、鉄道の車両区には「安全第一で、顧客へのサービスを徹底しよう」というような内容、工場では「勤勉が国家繁栄に繋がる」というような内容だったりする。 また峠道では《慢行》(ゆっくり走ろう)という文字があらゆる壁に書かれている。 こういうところからも中国が社会主義国家であることが分かる。 |
天安門には観光客が登ることができる(15元、荷物預けが必須で約2元)。 そこから見た天安門広場の眺め。とにかくものすごい広さである。 天安門の正面(真南の方向)に国旗掲揚台、さらに人民英雄紀念碑とその奥に毛主席紀念堂がある。 写真には掲載しないが、広場の西端(写真右側)には日本の国会議事堂にあたる人民大会堂が、また東端(写真左側)には中国歴史博物館・革命博物館がある。 毛主席紀念堂にはなぜかあの毛沢東の遺体が保存されていて、無料で一般公開されている。 しかし中国人観光客にものすごい人気のため、長蛇の列を並ばないといけない。 |
故宮は明代14人の皇帝、清代10人の皇帝が中国を491年間にわたって統治した居城で、宮廷が置かれていた。
紫禁城とも呼ばれ、かつての皇帝の宮殿の意味で故宮と呼ばれる。
13世紀、蒙古帝国のフビライ=ハンが元王朝を成立させ、ここに居城を定めたのが皇居の始まりである。
元王朝は滅亡の際に、発祥の地モンゴル高原に逃走したため、王朝交代期に起こる籠城戦による宮殿の破壊は生じず、大都城をはじめ多くの建築物が残ったようだ。
しかし、明代になってここを首都と定めた永楽帝は、これらを皇居としてそっくり使うことはせず、大改修をして再利用した。
明滅亡後に入京した清王朝はほとんど宮殿を改修せずに利用した。
とはいっても多くの宮殿は失火などで焼けてしまい、現在も残る明代の建築物は内廷にある欽安殿くらいである。
(「地球の歩き方」より) 天安門の北隣に位置している故宮は大きく外朝と内廷に分かれる。 外朝は皇帝が大典を行う場所であり、太和殿や中和殿などの数々の殿がある。 一方、内廷は皇帝が日常執務を行ったり皇帝や皇后貴妃が居住する後宮がある部分である。 写真は外朝正面に位置している太和門。 故宮はとにかく広く、一直線に歩くだけでも1km以上はある。 博物館にもなっている宮殿の、全部の収蔵品を見て回ると半日がかりになる。 入場料は60元(900円)。 |
故宮の後宮には、このような庭園、御花園がある。 故宮はとても広く、多くの立派な宮殿があるのだが、どれも見た目が同じためにずっと見て回っていると多少飽きてしまう。 急に様子が変わるこの庭園は故宮内では特異な存在である。 |
故宮の北にある景山公園。 かつての皇帝が風水の影響を受けてこの地に小さな山を作ってしまったらしい。 この高低差48mの山に登ると、故宮の全景やまた北京市内が一望できる。 入場料は2元(30円)。 また夕方になるとデートスポットにもなる。 驚くことに、中国のカップルは意外と人目をはばからずイチャイチャするのだ(笑)。 ひょっとしたら日本以上である。 想像していた社会主義国としてのイメージがまた崩れたエピソードであった。 |