旅のミニ情報局 〜 中国分室 〜



市内交通について
中国での市内交通の手段と言えば、路線バスとタクシーがメインである。 また北京市、上海市、天津市、広州市には地下鉄も運行されている。 その他、地方都市では東南アジア各国でもおなじみの三輪バイクも営業している。


タクシーと路線バス
写真上半分の赤い車がタクシー《出租汽車》である。 運賃は、北京では初乗り10元(150円)で4km以降は1km毎に1.2元である。 これは都市ごとに微妙に異なり、例えば他の都市では初乗り6元(90円)で3km以降は1km毎に1元だったりする。 道路はキープライトの左ハンドルで日本とは逆だが、道路標識などは日本と似ていて分かりやすい。 有料道路は緑看板(ただし高速道路は中国では快速道路である)、一般道は青看板と言うのも同じだ。 しかし一点だけ注意しないといけないのが、中国の交差点は赤信号でも常に右折は可能ということである。 なので自分が歩いている歩道の平行方向の車道から曲がってくる車に加え、赤信号である垂直方向の車道から右折する車にも注意を払わないといけない。 また歩行者が渡っていると歩行者を優先してくれる日本とは違い、中国は「車優先」である。 車が止まってくれるだろうと見越して道路を横断すると確実に事故になる(^^;;  信号無視なども日本に比べると多いので、日本の道を歩く時以上に注意を払おう。
また下半分の写真が中国の路線バス《公共汽車》である。 運賃は多くが1元(15円)のタイプ。 乗車時に運賃箱に入れたり、また車掌がいる場合は車掌に払う。 路線バスは街の隅々まで縦横無尽に走っているので初めはわかりづらいが、他の国と違ってバス停の表示が充実しており、系統ごとに全停留所が漢字で示されているので、慣れると非常に便利である。 ちなみに、青いバスの後ろに見える「D」の看板は北京地下鉄駅のマークである。


北京地下鉄切符売場
北京地下鉄《地鉄》の切符売場《售票処》。 運賃は全路線一律3元(45円)で、自動販売機はなく、すべてこのような窓口販売である。 切符を買って改札口《検票処》に行くと副券部分を切り取られる。 全区間一律運賃なので、あとはノーチェックだ。 運行時間は5:00〜23:40位で、時刻表はないが5〜10分おきには来る。 路線は市内を東西に貫く1号線と、環状線である2号線があり、2008年北京オリンピック開催に合わせてあと3路線の建設急ピッチで進められている。 これが完成すると、今までバスやタクシーに頼らざるを得なかった北京首都国際空港《北京首都国際机場》と市内中心部が地下鉄で結ばれることになるらしい。 ちなみに市内から空港まではエアポートバスで所要時間1時間、16元(240円)。 タクシーを利用すると所要時間30分、高速道路通行料15元を含まず約100元(1500円)。


北京地下鉄1号線
北京の地下鉄1号線。エンブレムが漢字で北京と書かれていてちょっと面白い。 路線長は31kmで全23駅あり、 [西単駅]―[天安門西駅]―[天安門東駅]―[王府井駅]―[東単駅] と駅が連なっているので、西単や王府井といった繁華街でショッピングをしに行ったり、天安門へ観光に出かけたりと、非常に便利である。


北京地下鉄環状線
北京の地下鉄環状線(2号線)。 路線長は23kmで全18駅あり、北京の中心部を一周している。 長距離列車のターミナルである北京駅《北京站》や、天安門広場への入口に位置している前門駅、胡同巡りに便利な鼓楼大街駅などを通っているし、 環状線の中心部を1号線が貫いているので乗り換えも便利である。 車内もたまにシートがプラスチック製だったりはするが、日本の地下鉄とほぼ同じ。 ちゃんと中国語アナウンスに加えて英語でも車内アナウンスが入る。 またびっくりなのが列車の走行中も携帯電話が圏内であること。 日本では駅構内だけなので、この点では中国が一歩リードしている。 中国の携帯電話は全く侮りがたく、長距離列車でとんでもない田舎や山岳部を走っていても何故か乗客の持つ携帯電話が鳴るのである。 まだカラー液晶やコンテンツサービスなどは無いようであったが、普通の大学生とかも持っているし、もはや携帯電話は高級品ではなくなっている。


中国での宿泊について
2ツ星ホテル
中国のホテルは国家観光局が国際基準とは違う独自の基準で1ツ星から5ツ星までの5段階のランクを認定しており、ランクによってサービスも料金も天地ほどの差がある。 中国のホテルはツインルームが基本で、1人で宿泊しても2人で宿泊してもツインの部屋をあてがわれることが多い。 だから1人料金と2人料金の差が全くないホテルもあるし、差があっても小額である。
5ツ星ホテル、4ツ星ホテルはいわゆる高級ホテルで、料金はツインで1000元(15000円)以上する。 特に5ツ星ではUS300$(36000円)以上なんてのもざらである。 日本で高級ホテルに宿泊するのと同じ感覚で宿泊できる。 このクラスでは日本語が通じるホテルはまだ少ないが、英語はほぼ間違いなくどのスタッフ《服務員》にも通じるだろう。
3ツ星ホテルは最も数が多く、ツインで300〜800元(4500〜12000円)位が相場である。 快適さにおいては全く問題なく、日本のビジネスホテルと全く同等の内装だと思っていいだろう。
2ツ星ホテルと1ツ星ホテル、また星が認定されていないホテルは、施設面も料金面も個人的にあまり違いが感じられなかった。 相場はツインで100〜300元(1500〜4500円)位。英語は全く通じなかったりレセプション《服務台》の人しか通じない。 このクラスになると、カーペットに大きなシミがあったり、デスクライトの電球が切れていたりする。 またお湯が時間限定で、好きな時間に入浴できなかったり(中国は浴槽に入る文化なのでバスタブは多くのホテルである)、冷蔵庫がなかったりもする。 ただ、このクラスでもシャンプーやくしなどのアメニティーグッズが備わっているし、エアコンやテレビもほぼ例外なくある。 またどんなに安いホテルでも、列車と同じようにお湯の入ったポットが必ず供される。 とにかく細かいことに目をつぶれば日本のビジネスホテルの体裁を保っているので、普通の個人旅行者にも全く問題ないレベルと言える。
この他に、大都市にしかないがアジアの定番であるドミトリー《多人房》を備えているホテルやユースホステルもある。 この場合は1ベッド30〜50元(450〜750円)で寝所が確保できる。


星なしホテル
上の写真は北京中心部から地下鉄でちょっと離れた所にある大北賓館。 2ツ星のホテルで、シングル料金が200元(3000円)。 下の写真は大同で宿泊した星なしホテルの飛天賓館。 シングルで98元(1470円)。 どちらも前述の基本装備は整っていたが、飛天賓館では冷蔵庫はなかった。 ここで2ツ星以下のホテルに宿泊する時の注意点をひとつ。 このクラスでは料金は前払いであり、さらにデポジット《押金》として100元ほどを預ける場合がある。 デポジットがないホテルの場合では宿泊者がルームキーを受け取るシステムではなく、部屋に入る度に各階にいるスタッフ《服務員》に部屋を開けてもらう必要がある。 また中国ではどのランクのホテルにも当てはまることだが、宿泊料金が流動的なので意外と簡単に割引が効くことである。 うまくいくと2割や3割も安くなることもあるので必ず交渉してみよう。 3ツ星ホテル以上に宿泊する時は、個人が直接ホテルに行くよりも事前にネット予約/電話予約をしたり、旅行代理店を通した方が安くなることが多い。




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