3.ヨタカと偶然 

 毎年8月12日13日は、北の空の高い所に、1時間に50コもの流れ星を見ることができます。数年前の夏に、その流れ星を見るために、都会のあかりがあまり届かない山の中へでかけていきました。その日は、晴れてはいましたが、時々雲が空をかくし、そのために、たくさんの流れ星を見る事はできませんでした。

 明け方ごろになって、偶然ヨタカの姿を見ることができました。その場所には、流れ星を見るために、何台かの車が一緒にその広場へ止まっていたのですが、明け方近くになり私たちの車だけになってしまったのです。そろそろ帰ろうとしていた時、『キョッキョッ』とヨタカが飛んできて、くるくると空をまわり、そして、少し離れた所で砂浴びを始めたのです。少し暗かったせいかもしれませんが、私はヨタカをそれまで写真でも1度も見たことがなかったので、砂浴びをしている姿がたいへんかわいらしく見えたのです。バードウォッチングをしている人に、ヨタカはかわいかったと言うと、必ず「えっ、かわいい?」とはてなマークつきで言われます。

 今度は、昼間木の枝にとまって、寝ている所を見たいと思っていますが、いまだに見ることができません。

 宮沢賢治の童話のなかに、「よだかの星」というヨタカを題材にしたものがあるのですが、なかなかおもしろい童話ですので、よかったら読んでみて下さい。

                                    (瑠璃)