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私の一言二言

1998/5/24

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ザ・スクープ運命を決めた4日間ーー山一証券 自主廃業の真相

1998/5/24

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ニュースステーション年末スペシャル:知ってますか冬のパラリンピック」

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6/21  ザ・スクープ

1997/06/19

6/19  ニュース・ステーション

1997/06/18

6/18  ニュース・ステーション 細川氏のインタビュ−





「ザ・スクープ 運命を決めた4日間ーーー山一証券 自主廃業の真相ーーー」

   平成10年3月14日(土)23:30より放送

 番組の前半では、山一証券の社員のインタビューなどを加え、彼らの再就職や山一への批判・運動などを描き、自主廃業に追い込まれるまでを丹念に追った。そのあと、97年11月、三洋証券の会社更生法申請から、北海道拓殖銀行の営業譲渡の流れの中で、金融機関間の資金の流れが滞ったことが、債務超過でもなかった山一の苦境をよんだことなど、説得的であり、これらは実態の背後まで迫ったものと言えよう。

 山一の役員の証言をスクープし、同社の秘密体質、役員会の機能不全などが明らかにされた。また、大蔵省の日銀特融と引き替えに自主廃業を迫ったことなど、その多くは既に新聞等で明らかにされていたとはいえ、テレビでこれだけ全体像をきちんと描いた番組は高く評価されよう。同社の弁護士の三宅氏のインタビューなども、おそらくは初めてであろうが、よく承知させたと感心した。

 ところで、鳥越氏の「事件の最初(飛ばし)から、最後(自主廃業の押しつけ)まで、大蔵省の関与があった」、という発言が、この番組の基本コンセプトのようである。しかし、「市場と大蔵省に嘲弄された山一の悲劇」、「山一の社員はかわいそう」という観点は正しいだろうか。大蔵省が、日銀特融を出すには、それなりの責任を採らせることが必要だったという事情を明らかにした点は重要であるが、これは国としてもある意味では当然の考慮ではないのか。

 このように、大蔵省を攻撃するだけでは、「これからの松野元局長の国会喚問を見守ることにしましょう」という終わり方になり、これは結局うやむやになるべきもの。しかもこの経緯も、見通せたのではないか。

 もともと、大蔵省の責任追及は、この局面だけを取り出せば、「知っていたはず」、「一種のお墨付きをもらったらしい」と言う程度にとどまる性質のもの。もちろん、これだけで大蔵省の行政を批判したことにはならず、その他の多くの大蔵省の行政手法、行政スタイルが、不透明さ、恣意的な行政指導に寄りかかったものとして批判すべきものであることは言うまでもない。

 それはともかく、少なくともこの番組の集めた事実からは、山一の自主責任こそが、第一に追求されるべきであったと思われる。東急の元会社員をインタビューしたのは、その意味で成功。山一が、他の証券会社とは異なり、損失補填に唯々諾々(いや、やむを得ずであろうが)と従ったこと、しかもそれを海外への「飛ばし」と「簿外債務」という形で処理したことが、廃業の遠因である、という視点を中心にすべきであった。

 しかし、この東急の元会社員の発言の意味は、もっと掘り下げてほしかった。つまり、損失補填を企業が要求すること自体が、投資家として極めて恥ずべき行為であり、山一を「変な誠意」として揶揄する以前の問題であろう。特に、東急に対し何故訴訟をも辞せず、という強い態度を貫けなかったのか、残念である。

 また、最後の段階では、外資系企業との合併を探っていて、その条件が合わない、ということの理由は、行平元会長らが、「簿外債務」を知られて、責任追及されるのを恐れたから、という説明も急所であろう。

 したがって、山一は「市場に嘲弄された」のでもない。山一が市場のルールに反したことが基本的問題であると考えられる。なお、91年当時は損失補填は違法とはされていなかった、あるいはその認識は一般ではなかった、という反論があろうが、法律家の大勢は既にその不当性、さらには違法性を指摘する議論があった。すなわち、損失補填が証券取引法違反かは法改正以前は確かに法的にはグレーゾーンであるとする可能性はあるが、独禁法違反のおそれは十分あった。また、バブル最盛期の89年には既に大蔵省は営業特金・損失補填を禁止し、これが山一その他の証券会社では「さりながら、やめられない」という反応を同社の社員の声で明らかにしていることも、興味深い。この損失補填が社会問題化したのは、91年6月頃で、公取委の損失補填違法の勧告がでたのが同年11月、審決は12月2日である。それでも、損失補填から生じた飛ばしと簿外債務を大蔵省が黙認してくれると信じ、さらには証取法が改正された後まで、同様のことを信じていた山一がその責任を問われるべきことは当然であると思われる。

 要するに、最初も最後も、山一の経営陣が違法・不当な考慮、経営に終始したこと、それを大蔵省が何とか尻拭いしてくれるだろうと期待したこと、これは番組でも的確に指摘されてはいたが、番組の基本的な流れの中で、基本的な問題として指摘してほしかった。これは、番組の特に最後の終わり方への疑問である。

 なお、誤解のないように付言するが、私は大蔵省の責任を追求してきたテレビ朝日はじめ、マスメディアの姿勢は高く評価したい。しかし、大蔵省を非難するだけでは本事件の本質は捉えられないと考えられるのである。例えば、長野証券局長の「知らなかった」という発言が嘘だったという番組の力点は興味深い点であるが、同時に、同誌の国会での答弁や記者会見の中での発言自体は、(海外取引などにおいて、事実上のデフォルトが発生する可能性、ビッグバンを進める過程で日本の各金融機関が適正な経営を明らかにする必要性など)、正当な認識も示していた、ということも事実ではなかろうか。





ニュースステーション年末スペシャル 知ってますか 冬のパラリンピック」

 平成9年12月25日〔水)2:30より放送

 ドイツの身障者体育施設が、3千という数字にビックリ。これはおそらく、すべての市町村のスポーツ施設に、身障者用の設備が必ず付いているということであろう。

 これに対し、日本では、全国で20に過ぎず、例えば土田選手は、片道1時間半かけて府中の施設まで通うとのこと、この点が日本の身障者スポーツ制度の底の浅さ、あるいは広がりの欠如を示している。

 特集の半ばで、久米氏が「これらの人々は、大変な努力でやり抜いた方々なんですね。しかし、これらの人々の陰に、多くの人が挫折しているんでしょうね」という感想をもらしたのに対し、宮嶋レポーターが「環境を作ってあげることが大事」という返しも見事。

 この宮嶋氏の視点が、これからの日本の身障者スポーツ問題の基本ではないだろうか。つまり、パラリンピックで少数の英雄を作り、賛美する段階から、どうやって裾野を広げ、すべての身障者がスポーツを楽しめるような「環境」を作ること。

これは、施設などの「箱モノ」だけでなく、スペインの例のように、身障者にいつも付き添って援助する「サポーター」の制度、それを支援するために、街角で売られている宝くじ類似のナンバーくじの収益をすべて身障者のために使う制度など、ソフトの支援体制をシステムとして作り、根付かせるという方向での報道を期待したい。

 なお、このニュース・ステーションの前半で、財政再建か景気対策か、という選択において、橋本政権が前者にこだわったことを批判し、野村総合研究所のエコノミスト(アナリスト?)のインタビューを長々と写し、今は景気対策を優先すべきだ、という種痘が全面にでていた。

 これは、つぎの山一のことも同じであるが、政策なり国家の関与を大きく見過ぎているのではないか。今の経済が、国のその場その場の経済対策だけで動くものでないことは、周知の通りである。結局は、実体経済が景気として現れるのであって、それを国や大蔵省・官僚の攻撃で済ませることは安易に流れる危険性があると思われる。なお、その後の日本経済は、橋本政権の方向転換にもかかわらず、景気回復しなかったのであり、政策の効果の限界がここでも実証されたと言えよう。

 ともあれ、野村総合研究所のエコノミストのインタビューだけで、政策を批判してよいのか。乱暴なことを言えば、かれらは基本的に、株価が上がることを期待し、それに寄与する政策を待ち望んでいるわけで、より第三者的な立場からのコメントが必要だったのではなかろうか(これは人材不足か。しかし、例えば、後出の山一の番組にでていた評論家はしっかりした分析をしていたと思われる)。




「サンデープロジェクトーーー続発する少年犯罪 総力取材 少年法の矛盾」

 平成10年3月22日(日)10:00より放送

 この中の多くのインタビューは、すべて大変なもので、ショックを受けることが多かった。また、CBS "60 minutes" を思い出したが、やはり、テレビの命はインタビューだ、と改めて感じた。

 番組のテーマである少年法の問題点などよりも、被害者の遺族(親)が、少年法に基づく審判手続が非公開であるために、事件とその処理のことを何も知らされず、無念の日々をどう過ごしたか、かれらの顔を写すだけでよく分かるような映像である。

 また、女子高生コンクリート殺人事件の犯人(主犯格ではない)の1人が話す犯罪を犯した様子、犯人の母親のインタビューでは、事件後の母子家庭での生活を想像させられることなど、テレビならではの衝撃を受けた。重く心にこたえたという印象がある。

 なお、この犯人の1人がインタビューに応じるまでは、テレビ局側からの長く粘り強い接触と説得があったようで、彼はむしろこのインタビューに応じたことで、彼の過去との正面からの対面・対決が初めてなされ、彼の真の意味での「更正」につながったようである。

 それはともかく、少年法の問題点も、よく整理されており、説得的である。ただし、これは短時間でまとめたに過ぎず、まだ論ずべきことも多くあり、内容が多様な論点を含んでいて、若干散漫になったという印象も否定できない。続編、あるいは同じテーマを扱う別の番組を期待したい。



「素敵な宇宙船地球号ーー泡が襲う! 恐怖のチエテ川・南米ブラジルーーー」

  平成9年10月12日(日)18:30より放送(テレビ朝日)

 この番組は、特にこの作品が優れているというよりは、「素敵な宇宙船地球号」という番組シリーズのコンセプトがすばらしく、また毎回期待にそぐわぬ番組を送り続けていると思われる。

 そのコンセプトとは、西田ひかるを起用していることからも窺われるように、暗い、深刻なテーマである地球環境の悪化、その再生というテーマを明るく、つまりその改善に希望を持って、積極的に活動している人々などに焦点を当てる、ということであろう。

 僕は、この番組が始まって以来、ビデオで録画して時折それらを見ているが、スポンサーであるトヨタ自動車のエコ・カーのCMとともに、賞嘆すべき番組だと思う。

 この「恐怖のチエテ川・南米ブラジル」は、産業排水・生活排水によって、川が硫化水素の泡に被われ、悪臭と健康被害をもたらしている様を、この川の浄化のために、様々な活動を行っている若者に焦点を当てて、描くもの。

 子供に源流がどんなにきれいな水なのか、それがどうして汚れていくかを見せるため、源流の水を採取して下流の川の水と比べて見せたり、サンパウロの子供に泡に被われた川を見せるために現場に連れていくこと、など、子供に理解して欲しいということから行われている活動は、興味深い。

 なお、番組の最後のコーナー、「私のエコライフ」はいい発想の企画だと思う。また、ナレーションも落ち着いていて、しかも説得的であり、力強い。




テレビ広告主の審査について
     〔テレビCMと「消費者の利益」ーーー日本アムウェイ(株)問題〕

<はじめに>

 以下は、日本アムウェイ(株)の商法=販売方法に関する私の暫定的な検討結果です。

 最初に結論を述べておきます。

(1)同社の商法は、かなり違法なマルチ商法に近いが、私の見た範囲では、具体的に違法と判断するまでの事実は発見できなかった。

(2)しかし、少なくとも同社の販売員の中には、顧客の冷静かつ適切な選択を妨げるような販売方法をとる者がかなりいるようであり、それによって不当な被害を受けた消費者がかなり存在するようである。

(3)このことから、同社がテレビの広告提供をすることに関しては、強い疑問が残る。

 ここで述べることに関しては、多くの方からのご教示を頂きましたが、ここでは各種の事情を配慮し、その方々のお名前は割愛させていただきます。それらの方々にあつくお礼を申し上げますとともに、皆様からのお意見、ご批判をいただければ、幸いです。

 なお、実は、私自身も、このようなことを全く知らなかった頃、鍼灸の先生に勧められて、日本アムウェイの健康食品(ビタミンとか、例のカキのエキスだとかいろいろ入っているもの)を購入したことがありました。
 もっとも、同社の製品は品質に問題があると指摘されることもありますが、そうでない場合も多いようで、この場合は、上記のような販売方法の問題の他、品質に比べ高すぎることはないかが問題でしょう(希望小売り価格の70%で、同社から販売員に渡されるそうですから、平均的な小売りマージンーーー業種や業態によってかなり異なりますがーーーが30%前後であることと比べると、あまり問題ないようにも見えますが、他方で、後で引用するように、販売員は「必ず儲かる」と信じているそうですし、アムウェイ自身、かなりの高収益をあげていることは何故かなど、分からない点も多いですね)。

 最大の問題点は、同社の販売員の販売の仕方にあり、皆さんが被害にあわれないよう、あるいは加害者にならないようにと考えました。
 なお、同社は現在、この長引く不況の中で、急成長を続け、年間売上げ高2千億円を超え、経常利益は400億円以上、そして後で述べるオリンピック協賛金(=20億円)も含めると宣伝費は40億円とも50億円とも言われています。

<2> 問題のひろがり

 新聞、テレビによる広告(CM)によって、視聴者=消費者の利益が不当に侵害されることがないか、という問題は、最近では後出の日本テレビに関する超能力者による治療費詐取事件のように、ときおり問題が表面化することがありますが、これを整理して論じたものはあまりないようです。
 しかし、広告(CM)の社会的影響力が大きいことは言うまでもなく、それは多くの社会問題、消費者被害を生みだし、あるいは増幅させるなどの機能を有しています。
 したがって、これに関して、法律学だけではなく、多様な角度からの、多面的な検討が要請されているように思われます。
ここでテレビCMと「消費者の利益」の関係に限っても、以下のような諸問題があります。

(1)広告主による不法行為に関し、放送会社・出演者は法的責任を問われるべきか。
 第一抵当証券事件・94年7月25日東京地裁判決(朝日新聞94年7月26日付け朝刊)

 本判決では、一般論として、放送会社・出演者も責任を負うべき場合があるとし、本件では責任なしとされました。
 出演者が、単なるタレントの演技として視聴者が受け取る場合と、専門家(歯医者が特定の歯磨きの広告に出るとか、経済評論家がある投資を有利と勧める広告)が推奨する場合は、責任の有無が異なるかについては、議論が分かれるでしょう。

 「広告関与者の責任」大村敦史『判例・法令 消費者法』(94年、有斐閣)129頁以下、正田彬・金森房子『消費者問題を学ぶ』(第三版、1997年、有斐閣)233頁以下、

(2)広告ではなく、本番組の中で、広告類似のシーンがあり、それを信じた視聴者が損害を受けた場合

 (自称)超能力者による高額の治療費詐取事件(東京地裁97年5月27日判決)

 本判決では、当該自称)超能力者に対し損害賠償責任を認め、日本テレビと番組制作会社に対しても、賠償するよう和解が勧告され、実質敗訴と言えましょう(山口いつ子・民間放送1405号参照)。
 「変額保険」を奨励する番組(朝日新聞94年7月2日付け朝刊)については現在、係争中で、契約解除していないので、損害が出ているか否か不明という争点があるとのことです。

 これらも大変重要な問題ですが、以下では、広告主自体の反社会性、不適格性について、考えてみることにします。

<3> テレビ会社と広告主の関係

 テレビ会社に対してCM出稿依頼を出した企業や団体等との関係は、自由な私人間の取引ですから、テレビ会社がどの広告主と契約するかどうかも、原則として取引先選択の自由に属することです。
 しかし、テレビ会社は、(無料で割り当てられた)公共の電波を用いて、多くの視聴者にCMを送り、テレビ特有のインパクト(「媒体特性」と呼ばれます)によって、多くの視聴者の行動に大きな影響を与えるのですから、CMによって視聴者=消費者の利益を不当に侵害することがないように慎重に注意することが要請されます。
以上の2点から、テレビ会社は新聞社の場合より、あつい、慎重な社会的配慮が要請されていると考えられてきています。

 以上の問題の前提として、広告放送(CM)も「放送番組」に当たりますから、これに関しても番組準則(放送法3条の2第1項、特に「公序良俗」、「真実性の原則」)がかかり、また、各放送事業者が自主的に定める番組基準に従って番組を編集する義務(同法3条の3第1項)からも、各番組基準にCMに関する条項があれば、これに従わなければなりません。

 この放送法違反かどうかを超えて、上に述べたような社会的な要請に応えるという観点からも、テレビ会社がCM出稿依頼を受けた場合、その依頼者が、視聴者=消費者の利益を不当に侵害することがない、すなわちテレビCMの広告主として信頼に足る者であるかどうかを慎重に審査することが必要です。例えば、風俗営業、マルチ商法、宗教、個人的売名、選挙の候補者などが、特に厳格に検討すべきものとされています(もちろん、後2者は、選挙の公正さとの関係ですから、ここでの消費者の利益の問題とは別です。民放連『放送基準解説書』1985年、1994年補正版、コーケン出版、同『放送倫理ガイドブック』1990年、同『CM考査』1996年など参照)。

 テレビ会社による審査は、CM出稿依頼を受けた営業から各局の審査部にまわされ、さらにそこで判断が困難とされたケースは、広告審査協会(マスメディア各社の共同出資で設立された社団法人)に審査が依頼されますが、明確な基準が立てにくいこともあり、グレーケースについては各局の判断に委ねられます。

 テレビ会社は、いうまでもなくCM収益に依存して経営を行っていますから、経営ないし営業の観点からの判断が優先され易く、だからこそ視聴者=消費者の利益を十分配慮した広告主の選択が要請されます。

<4> 日本アムウェイ(株)の問題

 その最近の例として、ここでは、日本アムウェイのケースを見てみます。

(1)

 同社は、米国で生まれ、現在世界45カ国に展開している企業グループの中の日本法人です。
 日本アムウェイの商品は、洗剤、化粧品、健康食品、調理用具、浄水器などで、これらを販売員(同社は「ディストリビューター」と呼んでいます)が直接消費者に売るシステムを採っています(同じく「ダイレクトセールス」)。
 同社の販売方法に関する詳しい検討はここではできませんが、簡単にまとめれば、第一に、ディストリビューターが、他のディストリビューターを勧誘すれば、一定の利益を得ることができ、後者の販売金額の一定割合を報酬として受け取ることができる、というシステムは、まさにマルチ商法の形態であり、それ固有の悪性を内包している、第二に、商品自体の品質、あるいはその効能等についての表示に関し,以前から多くの疑問が提示されている、第三に、執拗、悪質な勧誘事件に対して、当該ディストリビューターの責任として、同社は販売方法についての責任をとろうとしない、という点が挙げられるでしょう。

 同社のこのような販売方法については、日本消費者連盟の『悪徳商法と合成洗剤』(1993年)や「消費者レポート」掲載の多くのレポート記事などによれば、被害者もかなりいるようであり、昨97年には、民法709条の不法行為を理由とする民事訴訟も提起されています。なお前述のように、同社グループは全世界に広く活動をしていますが、私の知る限り、韓国でも同様の被害が多発して、社会問題になっているとのことです。

(2)

 同社は、それを告発する書物(山岡俊介『アムウェイ商法を告発する ”マルチ” No.1企業の全貌』あっぷる出版社)が虚偽の事実を記載しているとして、95年、東京地裁に、出版物の頒布禁止仮処分命令を申し立てました。
 しかし、決定は、「具体的な取引の実態によっては、訪問販売法にいう連鎖販売取引に該当する場合があるものといわざるを得ず、また連鎖販売取引に該当しない場合であっても、これに極めて類似した取引であることは否定できないーーーー」というもので、同社は東京高裁に即時抗告を行いましたが、97年12月取り下げいます。これらの詳しい事情は、津田浩司「アムウェイ広告解禁が示したマスコミの『節操』」雑誌『創』98年3月号98ページ以下を参照して下さい。

(3)

 この件は、昨97年11月6日の衆議院「消費者問題等に関する特別委員会」でも、取り上げられ、国民生活センター理事長の及川昭伍氏は、朝日ソーラーのメースに比べて、アムウェイのメースは「具体的に法令違反が顕著にあるという案件ではございませんので、調査は慎重にいたしております」との意見を述べておられます。
 同社の販売方法が法令違反ではないということは、第一に、訪問販売法11条の「連鎖販売取引」の定義にある「特定負担」(取引をするための負担金)が2万円以下であること、また第二に、マルチ商法はよくピラミッド商法とも呼ばれ、無限に下位のメンバーに降りていって、上位の者だけが高収入を得る仕組み(無限連鎖)ですが、同社は一定の段階で下位のディストリビューターに降りないように、打ち切っているようであること、第三に、販売員にはノルマがないことによるものです。

 これらの点を見ると、その限りでは訪問販売法に直接は違反していないようでありますが、これは所管の通産省が従来から、消費者保護のための同法の改正と運用に消極的である(例えば、現行法の要件は不必要に厳しいと思われます)ことに注意すべきであると思います。

 しかも、問題は、訪問販売法にいう連鎖販売取引に該当するか否かではなく(なお、これに該当しても直ちに違法となるわけではなく、書面の交付など一定の行為を義務づけられ、あるいは禁止されるに過ぎません。これがネズミ講=無限連鎖講との違いです)、前述のように、そのシステムの形態はまさにマルチ商法ですから、これによって多くの利益を受けることができると信じて同社の販売員になって、被害を受けた人々が数多くいるということではないでしょうか。

(4)

 この種のマルチ商法の企業の特色として、第一に、問題になりそうになると、煩雑に販売方法を変更し、批判をかわすことを繰り返す、また第二に、ディストリビューターは、「一般消費者」ではなく、自分でリスクと報酬獲得のチャンスを持つ「事業者」である、という形式論の壁がある、という2点を指摘することができます。

 マルチ商法は、最初は独禁法違反の審決が出されたのですが(1975年)、同法がこの種の商法を規制対象に取り込んでからは(1976年)、この種の事件に関しては一切通産省に委ねているようにも見えます。解釈論としては、日本アムウェイのケースは独禁法違反(「欺瞞的顧客誘引」)の可能性があるとも思われますが、公取は不当表示の規制を除いては、上記の2点をも関係するのでしょうか、その商法自体を違反とすることには消極的のようです。被害者が民法で訴えざるを得なかったのも、このような背景があるようです。

(5)

 ところで、テレビ会社は各局とも従来は、おそらく以上のような疑問をふまえられ、同社からの広告出稿依頼に対しては、慎重に、かつ厳しい対応をとってきたところとお聞きしています。

 最近になって、いくつかの局がこのような対応方針を変え、アムウェイのCMを受け入れるようになりました。もっとも、各局の受け入れ方の程度、態様には微妙な差異があり、そこには以上のような事情に対する配慮の違いによるものでしょう。

 このような変化の背後に、前掲の雑誌『創』の記事が推測するような、長野オリンピックの公式スポンサーになったことを配慮した等の事情があるかどうか、私には不明ですが、少なくともそのような可能性は高いのではないでしょうか。テレビ各局は、このオリンピックを放送するためにその全面的な支援という姿勢を見せる必要があったとも推測されるからです。

 たしかに日本アムウェイの商法が独禁法違反かどうか、あるいは民法の不法行為に当たるか否かについては、テレビ会社として判断しにくいとしても、社会的にその違法性あるいは反社会性が問題になっている会社からのCM出稿依頼に対しては、慎重に対応する方がいいように思われます。テレビ会社には、その判断に一定の幅が認められていて、厳密に違法性を確定できなくとも、CM出稿依頼に対し遠慮していただくことが許されると考えられます。

 新聞各社は、テレビ会社よりも早く部分解禁等に踏み切ったところが多いようで、ここにも新聞各社の営業偏重の姿勢が見られると思いますが、その点はともかくとして、前述のテレビの媒体特性という点からも、テレビ会社には新聞社と違った、より慎重な、良識ある対応が望まれます。

 日本アムウェイの広告に関しては、一部のテレビ会社が今も続けているように全面禁止を当面の間は継続し、前述の裁判や多くの紛争事例などが決着を見てから、その広告を再度審査するべきなのではないでしょうか。
 なお、朝日ソーラーは、広告主(同社)の自粛で、今はCMは依頼していないとのことです。

(6)

 なお、サラ金の広告に関しても、同様の疑問があります。サラ金のCMは、一部のキー局は今も全面禁止の扱いですが、一部のキー局で深夜に限るなどの条件で、部分解禁がなされています。

 確かに、日本アムウェイのケースと異なり、貸金業の規制等に関する法律を改正し、取立ての方法を厳しくし、それ以降、取立てに関する紛争なり問題点はなくなったかに見える、という事情変更があることは重要です。

 しかし、いわゆる多重累積債務者の増加は決してなくなったわけではありませんし、その一因に安易に、かつ借金を促しつつ貸すサラ金の問題があるのではないか、という指摘の正当性は否定しにくいのではないでしょうか。なお、現在、超低金利が長期にわたって続いている中で、サラ金の「高止まり」している利率がサラ金各社の高収益をもたらし、中小企業や個人の大量破産をもたらす一因となっている、あるいは少なくともそのような悲劇を促進していることを指摘する声がわずかではあります。

 だからこそ、マスコミ各社でも、広告の時間帯を制限するなどの措置で対応しているのでしょう。
 しかし、それで十分かには疑問があり、このサラ金のCMについても、一部のテレビ会社が今も続けているように全面禁止を継続すべべきなのではないでしょうか。

 

<5> 寄せられた意見、コメントなど

 上の文を多くの方に、Eメールで送ったところ、いろいろな意見、コメントを頂きました。以下は、その一部です。

(1) アムウェイについては、昨年の春頃からニフティー等の掲示板で「金もうけ」の題名でマルチ商法の参加者を募集する等の動きをしており、一般的なネットの住人は敬遠しお互いに注意を促していました。
 オリンピックを利用してメジャーな企業として出てきたときは「おや」という感じはしていましたが、やはり気をつけなければいけないですね。
 マルチ商法の参加者の心理として、自分が悪いことを行っていない、むしろ人のためになる(得になる)と思って、一生懸命に勧誘をする人も多いと思います。
 結果的には、講のトップに利益が集中することになりますから最下位の人たちが最も被害を受けることになるわけです。
 犯罪の意識を持って行うのが、トップクラスの人達だけだとしたら、裾野の人達が犯罪を中断する機会は極めて少なくなります。
 最近は物の販売ということで、講の本来の目的を隠蔽し、参加者および外部の目を誤魔化した形態が多くなっており、立件も難しいと聞いています。
 被害が大きくなる前に立ち入り調査等が出来ればいいのではと思いつつ、その反面で自由な経済活動が阻害される危険もある為、難しいのだと思います。
 ネットの掲示板等で企業名をあげて「あやしいらしい」と言うことも危険をはらんでいます。
 最近の「経済革命クラブ」の摘発はこの意味で、被害届が出る前の摘発になったことは結果として被害届が出てきたということでよかったのかもしれませんが、実際は捜査を行う上では綱渡りだったのではないでしょうか?
 ではどうしたらいいのかということはよく分かりませんが、今後のネット上の議論を期待しております。 ( 最後のトーンはやや弱くなってしまいました )

(2)「私も かつて支店にいたときにお客さんに頼まれてその ディストリビュータになっていました。 (銀行員は副業禁止ですから、販売は、自分で使う分とうちの実家向けだけでしたが。)ちょっと販売スタイルはうさんくさいなと思っていましたがやはりちょっと大きな問題になっていますね。日本の商売感覚では、バブル商法なのだと思います。」

(3)「私のゼミの女子学生がアムウエーに勧誘されたとのことで、私に相談に来たのですが、ピラミッド商法について説明して、思いとどまらせました。特に女性に、アムウエーで金持ちになれるとの評判が広まっているようです。」

(4)「 結論的にはアムウェイは鼠講なのでしょうか?もしくは、まがいなだけであって、正真正銘の鼠講ではないのでしょうか?もっと詳しく教えていただけないでしょうか?
 というのも、同じ法学部の****という学生を覚えていらっしゃいますか?
 彼が先生のかかれた文章にもあるディストリビュウターを今まさにやっているのです。私は彼から熱心な勧誘を受け、ついついそんな鼠講まがいの商売なんてやめたほうがよいというようなことをいってしまいました。彼はおとなしい男なのですがその時ばかりは血相を変えて、何の根拠があってそんな事を言うのか! そんな会社がオリンピックのスポンサーになれるわけないじゃないか! 君はよくしりもしないのに週刊誌などの情報をうのみにして人のやっていることを非難するなんてひどいじゃないか!!そんな世の中の馬鹿な報道に惑わされることなく 君もディストリビューターにならないか、というのです。絶対儲かるからと・・・・。リスクがなく夢だけを追えるのがアムウェイのいいところだともいっていました。

 僕はそんなうまい話が世の中にある訳がないと思うのですが、うろ覚えの知識で反論することほど生兵法は怪我のもとで、きけんなことはないともおもっているので下手に反論しないようにはしています。
僕には****よい友達なので中を拗らせるような事態にはしたくないのですがもし、本当にアムウェイが鼠講ならば、よい友達だからこそ手を引かせたいのです。彼はまじめなだけに頑固であり僕のような出来損ないが説得したところで納得するようなたまじゃありません。
 できれば、舟田先生の協力をお願いしたいのですが、いかがでしょうか?
メールだけでは説明できない内容などがありましたら、先生が迷惑でなければ大学に足を運んでも構わないと思っております。
 まずは、アムウェイに関する事柄について詳しく知りたいと思っています。先生がつかんでいる知識で構わないので、教えていただけないでしょうか?ぜひとも協力してください。

 分けのわからない取り留めのない文章になってしまいましたが、私の考えは学生の頃の私の答案よりは明確だと思いますので、お返事お待ちしております。お忙しい中、メールに目を通していただきありがとうございました。一緒にマルチにはまっている****君を救いだし、立教卒の社会人から犯罪者がでるのを未然にふせごうではありませんか!!

 よろしくお願いいたします。」

 舟田の返事

 「まず、アムウェイの商法は、無限連鎖講の防止に関する法律(昭和54年施行)で禁止されている「無限連鎖講」=いわゆる「ねずみ講」、ではありません。
 この「ねずみ講」は、金銭だけで、商品の販売がない場合だけを禁止しています。
 次に、訪問販売等に関する法律(昭和51年施行)で定義されている「連鎖販売取引」にも、該当しません。同法11条に言う「特定負担」の額が2万円以下ですし、「特定利益を収受し得ることをもって誘引」すると言えるかも疑問です。なぜなら、「特定利益」ではなく、取り扱っている商品の販売を目的としている、と抗弁されても、一概に否定できないからです。
 また、この訪問販売法の「連鎖販売取引」に該当しても、同法12条以下の禁止行為等に当たらなければ、直ちに違法なわけではありません。
 最後に、独禁法違反かどうかは、証拠がないとなんとも言えません。
 結論としては、今のところ、アムウェイの商法が直ちに違法とは言えない、しかし、かなり「グレーケース」のように思われる、ということです。ただし、一部の販売員が、狂信的になっていて、近親者、友人などを執拗に勧誘し、あるいは自分で自分を追い込んでしまうという個別ケースもあるようです。

 ****君は、よくできたまじめな学生で良く覚えています。
 しかし、彼を説得できるかと言えば、かなり困難でしょう。上の述べたように、違法とは言い切れないし、アムウェイの商品には、かなり立派なものもあるようですから。
 ただし、「絶対、儲かる」というのは、明らかに嘘で、よほど勧誘の術がうまいか、近親者など顧客に恵まれるか、などの事情によっては、儲かることもある、という程度でしょう。

 それでも、貴兄が、***君を説得してみたいと言うのであれば、僕の持っている資料を渡します。
日本消費者連盟その他、引用した各種の出版物と、知人が直接、同社を訪問してもらってきたパンフレットなどです。」


                            
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 まともな音楽番組を作って!

 せっかく、テレビでもステレオ放送が可能になり、多くの家庭でテレビ受信機とビデオがそれに対応してステレオ機能を装備しているのに、良い音楽番組はまだまだ少ないですねぇ。

 民放各局は、若者をターゲットにした音楽番組を少し出していますが、ほとんどはヒットパレード(こういう言葉を使うと、僕の歳が分かってしまいますね)の系統の作りのようです。

 頼みのNHKは、主に日曜日の地上波と衛星でかなりの音楽番組を流していますが、BSのライブ中心の音楽番組や、CSの音楽チャンネルに負けていると思います。

 昨年、深夜のNHK衛星放送で、BBC制作のロック・ヒストリーや(これは地上波でも、流したと記憶しています)、バーンスタインの特集を長時間やっていて、楽しみました。いずれも、ロックやバーンスタインの音楽活動を「歴史」として捉えて、その時々の時代の中で、また音楽家の生涯、活動の軌跡を追いつつ、音楽を提示するという手法でした。

 昨年のバーンスタインの特集の中では、50年代に彼がテレビ(CBS)の連続番組をうけもって、毎回工夫しながら、番組作りをしたことが紹介されていました。また、冷戦下に、彼がソ連に行って、コンサートを開き、ショスタコービッチと会うシーンなど、感動的でした。

ロックは、チャック・ベリーから数えればほぼ50年、ビートルズ、ローリングストーンズが現れた60年初頭から数えても、もう40年近い歴史を持っているのですから、表面的な「はやりすたり」だけでなく、歴史として見ることが大事ではないでしょうか。

 これは、NHKの得意とするところのはずで、60年代にはFM放送で、大橋巨泉氏、油井正一氏などが1時間半の番組をもって、ジャズの歴史を辿りながら、多くのジャズナンバーを聞かせてくれました。僕のジャズ好きは、こうしたNHKFMの番組で培われたものですが、こういう経験をした方は意外と多いのではないでしょうか。

 また、その後、NHKFMは、同じ時間帯で、澁谷陽一氏が詳しくロック評論をつけながら、60年代末からの新しいロックの軌跡を辿る仕事を続けていて、これもかなり質の高いものだったと思います。ブリティッシュロックとアメリカンロックの違い、歌詞の解読など、彼の得意としたテーマでしたね。

 大橋巨泉氏や澁谷陽一氏は、今も時折FMなどで活躍されていますが、これをテレビでやることも面白いのではないでしょうか。映像をどう使うかが、腕の見せ所だとも思います。例えば、バーンスタインが苦労したのもこの点で、スタジオに大きな五音符と記号を書いて、子供や自分が足でドレミを踏んで見せるなど、毎回苦しみながら、ぎりぎりまでいろいろな試みをした様が興味深く描かれていました。 今、何がヒットしているかとか、昔こんな歌があってなつかしいね、などという番組作りだけでなく、脚本や構成などに工夫が欲しいものです。

                          このページの先頭へ 


 オリンピックの「周辺」についても報道を!!

 オリンピックが終わりましたが、今後は競技それ自体だけでなく、その周辺を丹念に拾って欲しい。
 特に、長野の自然破壊をどう回復するのか、地元の負担はどのようなものだったか、会計報告(オリンピック委員会の正式なものだけでなく、国・地方自治体・企業からの寄付金などの実態がわかるようなもの)、IOCと日本の関係組織(JOC,NAOC,そして県や市、ボランタリー団体など)の実態とあり方、の4点です。

 最後の点については、「サマランチ帝国」とか、「IOC貴族」とか、外国では、ときおり批判的な記事が出るようですが、日本では、あまり見かけないようです。開会式の計画を一部公表することに関し、IOC から厳しい規制があり、その官僚制的閉鎖的体質に批判めいたものがあった、というくらいでしょうか。

 ただし、プリント・メディアでは、週間新潮98/2/26「折も折『オリンピックの汚れた貴族』という告発本の迫力」、橋爪清一郎「新聞もテレビもいっさい触れない長野オリンピックのかくされた偽善性」雑誌『噂の真相』98年3月号に接しましたが、新聞とテレビにおける、あふれるばかりのオリンピック報道の中でもこの点にふれたものは私には見当たりませんでした。

 ただし、開会式当日、風邪で寝ながら、少し貴局とNHKを見比べていましたが、NHK では、「オリンピック反対」のデモの様子などもほんの少し報道していましたが、デモが何を訴えていたのかを全く伝えていず、こんな変わり者もいるよ、として、受け取られかねません。他のテレビ局では、この種の報道は、開会前の滑走路の選定の問題と地元負担の巨大さにふれたものが若干あった程度ではないでしょうか。

 マスコミは、今後のオリンピック報道を考慮して、IOCに睨まれないように、面倒な報道は避けたのでしょうか。「あとのたたりが怖いのか」と言われないように、これらの組織の問題点にも、切り込んで頂きたいものです。

 IOCの巨大な権力は、新聞とテレビ、特に後者がオリンピック報道によって、かなりの視聴率、すなわちCM収入を獲得できるため、IOCから報道、放映の権利を得なければならないということから、発生しています。しかし、ここから、テレビがIOC批判の報道を避けるというのであれば、マスメディアの本来の使命を捨てたことになるでしょう。
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放送済みの番組の販売(メールの相手の方は はっちゃんとさせていただきます。)

(1)

 Date: 01.12 0:43 AM  Received: 01.12 11:52 AM
From: はっちゃん

はじめまして。 はっちゃんと申します。
CBSドキュメントで検索し、(本ホームページの中の)最近の関心事についてとても興味深く読ませていただきました。実は、CBSドキュメントのあるエピソードについてお伺いしたくて、失礼ですがメールさせていただきました。12月頃に、父親を殺され、自らも重傷を負わされた女性が犯人が死刑でなく無期懲役になるようにたたかう、というような話がありました。私はビデオに撮っていたので、仕事をしながら聞くともなく音声だけ聞いていたのですが、過って消してしまったようなのです。本当に突然のお願いで恐縮ですが、もしもこの放送のテープをお持ちでしたら、お貸しいただけませんか?また、録画ではなくご覧になっていて、内容をある程度ご記憶でしたら、教えていただけませんか?あの放送について書きたいと考えており、ご親切にもご協力いただけると、とても有り難いのですが…。
いきなりのメールで大変失礼いたしました。頑張って更新して下さいね。
はっちゃん

(2) 舟田発 あるTBSの知人宛

 新年おめでとうございます。
 早速ですが、以下のようなメールが来ました。(当人からは転送の許可を得ていませんが、その意思にはむしろ合致すると考えて、送ります)
 貴社(TBS)としては、このような個別の希望に応じることはできず、どうしようもないとは思いますが、ご参考まで。貴社の看板番組だと思いますので(それがこんな深夜にというのも、残念ですが)。
 こういう需要,ニーズにどう応えるか、そろそろ放送事業者も真剣に考えてはどうでしょうか。 例えば、テープを売ることも考えてはいかがでしょう。 私なら、2千円台なら買いたいですがーーー。それでは営業としては、成立しないでしょうね。

 もう1つの問題は、著作権ですが、最初から処理できないものでしょうか。できるはずですが、高くつくのでしょうか。
 なお、今、放送のデジタル化の制度専門委員会で、少し検討しています。また、公取の役務取引ガイドラインで、放送局の著作権が問題にされていることについても、民放連の方には番組製作会社との間の著作権契約のあり方について見直してはどうか、と述べたのですが、民放連の意見は、事業者としての利益をまず主張するというトーンになっているようです。
 いずれご教示頂きたく存じます。

(3) はっちゃんです。

さっそくご連絡下さって、本当にありがとうございます。
>  こういう需要,ニーズにどう応えるか、そろそろ放送事業者も真剣に考えてはどう
> でしょうか。
同感です。
>  例えば、テープを売ることも考えてはいかがでしょう。

私もそう考えて検索したところ、ニュージーランドのTV局が60 Minutes のテープを販売していました。残念ながら郵送で申し込む必要があり、今回は間に合わないので諦めましたが…。
幸い録画されていた方からメールをいただきました。とにかく突然のお願いにもかかわらず、お時間を割いて戴き、ありがとうございました。

(4)舟田発

 以上のようなメールがきて、この件は片づきました。
 しかし、放送済みのソフトにこの種の需要があることは、私どもも経験していることです。 放送法の「訂正放送」の場合とは別に、すべての番組とは言いませんが、「垂れ流し」ではない、良質の番組も少なからずあり、それらについて、この種のニーズに応えることが要請されているのではないでしょうか。
 「ニュージーランドのTV局が60 Minutes のテープを販売していました」とのことですが、日本ではできなかたのでしょうか。深夜という放送時間から見て、日本の放送局(TBS)としてはそれほどのニーズはないと判断したのでしょうね。
 この点で、NHKなどはかなり早くから、テープを販売し、最近は、系列の出版社からだけでなく、民間の出版社からも販売していることは、ご存じの通りです。
 ところが、それらの価格はあまりに高いのではないでしょうか。例えば、司馬遼太郎のシリーズは、朝日新聞社から発売ですが、1巻5千円近くします。番組1回分50分だけですから、6回シリーズを全部買うと、3万円で、個人では買う気にはなれません。この番組は、以前私のHP で取り上げ、私個人では全部の番組をビデオに録画していますが、これでは各自「海賊版」を作って下さいというに近いのではないでしょうか(少し、大げさですね)。





「高村 薫さん」の作品についての寸評


 大阪市立大学の泉水さんがホームページのプロフィール(12/21更新の中)で紹介されている「レディ・ジョーカー」、今週のベスト・セラーのトップでしたね。こんな厚い本がそんなに売れるほど、日本人は読書する人がまだ残っているのですね。
 ところで、高村薫氏の作品は、デビュー作から、『照柿』まで読んできたのですが、それぞれのディテールは面白く、グイグイ読ませるのですが、どうも読み終わってから、印象がよくないので、もうやめようと決めたので、この新作は名前も忘れていました。 
昨日の朝日新聞の夕刊に、池澤夏樹の文芸時評で、同じような批評が載っていたのでビックリ。 『照柿』でも、今の工場の実態など、細かく書き込まれていて、人間模様も複雑に描写されているのですが、心に残るものが薄いという感じでした。
 最近は、通俗小説は別として、本格的な小説では、社会や時代の描写よりも、昔の私小説の系譜にのるような小さい人間関係に収縮されるもの、あるいは描写という手法自体を意識的に排除する方法が主流のようですが、私は、その点で高村氏の試みは高く評価したいと考えています。
 時代小説が再び盛んになってきたのも、時代考証を綿密にし、かつ描写の力をしっかり持った新人が輩出しているという事情があるからではないでしょうか。


(1)NHK ミッドナイト・チャンネル『アンジェラ 15歳の日々』が終わってし

まった。
 昔、僕の小中学生の頃、『うちのママは世界一』という連続テレビドラマがあって、一生懸命見たが、その現代版というところ。
 アメリカの病める部分も、かなり出し、特にアンジェラの親友の家はその典型で、離婚した母と二人暮らし、娘はかなりおかしい、先端的(?)なファッション、軽い薬とアルコールに倒れるなど。
 アンジェラの家も、夫は失業中、妻は辣腕の経営者という現代的関係。しかし、家の家族関係はむしろ古い、固い絆を見せている。15歳という難しい年頃は、今の僕が見ても、面白いし、興味が尽きない。



(2) この代わりなのであろうか、衛星第2で、0時10分からの「世界人間紀行」はなかなか見応えのある番組が多い。
昨日の(11月10日)ものは、オーストラリアの広大な平地を何カ月もかけて放浪する老人たちを、ロング・インタビューを交え、自然をゆっくり撮しながら、とらえていた。たんなる老人問題でもなく、自然への旅でもない、不思議な世界であった・



(3) NHK 『ドラマ 女たちの帝国』10月25日、11月1日の2回

 化粧品メーカーの女性2人が、部長から役員に昇格。社主、社長などの工作をあばき、十朱幸代演ずる女性がトップにつきそうな最後。
 女性が50過ぎまで、1人で仕事に打ち込み、男はもてあそんだだけ、という強い姿と、酒を飲み、痴呆気味の母の面倒を見る姿を織りまぜ、ものすごいオバン顔の「すっぴん」まで見せる十朱幸代には脱帽。彼女の出る番組・映画はほとんど見てきたが、いつも期待を裏切られないのは、彼女自身の力でしょうね。
 しかし、化粧品を賛美し、これで女は世の中に立ち向かう、という彼女の理想主義はいかがか。化粧品メーカーは喜ぶであろうが、化粧品については、健康被害(あるいは皮膚にダメージを与えるとの批判)、品質管理、流通問題(ディスカウント・ストアとの訴訟が続いている)など、多くの社会問題にかなり古い体質で望んできた経緯がある。(この会社自体が、閉鎖会社で、「社主」がいるという古い会社であるが)
 最近私の読んだ本、小澤王春『髪は石けんで洗いなさい』、同『洗顔フォームは捨てなさい』など、この手の批判は以前から各方面でなされてきたはず。(ただし、この著者は、よくわからないが、内容は若干雑という印象)季節ごとのキャンペーンをめぐる騒動、業界紙の介入なども、よく使われた手である。 最後が、化粧品広告に彼女の母親を使うという手で、上の疑問に答えようとしたようでもあるがーーー。



(4) なお、NHK ニュースは、昔からとおりいっぺん、という感じで、つっこみの少ない、政府の発表をそのままたんたんと報道すると批判されてきたが、最近、とみにその傾向が「定着」してきたのではないか。
 報道の批判的姿勢は、9時半からの「クローズアップ現代」と、単発もの(最近の3日間連続の行政改革座談会シリーズは、内容的には、一部の識者には繰り返しであろうが、テレビでこれだけ突っ込んで議論がなされたことは初めてであろう)に委ねる姿勢が目に付く。
般人に分かりやすく、というのが基本姿勢のようである。むしろ、民放にならって、動物や植物の映像を5分程以上もニュースの中に差し入れて、興味を引こうとする工夫だけが新しいのではないか。




(5)ザ・スーパーサンデー『野生児ティッピの大冒険』97・6

 カナダの159匹の猫を飼う夫婦、米国の猛獣を集めている男性、英国のダルメシアン160匹を買う女性は、どう生計をたてているのか。
 寄付を募り、ボランティアが手伝っていることはわずかに出てくるが、長期間にわたるとすれば、何らかのシステムがあるはず。それを明示しないのは何故か。尋ねたり、調べたりしていないのか、していて故意に外したのか。
 世界には珍しい人がいる、動物をこんなにかわいがっている人がいる、可哀想な動物を救え、だけでよいのか。コメンテイター(?)の、アイドル系の若い女性に涙ぐませるだけでは、私のみならず、テレビ局が「感動」を作っているとの感想をもたせることにならないか。「メディア・リテラシー」の方向に反するのではないか。
 野生児ティッピの映像については、ディズニーが批判されたように、動物ものの商業化ではないのか。作為を隠しているのではないか。
 すべて自然のママの映像ではないであろう。例えば、象がティッピを載せる時を撮していないのは何故か。かなり慣れた象ではないのか、また誰かてなずけている人(特に、親? )がいるのではないか。
 テレ朝(?)の取材陣が、1回だけ姿を現し、彼ではキリンが逃げてしまう、というシーンがあった。この家族の長期の旅行は、テレ朝の援助で最初から仕組まれたのか。
 フジのムツゴロウ・シリーズについても、動物王国の内実をそろそろ公開すべきではないか、との批判がなされている。どのようなスタッフが、どういう資金で(フジ?)、システムを支え維持しているか、これを抜きに、動物がかわいい、可哀想だけでは、少なくとも長期間の、あるいは長時間の番組としては片手落ちではないか。
 これに対し、NHKの「生きもの地球紀行」は定評があるように、長期間の地道な取材をふまえていることがよくわかる。このように、ゆっくり、きちんと写実する姿勢が結局は残るのではないか。単発的に視聴率を狙うだけでは、もうもたないのではないか。



「野生児ティッピ」についての、上の私からの疑問にたいし、テレビ朝日から、以下のような説明が来ました。

 

「番組制作のいきさつ

 ○昨96年夏、雑誌フォーカス(8/14・21合併号)にティッピと動物の写真が掲載

 ○(株)イースト(わくわく動物ランドなどを制作)が興味を持ち、写真提供元の仏・カプチューン・フィルム社(ドキュメンタリー制作会社)に問い合わせ、同社と契約関係にあるドキュメンタリー・カメラマン、アラン・ドウグレ氏の作品で、ナミビアで生まれドウグレ夫妻の取材旅行にずっと同行している夫妻の娘ティッピと野生動物との交流の模様を写したものと解った。

○スチールカメラと同時に、VTRで撮った映像を見せて貰って感動を受けた(株)イーストがカプチューン・フィルム社と契約、テレビ朝日と共同でティッピを題材とした番組制作が始まった。

<現地が非常に危険地帯であるため、カプチューン・フィルム社の取材にテレビ朝日側が乗った形で、イーストのスタッフ(ディレクター:日本人、カメラマン:フランス人、コーディネーター:日本人)が取材に参加したーーーーというのが本当の処です>

○番組に登場する動物の全てが完全に野生動物であるとは言い切れないかも知れないが、日本流に言えば“野生動物”と言っても差し支えないのではないか(編成制作部の担当者は「4分の3野生と言ったら変でしょうか?」)と言う。

 ○アフリカ各地にヨーロッパ人を中心とした幾つかのグループがあって、野生動物の生活環境をこれ以上破壊しないように守ろうとしている由。それらの地域にいる動物のようである。勿論、日本のサファリ・パークのように柵で囲うようなことは有り得ない。(実際に人間に噛みついたヒョウなどは隔離されているらしいが)

 ○ティッピ自身、赤ん坊の時から動物に慣れ親しんで居り、自然と動物と接するコツのようなものを身に付けているのは事実であるようだ。
 但し、本当に危険な場所・動物が相手の場合は、両親も彼女を車から降ろさない等、配慮しているとのこと。

 ○番組はカプチューン・フィルム社が撮った映像と前記テレビ朝日側スタッフが撮った映像とをミックスして構成した。
 
以上の通りで、制作担当者によれば、全てが完全に野生動物と言い切れるかと言われれば100%そうですとは言い切れないが、出来るだけ自然を損なうことなく配慮されて居り、少なくとも飼育動物を使用したという事実は全くないとのことでした。」





(6)「21世紀への伝言」97/5/11 権力の内側を歩いた男・後藤田正晴

 掃海艇の派遣を彼が断固反対し続けていたことを忘れていた。その背後に、自衛隊が海外に出て戦う覚悟があるのか、という彼の立場があり、それが吉田内閣の時の米国に対する日本の朝鮮出兵に抵抗した経験から出ていることは初めて知った。このくだりは面白い。
 しかし、中曽根が折れたのは、後藤田の背後に田中がいたからであろうが、その田中がこの問題をどう考えていたのか、後藤田と話し合ったのか、これらがこの番組には出てこないのが残念である。しかし、これらの経緯について興味は尽きないし、今後も起きるであろう、似たような状況の時にこの事件が想起されるべきであろう。

 後藤田正晴が、米軍に自衛隊が得た情報が筒抜けになっていたシステムをおかしいとして、外務省・防衛庁を批判したことは分かったが、その後、彼は何をしたのか、このシステムは直ったのか、この番組では分からない。日本が、この事件でどういう態度をとったかもふれられていないので、彼のしたことも分かりにくい。
 彼の選挙で金が違法に大量に使われ、大量の選挙法違反を出したこと、彼がそれが現実の政治だとし、これを変える思想がないこともうかがえる。
 首相にと請われて、「自分は基盤がない。ずっと、参謀だった」というのも真実であろう。 最後に、安保条約はこのままで良いのか、という彼の問いかけは、これまでの番組内容からよく理解できるが、それは米国から自立した自衛隊という理想に拠るのではないか。彼は、憲法9条から明快に、自衛隊が海外に出て戦うことを否定したが、憲法9条自体の評価は、この番組からは分からない。ここが、内務省官僚たるゆえんか。
 いずれにせよ、彼の複雑な、タカ派とハト派を合わせ持つ、筋の通った官僚、そして官僚出身の政治家のあり方を描いたものとして、評価できる。




「敬老の日」に寄せて

1. 映画「青年と老人」9月初旬の深夜、NHK衛星放送で偶然見る。

 音楽家として著名だった老人が再起するのを助ける、ポーランドから来た青年。

ヨーロッパの港町とその郊外の森の中にある家の回りの森の美しさだけ楽しんでいたが、老人が青年に助けられ、刺激されて、作曲を再開しようという気になり、秘書を若い女性でないと、として、探すシーンから、面白くなる。

 選ばれた若い秘書の女性を、老人が作曲を教えながら口説いてしまう様、音楽が次第に作られていく様、そして最後に発表の音楽会のシーンは、作曲された音楽自体の質の高さとあいまって、見応えがあった。しかしよく、あんな若い女性が、オジイサンに抱かれる気になるもんだなー、というのが、正直オドロキ。

 最後に、老人が次第に弱って、老いるというのは、死が怖くならないように次第に慣れていくのだ、と老人が青年に語るのは、悲しいが、同時に老衰とはそんなものかもしれないとも思う。

 

2. 9月 16日、NHK深夜0時10分「痴呆なんか怖くない」

 老人施設でのグループ・ホームという新しい手法の紹介。

 痴呆症の老人でも、食事の支度などをみんなですることによって、自信を得て、お世話になっているだけという「肩身の狭い」思いから解放される様子を、2、3人の老人を数年前から追って、じっくり見せてくれた。

 病院では、患者が動いては困るから徘徊老人は「拘束」する、というのが実態なのに対し、この施設はむしろ逆。行きたいところに行かせる、そして、途方に暮れる老人をさりげなく仕事を持たせ、連れ帰る様子は、2年ほど前の私の母の徘徊に困ったことを思い出して、もう少し何かやれなかったか、などと考えさせられた。

 ヘルパーが、個々の老人につき、話し合って、誰にはどう対処すべきかなど工夫し、例えば、詩吟、着物の気付けなど、老人が以前得意だったことをして貰って、自信をつけさせ、役割があるという意識をもたせる様子は説得的で、そのあと、老人が見違えるように活発になっていく様は感動的である。

 痴呆と言っても、各人の精神作用は様々で、しかもある程度は人間としての自尊心や回復の可能性などがあり、大事に扱われると、病院で受動的な毎日を送るときと全く違ってくることがあらためて分かる。

 

3. 9月16日、テレ朝、午前9時55分「ズームUP 挑戦恋愛、結婚自由な老人

ホーム」

 一般に、老人ホームでは結婚禁止ということが、そもそもおかしい。しかし、ここで扱った老人ホームでも、入籍は認めない、という。遺産問題など、面倒なことはよく分かるが、結婚するなら出ていけ、という一律なルールはいかがか。

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 ドラマアンコール『モモ子の罪と罰』,『最後の審判』TBS 今年の春頃

 これは、テレビから ビデオ録画したビデオが大量に溜まってしまっている中から、ようやく見たものなので、放映されたのが今年のいつ頃か忘れましたが、いずれにせよこれ自体が再放送で、このシリーズの7作目と8作目で、これで終わりだとのこと。

 演出の堀川とんこう氏はこれが放映される頃、定年退職されたという新聞記事を読んだ記憶があります。

 これが始まった1982年は、新しいテレビドラマの構想として僕は一人で拍手していたものです。あの「お嫁さんにしたい女性」のナンバー1を続けていた竹下景子さんも、昔の初々しさだけではドラマに出られなくなり、何と底抜けの楽天家で、蓮っ葉で、でも人の良いソープ嬢という設定には最初は驚いたものです。これがよくて、毎回彼女のいきのいい姿を見るのが楽しみでした。

 向田ドラマは、久世氏の好みもあって、嘆美派そのもので、そして取り上げられる人間関係は、気取り又は偽善と本音のぶつかりあいという深刻な底流がありましたが、こちらは庶民的というか(この言葉は嫌いですが)、行儀は悪いけれど、ひたすら明るい人生の落ちこぼれ、という(実際にはあり得ない?)夢を見せてくれました。これは、競演の蟹江敬三のさえない刑事という役作りにもよるのかもしれませんね。有り難う、このドラマを作ってくれた皆さん!!

 このシリーズもなくなって、本当に寂しいね。でも、終わっても仕方がないでしょう。理由は簡単、景子さんも最初の売れっ子ソープ嬢の頃の「いい女」からもう15年、8作目ではしきりに肌の衰え、白髪染めを気にしていましたが、この役どころでは限界でしょう。こう言うわが身も同じことで、ドラマよりもこっちの方が、もっと寂しいねーーー。

                            このページの先頭へ


 

向田邦子原作『蛍の宿』TBS 97年8月4日9時から

 TBS終戦特別企画の3年目の作品。

この向田邦子原作、久世光彦演出のシリーズは、かなり前からすべて見逃さずに見て、毎回飽きずに楽しんでますが、同好の士も多いのではないでしょうか。

 母が加藤治子、一番上の娘が田中裕子という組み合わせが長く続きましたが、この岸恵子と清水美砂も味があってよかった。

 ただし、これまでのドラマは、ほとんど東京の中流家庭の四季折々の風物詩という趣がありましたが、今回のドラマは海辺の田舎町の遊郭が舞台。特攻隊の若者との出会いと別れを描くもの。これも、筋がどうのこうの、という見方ではなく、着物の着方、歩き方、話し方、挨拶の仕方、男女や親子の会話の様などをじっと見ることになります。

 このシリーズは、ビデオで発売しているのなら買いたいのですが、テレビ局は、こんな販売戦略や広告をあまりしないのはなぜでしょう。民放各局は、NHKの経営多角化だけ非難して、自らはテレビショッピングや通販、あるいはせいぜい出版位しか多角化が軌道に乗ったものはないようですが、自分の局で制作・放映したよい番組は息長く売ります、という気概がほしいですね。こういう質のいい番組をどんどんビデオ化して、安く売り出して下さい、お願いします。

 それにしても、TBSのドラマは、『私は、貝になりたい』を中学生のときに見て以来、多くの優れた作品を楽しませてもらってきましたが、だんだんトレンディ・ドラマしか作らなくなっているようで、あの「日曜劇場」も、この10年以上、迷走を続けているようで見る気にもならないのは、こちらが歳をとっただけなのかなぁーーー。

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NHKスペシャル 街道をゆく・プロローグ 10月3日9時半から(再放送)

 

 司馬遼太郎氏が亡くなって、かなり早い時期にこの番組が放映された記憶がありますが、この度あまり間をおかずに再放送されました。

 2度同じ番組を見たわけですが、同氏の土地と人間への洞察には、あらためて打たれました。

「街道をゆく」シリーズは20年以上前からときどき読んでいるのですが、テレビでかなりの準備、時間と人間を使って、映像にすると、また別の味わいがあります。

こういうところに、NHK の底力を感じます。

 急いで皆さんにお伝えしたかったのは、これから6回にわたって、毎月第2日曜日、「街道をゆく」が放映されるそうです。本とはまた違った楽しみと人間のつらさのようなものを感じることができる、と期待しています。

 こういう番組がときどきあるだけでも、民営化が今の時代のはやりですが、やはり、NHKの「特殊法人」という組織形態も、また受信料制度も悪くない、と考えてしまいますね。 

ただし、NHKが、テレビ4チャンネル、ラジオ4チャンネル、計8チャンネル占めて、衛星放送も受信料ということが、そのまま続けるべきだとは思いませんがーーー。

 また、このビデオが発売されたら、値段次第では買おうと思います。以前は、ビデオ化されるとかなり高くて、怒っていたのですが、だんだん販売数が増えたのでしょうか、安くなってきたようです。NHKさん、これも期待していますよ。このビデオも、NHKの「関連団体」であるNHK出版が発売元になるのでしょうが、ここでも、こういう優れた番組をパッケージにして売るなら、「関連団体」も一概に、「系列企業」として、不透明で、うさんくさいものときめつけるのもどうか、と思ってしまいます。いや、これは感情論ですから、制度論としてはまた慎重に考えますがーーーー。

 

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先週24日の深夜、0時20分頃からのTBS『CBSドキュメント』

 なお、この番組は、60minutesというタイトルで、話題の番組。CBSの良心を代表する看板番組です。

 ある放送会社の会議で、お宅もこういう番組なら、そうお金もかからず、良い番組がつくれるでしょう、と発言したら、「舟田先生、あれは大変なお金がかかっているのです。インタビューがほとんどですが、論争点を鋭くつくのが売り物なので、対立に分け入らなければならず、どっちかを重視することになるので、損害賠償を予防するための弁護士費用が大変なのです。」とのこと。

 

 米国の大都市で、strive(精いっぱい努力する、という意味)という名前の団体があり、失業者に就職のための訓練と、就職の斡旋をし、そのコースを卒業した者の7割以上が就職に成功している、という話です。

 多くは、黒人などの落後者で、見るからにダメそうな人々が、料金がタダということで、一縷の望みでやってきます。経営は企業からの寄付金だそうです。なお、公的な職業訓練、あっせんが別にあることは、日本でも同じですが、成功率はこれらの公的施設では、このstriveに到底及びません。

 そこで、面接の際には、ワイシャツは、白・薄いブルー、あるいはクリーム色だけ、半袖はダメで、長袖だけ。ネクタイは、「ネクタイ!!」と叫んでいるようなものはダメ(この表現が面白い)。地味で目立たないもの、という意味です。

 靴は、スタンダードなもの。特に女性が難しい。足をおおうような、ヒールのある黒あるいはそれに近いものだけ、という教え。なお、ここには出てきませんが、男の場合、基本的には、紐つきの黒で、靴底があまり厚いもの(今の若い人にはやりですが)はダメ。薄いものが上品、というのは、ヨーロッパの伝統ですね。

 なお、こういうdress codeに一番忠実で、保守的なのは、ボストンなど東部8州(9でしたっけ)の伝統ある都市のエリートです。基本的には、弁護士の服装を見れば、ダークスーツに、ネクタイには少しだけ赤を入れ(元気があり、攻撃的とされる)、ワイシャツは、白と決まっています。ネクタイの柄は、小紋、ベイズリー、あるいはレジメンタル・タイ(英国の連隊で、はっきりしたストライプで、色まで、連隊ごと決まっていて、これは米国のアイビー・リーグに入る大学では、すべてこの柄と色と決めているところもある)のいずれかです。

 dress code以外にも、握手の仕方、ニッコリ笑うこと、目は相手をしっかり見ること、声はゆっくり、しっかり、ある程度大きくなど、こまごましたことまで、教えています。

 

 僕は、これらを推奨しているわけではありませんが、ルールを知った上で、自分はどうしようとか、この場合はどうしようとか、決める方がいいのではないでしょうか。

 僕自身は、相手がほとんど会社員や公務員の場に行くときは、伝統を守ります。

それ以外は、少しずつ崩します。今は暑くて、崩れっぱなし、ルール以前ですよ、日本の暑さはね。しかし、アメリカでも、日本より暑い所も多いのですが、これらを守る人も多いので、気を付けないとね。
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8月24日(日曜日)の好番組の数々


  8月24日(日曜日)の朝は、好番組がいっぱいでした。

  まずNHKテレビ 8時から、『列島小さな旅』で、「山の幸水の恵み」(再放送)

 『小さな旅』は、昔からよく見ていますが、映像の美しさ、語り口の見事さ(この番組は、加賀美アナウンサーではありませんでした。新聞報道でちらっと出ましたが、同氏はもう現役ではなく、管理職になられたからでしょうか。)、素材を頑固なほど昔からの日本の情景に限っていることなど、私のようなオジサンを楽しませてくれる番組です。

 なお、かつて朝日新聞夕刊のコラムに、この番組の良識派ぶった、思わせぶりないやらしさを激しく攻撃する文が載ったことがありました。なるほど、人はいろんな感想を持つものだと思いましたが、だからこそ、こうしたポリシーが明確で、スタイルが確固とした一貫性を持ったものを続ける意味があるのでしょう。好悪が異なるということは、この場合、この番組の正確の強さを反映しているのでしょう。

 次は、同じ8時からの『関口宏のサンデーモーニング』

 この1週間の最大のニュースである行政改革会議について、主として、省庁の数を減らしただけではないかという点、そして特に財政と金融の分離という公約を反古にしたことにつき、佐高信氏のインタビューも交えて簡潔に批判していた。

 この番組の関口氏に対しても、どこかの新聞のコラムで、よく分からないくせに、したり顔で、かっこいいことばかり並べて、などという批判があった。特に、今朝の番組内容などに反発する者からは、同様の批判が出るであろう。

 しかし、今週の読売新聞が、正面から「財政と金融の一体性は当然」といい社説を載せていたのには、正直言ってビックリ。新聞社の社長が、この種の会議に出ることの是非は論じられたのであろうか(NHKの会長も同じ問題があろう)、という点はさておくとしても、社長の意見と論説委員の意見とは、「偶然の一致」なのか、社長の指示なのか、「経営と編集の分離」(昔の議論では、「編集権の独立」)の問題はないのか、疑問が残る。

 午前の最後は、『サンデープロジェクト』

 亀井氏と菅氏の論争には、あまり新味はなかったように思うが、11時過ぎからの「特養老人ホーム」が介護保険制度の導入によってどうなるか、という特集は、アンケートの内容も新制度を批判する自由な書き込みが多かったことを紹介し、具体的な例として2つの特養老人ホームを取り上げ(その1つは、公取の調査が入った長寿会)、コメンテイターや島田氏らのコメントも的確で、30分余では短いように感じた程の内容の濃い番組だった。 

 私事であるが、私の母もアルツハイマー病が進行し、この春には家庭での看護が限界に来たと判断し、運良く、大変親切な看護を行っている特養に入所した。毎月の費用など、まだ分からないことも多いが、少なくともそこで看護なされている方々のまさに献身的な看護に対して、心から感謝している日々である。

 他の局などでも、競ってこの問題を取り上げて欲しい。この種の番組は時間が短いとどうしても問題の複雑さをうまくときほぐせない。上の番組でも、司会もコメンテイターも、すべて早口で、解説された事情が分からなかった視聴者も多いのではないか。

 ともあれ、いつもは、NHK教育テレビの「NHK杯将棋トーナメント」にかなり集中する自分であるが、今朝は将棋を犠牲にしても悔いない番組が続いて、早起きした(実は、早く目が覚めてしまうだけで、意図的に早く起きるのではないのですが)甲斐があった。

 この日曜日は見たい番組が夜も盛りだくさん。6時半からは、テレビ朝日の宇宙船地球号、7時からは同じ局でハワイ、9時からはNHK教育テレビで『パリは燃えているか』(これは既に見たことがあるが、忘れているので、もう1度見たい)、そして、10時からTBSで『世界ウルルン滞在記』で、アイスランドで牛や羊を育てている老兄弟の話、同じ局で11時半から『世界遺産』イタリアのルネッサンス、ダ・ヴィンチやラファエロの彫刻や絵、間に入るソニーの宣伝もさすが。

 0時15分から、日本テレビの『ドキュメント日本』、ステロイドの長期連用による、「リバウンド」に苦しむ人々、厚生省にこの薬の使用法をもっと慎重に、と申し入れても、医者には不注意な人がいるというだけ。患者は、いつまで続くか分からない痛みとかゆみで、有効な治療法もない。患者の1人は、若い女性で、一度「リバウンド」で苦しんだので、医者にはこれは使わないように伝えていたのに、もらった薬の中にステロイドが入っていて、またリバウンドに罹ってしまった人がいた。かわいい女性だが、首のあたりに湿疹のようなかぶれが見え、痛ましい。

 3分治療と呼ばれるような過密スケジュールで診察すると、安易にこの薬を与え続ける医者がいることは事実。

 最後は、患者の1人が、ホームページで、この薬のこわさを訴える文章と厚生省の対応の鈍さを伝えるシーン、「いまも、ステロイドの長期連用による患者が知らずに「リバウンド」に苦しむ道を歩き始めています」というナレーションで終わる。

 0時20分からは、いつも見ている『CBS ドキュメント』。前半は、臓器移植の際に、アメリカの3分の1の医療機関で、脳死以外で「死」を判定し、死ぬ前から、臓器移植のために、レチシン(人体は、死をくい止めようとして、アドレナリンが発生するが、それを抑えてしまう)、ペパリン、あるいは、痛み止めのモルヒネを投与するという。心臓停止の2、3分後で、死を判定すると、また生き返る可能性があるのに、それを抑えることになるという。

 声明維持装置をはずし、これらの薬を投与すれば、結局、必然的に移植への道を早く効果的に行うことができる。ウィスコンシン・クリニックのソリンジャー医師が弁明をしていたが、素人には移植のために年間2万5千人が助かっていることと、心臓停止から生き返る人がほとんどいないことの比較考量を(心の中で)しているようである。

 しかし、このように、真面目な番組、特にドキュメントが日曜日に集中していること自体が「横並び」体質、視聴者無視のあらわれではないか。テレビ欄を何度も見直し、ビデオとテレビのリモコンの2丁拳銃で忙しいぃーーー。

 こんな日曜日を過ごしては、むしろ疲れて、休めないではないか、と怒りを感じた!! しかし、いい番組をたくさん見たな、という感謝の念も同時に起き、オジサンは複雑な気持ちであるぞぉーー。

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8月14日「トゥナイト2」


8月13日、いや深夜で日が変わって14日の「トゥナイト2」は、野菜の品種改良で、トマト、トウモロコシ、マクワウリなど、生産現場、種苗会社、青果市場、そしてそれを提供しているお店など、丹念に取材し、テンポよく見せてくれました。

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97/6/21 ザ・スクープ

     北朝鮮抑留漁民問題と「酒鬼薔薇」事件の報道への疑問

 

 珍しく、二部構成で、前半が、北朝鮮に抑留されている漁民の帰国を求める母親のうごきを中心に、後半は、例の「酒鬼薔薇」事件。

前半の問題は、他にも北朝鮮に連れていかれたと想像される人々があるので、ここでこの漁民だけを取りあげたので、問題の広がりに欠け、「お母さんが可哀想」というレベルで終わってしまったのではないか。時間全部を使って、より広く取材し、これまでの外務省の対応への批判を含め、番組を作ってほしかった。

 後半の「酒鬼薔薇」事件については、生首を切るシーンなどを集めたビデオを、レンタル・ビデオ店で借りた客のリストを提示してくれと警察から依頼され、断った、とのインタビューがありましたが、この種のプライバシーにかかわる捜査活動は、たとえ任意の提示の要求であっても、令状をとらない限り(どのような場合に、どの種の令状をどの要件の下で、という法律問題がありますが)、違法ではないでしょうか。

 これについての指摘がなかったのは残念ですし、他局の番組でも「酒鬼薔薇」事件の報道で、この問題に関してふれたものはなかったようです。周知の通り、インターネットの普及とともに、ネットワークへのアクセスを捜査当局が探しているとか、特別法で、「通信の秘密」を侵して傍受する制度をつくろうという動きがあるので、この点は是非どこかの番組できちんと取り上げて欲しいと思います。

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97/6/19 ニュース・ステーション

 羽仁未央の香港レポ−トは、香港で反体制活動を続けている漫画家とコラムニストの夫婦を取り上げた点で、他の香港ものと違う味を出していた。是非、返還後の彼らの今後を追跡してほしい。

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97/6/18 ニュース・ステーションー細川氏のインタビュ−

 彼が新進党を離党した直後だったので、時宜を得たものとして興味深く見た。しかし、全体に彼の説明は曖昧で、後に残ったのは、むしろ5年前の同番組に出演したときのビデオにおける彼の「清新さ」であり、その後の日本新党ブ−ムは、彼のそのイメ−ジに対応していたのだ、という確認であった。その意味でのこのインタビュ−は、意味があったろう。

 インタビュア−の経験のない私には分からないことだが、インタビュイ−に対し、少し礼儀を重んじすぎはしなかったか。オレンジ事件も、彼は何も金の話はなかった、という答えを出すだけなら、聞く意味もないし、むしろ彼に弁解の機会を与えただけではなかったか。

 久米氏が最後に、また前回と同じように、文芸春秋に論文を書いてください、と発言したのも、インタビュ−が全体として曖昧で、何も明らかにしなかったことを正直に感じ、視聴者の気持ちを代弁しているようで、好感が持てた。この程度を言うのが精いっぱいなのでしょう。番組に「お客様」としてお呼びした場合の、インタビュア−の限界なのでしょう。

 その後の特集コーナーの札幌ヨサコイ祭りは、たのしいコ−ナ−であった。日本人はこんなに踊ることが好きだったか、と見るものに元気を与えた番組だと思う。
         
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