時の棲む森 Sorry,This page is Japanese Only. Support only "Internet Explorer 6.x"or later

時の棲む森
*サイドメニューが表示されてない方へ、TOPページはこちらです。

09月27日:August:千の刃濤、桃花染の皇姫 花あかり

・ご案内  HP容量の圧迫のため、過去画像データを整理中です。
 一部コンテンツの画像データが表示されない場合がございます、ご了承ください。
8月3日

・夜明け前より瑠璃色な SSS”よくあるお話”

「ただいまー」
 家の扉をあけるとクーラーの涼しい風が外へと流れ出ていく。
 それと同時に猛暑の風が家の中へと入ろうとする。
 俺はそれを防ぐように玄関の扉を閉める。
「ふぅ」
 一息つきながら、リビングへと向かう。
 何か冷たい物が飲みたいな、その前に洗面所で手洗いをしないとな。
 そう思いながらリビングに進むと、ソファに麻衣が座っていた。
 家に帰ったとき返事が無かったからてっきり部屋にいるか、出かけてるかと思った。

「……そっかー、なるほど」
 ソファの上で足を立てて座る麻衣、下着が見えているんだけど気にしていないのか、
 それとも気づいていないのか、それだけ真剣に、手に持っている雑誌を読んでいた。
 時折、机に置いてあるお菓子を口に運びながら、読んでいる雑誌。
 その表紙には……ダイエットの文字が。

「お菓子食べながらダイエットって」
「え? おおお、お兄ちゃんっ!?」
 やっと俺に気づいた麻衣が慌てだす。
「い、いつ帰ってきたの!?」
「今さっき、ただいまってちゃんと言ったぞ?」
「あ、お帰りなさい、お兄ちゃん。……じゃなくて、これは、その……わたし、別に
 増えてないからね!! たまたま気になる記事があっただけだから!!」
「別に麻衣は太ってなんか無いって。それに成長期なんだから増えるのは当たり前
 だと思うんだけど」
「それとこれとは別なの!」
「そ、そうか……」
 俺は麻衣の剣幕に驚きながら、とりあえず手洗いする事にした。

「はい、お兄ちゃんもどうぞ」
「ありがとう、麻衣」
 リビングに戻ってすぐにコップを渡してくれた。
「……美味いな」
「そうでしょう? これでもゼロカロリーなんだよ?」
「そっか……」
「……」
「……」
「……あーーわたしのばかばかばかっ!」
 その場で麻衣は蹲った。

「だから、麻衣は気にしすぎだって」
「でもぉ……」
 涙目の麻衣が可愛い。
 ……じゃなくって。
「成長期に無理にダイエットすると成長が阻害されて危険なんだぞ?」
「うぅ……お兄ちゃん……」
「麻衣は太ってなんか無いから大丈夫だよ」
「でも、実際に……」
 そのとき、俺はある可能性に気がついた。
 コレが当たりだとすれば、麻衣にダイエットの必要は無い。
 けど……言っても大丈夫だろうか?
 涙目の麻衣を見る。
 麻衣の為だ、麻衣の為……
「麻衣」
「……なに?」
「あのさ、すごく言いづらい事なんだけどさ……」
「……うん」

「……胸、大きくなってないか?」

「……え?」
「その、さ。大きくなればそれだけ増えるっていう訳だしさ……」
「……お兄ちゃんのえっち」

 その後、今回の件での埋め合わせというデートに付き合わされて。
「サイズ変わったのお兄ちゃんのせいなんだからね♪」
 上機嫌で女性の下着売り場に連れて行かれることとなった……

6月13日 ・SS紹介感想感謝、ありがとうございました。  Faxiaさん(雑記さいと FiRSTRoN)  また、紹介ツイートをRT、いいねしてくださった皆様もありがとうございました。 --- ・sincerely yours short story「家族いっしょに」 「……」 「……」  お母さんもわたしも言葉が無い。 「あのさ、シンシアもリリアも」  無言の沈黙の時間にお父さんが仲介の言葉をかけようとするけど 「「なに?」」 「……いえ、なんでもありません」  わたし達の言葉に、引き下がった。 「もぅ、リリアちゃんも観念しない?」 「そう言う問題じゃないと思う」 「えー、だって家族一緒じゃないと嫌だもん!」  嫌だもんって……お母さん歳を考えて欲しいんだけど 「?」  首をかしげる仕草が、娘のわたしからみても似合う。  ……歳に関するツッコミは何をいってもわたしは負けた気分にさせる。 「ふふっ、だって永遠のじゅうな」 「だから、危険な発言は止めてっていつも言ってるでしょう!?」 「別に良いじゃ無い、ここには家族しかいないんだから、それに達哉は賛成でしょう?」 「俺は……」  何か言おうとするお父さんをにらむ。 「……条件付きなら」 「別にタオルを使っちゃ駄目だって私は言ってないわよ? ただ、他の人も入るんだから  マナーは大事よねぇ、ってだけで」 「それ、事実上タオル駄目って言ってるじゃない!」 「マナーは大事ですものね、ふふっ♪」 「それに、タオルまかないとお母さんだって裸になっちゃうんだよ?」 「私はかまわないわよ、見られて恥ずかしい身体はしてないと思うもの」 「わたしは見られたら恥ずかしいの!!」  お母さんの誕生日をお祝いしての温泉旅行。  選んだ宿にあった、無料の貸切風呂。  その脱衣所まで連れ込まれたわたしの最後の抵抗だった。 「それで、リリアちゃんはどうしたいの?」 「え?」 「私はせっかくお祝いしてくれてる誕生日ですもの、家族一緒に温泉に入りたいわ」 「……お母さんずるい」 「ふふっ、まだあと3年は、リリアちゃんより年上ですもの」 「3年って……あー、もう、お父さん!!」 「はい!」 「ぜったいぜったいに見ないでよ! それが条件だからね!!」 「わかった」  すぐに返事をもらえた、けどそれはそれでなんか納得できないものもある。 「ねぇ、達哉。私はいくら見ても良いから、ね♪」 「お母さん!?」 「これ以上はリリアちゃんが拗ねちゃうから、もうおとなしくしようかしらね」 「今だけじゃ無くてずっとおとなしくしてても良いんだからね?」 「それって、ボタンを押すなって言って、押せって事よね?」 「違うからっ!」 「それよりも早く温泉入りましょう♪」  そう言って浴衣を脱ぐお母さん。 「俺は先に入ってる」  その姿を見ずに先に湯船に向かうお父さん。浴衣は着たままだったけど、向こう側で脱ぐんだろう。 「ほら、リリアちゃんも早く浴衣脱ぎ脱ぎしましょうね〜」 「ちょっとお母さん、自分で脱げるから!」  約束通りお父さんは湯船の外側に向かって座っていて、こちらを一回も振り返らなかった。  それは良いことなんだけど……全く興味を示さないのもなんだか納得がいかなかった。
6月5日 ・SS紹介感想感謝、ありがとうございました。  Faxiaさん(雑記さいと FiRSTRoN)  また、紹介ツイートをRT、いいねしてくださった皆様もありがとうございました。 --- ・あいりすミスティリア! SSS「純情な感情」 「リディアさーんっ!」 「ん? ユーに冥王じゃない。どうしたの?」 「リディアさんをお見かけしたので声をかけたんです!」 「そう? 暇なの?」 「そういうわけじゃ無いですよね、冥王さま」  暇です。 「ちょっ、冥王さま!?」 「そ、そうなんだ、暇なんだ。なら……一緒にいてあげてもいいわよ?」 「冥王さまは冥界の視察に出てるから暇じゃないですよ、ね?」  視察? あー、そういえばそんな理由だったっけ。 「へ?」  執務室にずっといるのも飽きたなぁっておもって逃げ出す理由がそれだった。 「……冥王さま」 「それじゃぁ冥王は暇じゃないの?」  暇だからさ、リディアも一緒に散歩しないか? 「え、いいの? じゃ、なくて、しょうがないなぁ、暇なら私のエスコートを  お願いするわね」 「もぅ、リディアさんったらツンデレなんだから……って痛っ!」 「なんだかけなされた気がした」 「だからって叩かないでくださいよぉ」  リディアはお祭り、楽しんでるか? 「ん、よく解らないけど、なんだかふわっとするっていうか、ドキドキするっていうか  そんな感じかな」  そっか、楽しんでるようで良かったよ。 「でもさ、冥王。なんでこんなお祭りミスコンするの?」 「リディアさん、それはですね……おとなのじじょーという事なのです」 「……はい?」 「それ以上は駄目です、おとなのじじょーの前にわたしたちは無力なのです」 「そ、そうなの? そ、そこまで言うなら聞かないでおくわ」 「賢明な判断です」  そっか、おとなのじじょーだったのか。  俺は去年の長期出張中のアイリス達のモチベーションの維持の為ってベアから  聞いてたんだけどな。 「冥王さま!」  ん? 「それ以上の裏事情は、たとえ冥王さまでも危険です」  そ、そうか……ま、まぁ、みんなが楽しんでるから俺は良いんだけどな。 「ねぇ、冥王……」  なんだい? 「その、さ……冥王ってさ、この人気投票ミスコンに参加してる、よね?」  あぁ。 「それじゃぁ、さ……毎晩、誰に……いれてるの?」 「ぶはっ!」 「ちょっと、ユー!?」  ユーが出店で勝ったジュースを盛大に噴き出した。  一部の紳士にはご褒美かもしれないが、俺にはそういう性癖は無い……ぞ? 「冥王、なんで疑問系?」 「って、それよりもリディアさん、往来の真ん中でなんてことを言うんですか?」 「え? だってアイリス達はみんな冥王にいれてもらえるdねしょ? クレアが言ってた」 「そ、それはそうですけど……意味わかってます?」 「冥王が優しくいれてくれるって、でも痛くないってどういう意味かしらね?」 「リディアさん、ちょっとお耳を……」  ユーが耳元で説明し始めた、何を言ってるかは知らない方が身のためだろう。  その説明が進むと、リディアはどんどん顔を赤くしていった。 「……そ、その、冥王!! そ、そういう意味でいったんじゃないから、勘違い、あ、でも  勘違いじゃないけど、その……うわわぁぁぁぁんっ!」  リディアは真っ赤になって走って行ってしまった。  ……ユー、あとでちゃんとフォローしておいてくれよ? 「はい、冥王さま」  リディアを見送ってたユーがくるっと俺の方に向く。 「人気投票ミスコン、もうすぐ終わりですね。  最初はわたしだったんです、だ・か・ら! 最後もわたしにもいれてくださいね、冥王さま!」
6月2日 ・SS紹介感想感謝、ありがとうございました。  Faxiaさん(雑記さいと FiRSTRoN)  また、紹介ツイートをRT、いいねしてくださった皆様もありがとうございました。 --- ・あいりすミスティリア! SSS「素直な気持ち」 「あー、コトったらまた木の上で昼寝してる!」 「ん、ヴァレリア? どうしたの?」 「せっかく街でお祭りしてるんだからさ、一緒に遊びに行こうよ!」 「んー、めんどい〜」 「駄目だよ、コト。ちゃんとお祭りに行かないと!」 「眠い、お休み〜」 「わわ、木の上で寝ないでったらっ!」 「もぅ、コトったら寝過ぎ」 「だって眠いんだもん」 「だったら一緒に食べ歩きしよ? そうしたら眠気覚めるよ、きっと!」 「ん〜」 「……」 「ん? どったの?ヴァレリア」 「もしかしてさぁ、コトったら遠慮してない?」 「遠慮?」 「そう、このお祭りは人気投票ミスコンでしょ?」 「そうだね〜」 「もしかして、センセーにいれてもらわないように遠慮してる?」 「……なんでそう思うの?」 「ほら、コトは去年お祭りで優勝して長期出張帰りのセンセーを出迎える権利  もらったじゃない。だから遠慮してるのかなーって」 「……別に遠慮してるわけじゃ無いよ、そもそもワタシは殿堂入りしちゃってるし」 「そうだけどさー、私はコトと一緒にお祭り楽しみたいの!」 「でも」 「でもなんて関係無いの! 友達と一緒がいいの!」 「……ヴァレリア」 「わかった?」 「……うん、それじゃぁ一緒ににーさんの所へ行こ」 「え? センセーの所に」 「うん、一緒にいれてもらおう」 「え、ええっ! せんせーのいれてもらうって!?」 「そうだよ、友達と一緒……うん、いい♪」 「え、でも、いれられるのって……2人同時に……」 「ヴァレリア、ほら、早くいこ!」 「ちょ、コトっ!!」
5月31日 ・SS紹介感想感謝、ありがとうございました。  Faxiaさん(雑記さいと FiRSTRoN)  また、紹介ツイートをRT、いいねしてくださった皆様もありがとうございました。 --- ・あいりすミスティリア! SSS「譲れない願い」 「冥王様、今冥界でお祭りが行われてると聞きました」  アレキサンディアの花の事件を終えて冥界に帰る前のちょっとした問題……  まぁ、ちょっとした問題の後にアナスチガルが尋ねてきた。 「はい、お母さま。今冥界では人気投票ミスコンが行われてます!」 「まぁ、そんな忙しい時期だったのですね、お引き留めしてしまって申し訳なかったです」  いえいえ、お祭りは勝手に行ってますから 「そうなのですか?」  去年も行われてるんですけどね、そのとき俺は所用で冥界に居なかったんですよ。  それでも大丈夫だったから今も勝手に盛り上がってますよ。 「そうでしたか、それを聞いて安心しました」  種子集めも俺たちにとって大事な事ですし、家族が困ってるときはお互い様です。 「旦那さま……」 「ふふっ、ありがとうございます冥王様」 「冥王様、そのお祭り……人気投票ミスコンにはわたくしたちも参加出来るのでしょうか?」  あー、えっとシステム的には大丈夫じゃないかな? あ、でも投票システムが  冥界にしかないから無理、かな? 「そうですか、残念です。わたくしが参加できたら冥王様に、いれてもらえたのかもしれないのに」 「え……お母様?」 「ふふっ、冥王様は先ほどわたくしたちも妻って仰ってくださったじゃないですか」 「そんなこと言ってません!! 旦那さまは私の旦那さまですっ!」 「そうはいっても、セシル、貴女はいれてもらえたの?」 「え? それは、その……」 「なら、わたくしにもまだチャンスはありますね」 「お母さまっ! うぅ……だ、旦那さまっ!!」  はいっ! 「その……私にも……い……いれてください!!」 「あらまぁ、セシルったらそんな大声で、大胆ね」 「え、え!?」  今の大声で周りの視線がセシルに集まってしまった。 「……は、恥ずかしいです」  その場で蹲ってしまった。  ふぅ、アナスチガルさん、少しからかいすぎでは? 「娘の幸せを応援しただけですよ?」  そう言って微笑むアナスチガルさんの顔は、母親のものだった。 「でも、わたくしだってまだまだですわよ、冥王様。それとも娘にならってお呼びしましょうか?  だ・ん・な・さ・ま?」 「あーーーっ、お母さまっ!! 旦那さまを旦那さまって呼んでよいのは私だけです!!」 「ふふっ、なら頑張りなさい」 「え? は、はいっ!」 「それじゃぁ娘のことをお願いしますね、旦那さま♪」 「お母さまっ!!」
5月27日 ・SS紹介感想感謝、ありがとうございました。  Faxiaさん(雑記さいと FiRSTRoN)  また、紹介ツイートをRT、いいねしてくださった皆様もありがとうございました。 --- ・あいりすミスティリア! SSS「愛しい少女ひとのために」  午後の訓練を終えたアイリス達は自由に過ごしている。  俺はと言うと食堂でラディスとお茶を飲んでいた。 「ふぅ〜、今日もきっつかったな〜」  この先種子集めは厳しくなっていくだろう、そのためにベアは心を鬼にして  アイリス達を鍛えている……多分。 「あら、ラディス。ここに居たのね」 「んー? エル。なんかよう?」 「用事があると言えばあるし、無いと言えば無いかもしれないわね」 「なんだそりゃ」  謎かけのようなやりとりをしながらエルミナも椅子に座る。 「ところで冥王様さま。お願いがあるのですけれども……」  そう言って上目遣いでのぞき込んでくる。  ……お願いってなんだ? 「はい、実はですね……」  エルミナは一度お茶を口につけ、それで潤してから話を続ける。 「ラディスにいれて欲しいんです」 「ぶほっ!」  ……突然お茶を噴き出したラディス、おもいっきり俺の顔にかかった。 「ラディス? それは冥王さまにとってのご褒美か何かですか?」 「そんなわけあるかーっ!! ていうか、いきなり何をいいだすんだー!!」  俺も同意見だな、と口に出しつつ顔をナプキンで拭く。 「いえ、私は冥王さまがラディスに優しく入れてくださるところを見たいんです」 「エルミナの頭がとうとう壊れた!?」 「失礼な、私は正常ですよ?」 「おかしくなった人はたいていそういうもんだって!」 「もぅ、じゃぁちゃんと説明しますね」  最初からそうして欲しい、と思う。 「はぁはぁ、叫びすぎて喉が痛い」  ラディスは飲みかけのお茶を口につける。  あ、それは悪手…… 「私は、ラディスがいれられて可愛い顔をスケッチしたいんです」 「ぶはっ!!」  ……わかってたのに避けられなかった。 「エル!!」 「冥王さまがそっといれて投票してくれて、それでラディスの顔が少しずつとろけるように  嬉しそうに笑顔になっていく、そんな姿がみたいだけです」 「いい加減にしろこのロリ画伯エルミナ!!」 「あぁ、そのときを迎えたラディスのとろけるような顔を想像するだけで……私も」 「叫び猛れ鳴神っ!!」  大きな雷が落ちた。 「危ないじゃ無いですか、ラディス」 「いや、危ないで済むような魔術じゃなかったんだけど」 「それは愛の力です」  ……うさんくさい、とは言えないのがエルミナなんだよなぁ。 「とにかく、もうこの話はお終い!!」  ラディスは足早に去って行った。 「ふふっ、照れるラディスも可愛い♪」  からかうのはほどほどにな、エルミナ。 「あら、止めろとは言わないのですか?」  だって反応が面白いじゃないか。 「もう、冥王さまもワルですねぇ」  お主もワルよな 「ふふっ あ、そうそう、お願いを言い忘れてましたわ」  ラディスにっていう話じゃなくてか? 「はい、冥王さまのお力体力のおかげで1日に2人相手が出来る訳じゃ無いですか。  だ・か・ら」  くるっと俺の方に向くエルミナ。 「私にもいれてくださっても良いのですよ?」  そういって微笑んだ。
5月26日 ・SS紹介感想感謝、ありがとうございました。  Faxiaさん(雑記さいと FiRSTRoN)  また、紹介ツイートをRT、いいねしてくださった皆様もありがとうございました。 --- ・あいりすミスティリア! SSS「誰がために」 「去年もそうでしたですけど、ちょっとしたお祭りですわね」 「ボクはこういう雰囲気って好きですよ」  パルヴィン姉妹に誘われて冥界の街中まで買い物に来ている。  少し浮ついた空気、それはルージェニアが言うとおり、お祭りの空気だ。  何のお祭りかと言えば、アイリス達の人気投票ミスコンだ。 「そういえば冥王さんは去年のこのとき居なかったんですよね」  去年も行われたこの祭りの時期、俺はどうしても外せない事情で長期間冥界を離れていた。  帰って来た時はすでに祭りは終わっていた。  祭り自体は別に悪いことじゃないけど、順位付けはどうかと思ったのだが  「ご主人様がいらっしゃらない間のアイリス達のモチベーションの維持」  というベアの説明に俺は何も言い返せなかった。 「今年は冥王もいるし、楽しいお祭りになりそうですわ」 「そうだね、みんなも楽しそうだし」  言われて街中を見てみると、みんないつもより楽しそうに見える。  そう言う意味では定期的に祭りを開いてもいいかな、と思える。 「ところで冥王もこのお祭りに参加されるわよね?」  去年は居なくて参加出来なかったけど…… 「なら、冥王は誰に……のかしら?」  えっと、良く聞こえなかったけど。 「もぅ、冥王ったら酷いわね。女の子からそれを言わせるだなんて……」 「お姉様?」 「……冥王……私に、いれて……ほしいのですわ」 「ちょっ!、お姉さま、突然何てことを!?」 「何って、冥王に私にいれてもらうように言っただけよ」 「いれてって……そんなことを往来のど真ん中で……」 「あら、プリシラは頼むのが恥ずかしいのかしら?」 「当たり前です!! 冥王さんにいれてだなんて」 「ちゃんと言えたじゃない、プリシラ」 「ーーーーーっ!!」 「ふふっ、プリシラは照れ屋さんですわね」 「そーゆーもんだいじゃないっ!! あー、もうっ!!」 「それで冥王は、私に……いれてくださるのかしら?」 「こうなったら冥王さん、ボクにもちゃんと……その……いれて……ください」 「冥王!」 「冥王さん!」  ……一度に一人いしか入れられないからな、順番にな。 「「はい!」」 「こんなこともあろうかと、ご主人様だけ1日に2人に入れられるようにしておきました。  これで私は毎日ご主人様に入れてもらえるわけです!」  ベアの気の利いた俺だけの仕様は、このお祭りの間、毎日頭を悩ませる事となった。
5月13日 ・SS紹介感想感謝、ありがとうございました。  Faxiaさん(雑記さいと FiRSTRoN)  また、紹介ツイートをRT、いいねしてくださった皆様もありがとうございました。 --- ・あいりすミスティリア! SSS「成長した姿……?」  クルチャの誕生日のイベントとして、模擬戦をする事になった。  何故模擬戦? と思うこともあるけど、アイリス達が来てからの冥界ではこれが  当たり前になってしまったのだ。  まぁ、俺も思うところあるけど、アイリス達の成長を見れるのは良いことだと思う。  成長を見れれば…… 「……ウサギ。なんで前に立ってるんだ?」  自称クルチャ四天王を名乗る騎士を引き連れてのクルチャは、何故か中央で前に、前衛の  立つ場所にいた。  その配置に、他のアイリス達も頭を抱えていた。 「ラディスちゃん! ウサギって呼ぶの止めてよって何度もいってるじゃない。  クルちゃんにはクルちゃんって言う……」 「あー、わかったわかった、だからさ、なんで前に立ってるんだ?」 「そんなの当たり前じゃないですか!」 「……一応聞くけど、当たり前の理由は?」 「それはもちろん、クルちゃんはアイドルでセンターポジションだからですっ!」 「言い切った!? そこまでダメウサギだった!!」 「違うよラディスちゃん、クルちゃんはダメウサギじゃなくてアイドルヒーラーだよ!」 「だから、そのアイドルヒーラーがなんで前衛に?」 「アイドルはセンターで舞台の一番前に立つからだよ!」 「……ねぇ、めーおー。頭痛くなってきたから帰っていい?」 「え? じゃぁラディスちゃんの頭痛をクルちゃんが歌って治して上げる♪」 「あー、もう、こーなったらとっとと終わらせる!」  ラディスは杖を構える。 「ラディス、こういうときはね……」  俺は耳打ちをする。 「わかった、そこの残念ウサギ!」 「残念って言わないでよ!」 「前に出てこなければやられなかったのにな、ほんと残念残念」 「ラディスちゃん!? その笑顔はなに!? ってかラディスちゃん相手だと前衛でも後衛でも  同じように魔術とんでくるよね!?」 「大丈夫、手加減するから、それじゃぁいっくよー、大魔術!」 「ラディスちゃん、言ってることがおかしくない!?」  誕生日を祝いつつも、成長した姿を見せてくれるアイリスとの模擬戦。  成長した姿…… 「冥王さまー、たたたすけてくださいーーーっ!」  ……きっと次の時は成長してると思う、そういうことにしておくことにした。
5月10日 ・SS紹介感想感謝、ありがとうございました。  Faxiaさん(雑記さいと FiRSTRoN)  また、紹介ツイートをRT、いいねしてくださった皆様もありがとうございました。 --- ・sincerely yours short story「earlystory 癖」 「おかーさーん、暑いよー」  ベットの上でリリアちゃんが可愛く文句を言ってきた。 「もっと涼しくしよーよー」 「これでも適温なんだけど……だからっていってこれ以上下げると風邪ひいちゃうわよ?」 「風邪ひく前に自動で温度戻せばいいじゃん」  確かに温度や湿度は部屋の中の人の体調を感知して最適にするシステムはある、けど。 「リリアちゃん、小さい頃にちゃんと汗をかくって事をしないとね、将来大変なことに  なっちゃうのよ」 「そうなの?」 「えぇ、大人になって変な病気になるのは嫌でしょう?」 「嫌」 「だからね、汗をかかない環境だけで過ごすとだめなの、だから少しくらいは我慢しましょう? 「でも暑くて寝られないよ?」 「んー……仕方が無いかしらね、ちゃんとタオルケットを掛けて寝るならパジャマのボタンは  外しても良いわよ」 「うん、わかった」  リリアちゃんは小さな手でパジャマのボタンを少し外した。 「すごい、おかーさん。涼しくなったー」 「寝れそう?」 「うん、大丈夫」 「それじゃぁ寝ましょう、電気消すわね」 「お休みなさい、おかーさん」 「お休み、リリアちゃん」  ・  ・  ・ 「でね、朝起きたらリリアちゃんったらパジャマ全部脱いでタオルケットにくるまってたのよ。  その姿がもう、とーっても可愛くて天使みたいだったの♪」  シンシアとリリアの昔話、いや、未来の話? それを聞きながらお茶を飲む。 「小さい内にちゃんと汗をかいたからかな、汗をかかない病気にはならなくて一安心よ」 「それは良かった」 「でもねー、そのときの癖っていうのかしらねー」 「癖?」 「そう、リリアちゃんは寝てるとき寝苦しいと、来ている服を脱いじゃうのよ」 「……」 「一応矯正はしようとしたのよ? でもなんかそういうのって可愛いなぁって思っちゃって、本気で  矯正出来なかったの♪」 「……お母さん」  さっきまで子供のことの話を聞かされて恥ずかしがってたリリアが、いつもより低い声でシンシアに  話しかける。 「なに、リリアちゃん」 「なんで、ちゃんと矯正してくれなかったの!!」 「えー、だって裸で寝てるリリアちゃんって可愛くて天使だったんですもの♪」 「そーゆー問題じゃないでしょ!!」 「私はこれでもちゃんと矯正しようとしたわよ? でも最終的に癖が治らなかったのは私のせいかしら?」 「そ、それは……」 「それに、今からだって治そうと思えば治せるわよ? 簡単に脱げないパジャマとか、寝袋とか」 「そ、それは寝苦しそうだから嫌、かな……」 「良いじゃない、別に誰にも迷惑かけてないんだし、それどころか私も達哉も役得よね♪」 「え、お父さん?」 「俺は見てないぞ?」 「そうそう、今朝の達哉は慌てて首を逸らしてたわね♪」 「……お父さんのえっち」  何をどう話しても言い訳にしかなりそうになかった。
5月8日 ・SS紹介感想感謝、ありがとうございました。  Faxiaさん(雑記さいと FiRSTRoN)  また、紹介ツイートをRT、いいねしてくださった皆様もありがとうございました。 --- ・あいりすミスティリア! SSS「なんでもできる?」  帝国との戦いの後、冥界でラディスにあの時のことを聞かれた。 「ねーねー、めいおー。あのクリスの魔術っていったい何なの?  あのときは聞けなかったんだけど、めーおーならわかるよね?」 「ラディス、魔術っていっても色々あるのはわかるよね?」 「もちろんわかってるよ? あたしの使う魔術と似たような魔術を使う術士もいるしね」  その通り、同じ魔術でも微妙に違ってたりする。  ラディスの雷術と帝国魔術師が使った雷術は似てるけど違う魔術だ。 「だから、あの魔術はクリスが生み出した魔術だよ」 「へー、あの聖神官やるじゃん」 「似たような魔術は過去にもあったけどね」 「あったの?」 「俺も聞いたことしか無いんだけどね」  実際には過去ではなく、他の世界での魔術、に近い術なんだけどな。 「それってどんな魔術?」 「その世界での名前は伝わってないけど「なんでもできる」っていう名前の煉瓦を生み出す魔術だよ」 「へ? なんでもできるgrammatica?」  ちょっ!? わざと誤魔化したのになんで名前しってるの?  ま、まぁ、ラテン語での発言だからおとなのじじょー的に大丈夫……だよな? 「めーおー?」 「あ、いや、なんでもない。大丈夫そうだから続けるか」 「?」 「あの魔術は生み出す煉瓦に好きな効果を付与して、どんなことにも対応できると伝わっている」 「それじゃぁ無敵じゃない?」 「そうでも無いんだよ、この魔術を使う度に、どんな効果を付与するか魔術に  組み込まなくちゃいけないから、その対応を間違えると全然使えなくなるんだよ」 「それでもあのときのクリスが生み出した大聖堂はすごかったじゃん?」 「あのときの堕神官の祈りは、ご主人様への邪念だけで生み出されたからです、ラディス」  いつの間にか現れたベアが説明を引き継いだ。 「いや、邪念だけであの魔術って、クリスっていったい……」 「ベアの言うとおり、だからあの大聖堂は俺への信仰、つまり冥界との門としてしか使えない」 「だからめーおーもあんな魔術つかえたのか」  そう言うこと。 「それじゃぁクリスに毎回門を作ってもらえばめーおーって無敵じゃん?」 「その必要はありません」 「え、なんで?」 「そんなこともわからないんですか……それでも貴方はちびっこ魔術師なんですか?」 「ちびだけは余計だっちゅーの!!」 「まぁまぁ、でもベアの言うことは間違ってない」 「どうして? めーおーが強い方が種子熱めも楽じゃん?」 「それはですね、ご主人様が人間界での出来事はそこに住む人が解決するのが良いとご判断  されてるからです」 「そーいえばそうだっけ」 「種子が関係してるからこそご主人様は人間界へ行かれるのであって、力を見せるのが目的ではありません」 「そっかぁ、それじゃぁまだまだあたしたちが頑張らないといけないんだよね」 「えぇ、その通りです」 「これからも頼む、ラディス、ベア」 「オッケー! めーおーが期待してるならちゃんと答えないとね!」 「かしこまいりました、ご主人様、このベアトリーチェ、魂にかけて期待にお答えして見せます!」    あのとき放った最奥の冷気コキュートスで最近役立たずで何も出来なかった  というストレスを発散できた事は言わないでおこう、うん。  その後のクリスはと言うと…… 「あぁ、冥王様……」 「クリス先輩、またピンク色の煉瓦が!! このままだとまたラブリーショコラの塔が立っちゃいます!」 「あぁ、邪念撲滅邪念撲滅!」  クリスが邪念撲滅という度に、ピンク色の煉瓦がどんどん積み上がっていく。 「ねぇ、めーおー。あれ、本当に何でも出来るの?」 「使い手が成長すれば……多分」  そんなときが来ればいいなぁ、と思うことにした。
5月5日 ・sincerely yours short story「とし」 「ふぁぁぁぁ〜」  旅行先の宿に来て、いつもの散歩を終えたわたしはお母さんと一緒に温泉に来ている。  一足先に身体を洗い終えたお母さんは湯船に入っていた。 「……」 「……?」  いつもならご機嫌になるお母さんが湯船の中で静かにしている。 「お母さん、どうしたの? だいじょうぶ?」 「リリアちゃん、そこはおっぱいもむ? って言う所よ?」 「……おかしいけど、どこもおかしくない、か」 「リリアちゃん!? 今なんか酷い事言わなかった?」  反論するお母さんの声を聞き流しながら、わたしも湯船に入る。 「ん〜、気持ち良い〜♪」 「……」 「お母さん?」  また黙り込んだお母さん、おかしいのはいつものことだけど、やっぱりおかしい。 「ねぇ、リリアちゃん」 「な、なに?」  急に真面目な顔をして、わたしを見るお母さん。 「お母さんね、もう駄目かもしれない」 「……はい?」  突然変なことを言い出すお母さん。  ……まぁ、突然変なこと言うのはいつものことだけど。 「いつまでも若いつもりだったんだけど……温泉はいって最初にあんな声だすなんて……  もう歳なのかしらね」 「……」  何を言う出すか緊張してしまったけど、なんか緊張して損をした気分。 「私もリリアちゃん見たいに、んー、気持ち良い♪、って言えれば良かったのに……くすん」 「……今から言えばいいんじゃない?」 「そっか、やり直せば良いんだ! さっすがリリアちゃんね♪」  そう言ってその場で立ち上がるお母さん。 「……」  お母さんの年齢、考えるだけでツッコミがあるので考えないとしても 「私は永遠の1*歳よ?」 「だから、危険なネタは止めてって!!」  いつものツッコミをいれつつも、わたしはお母さんの身体から目を離せない。  間違いなくわたしを産んだお母さんなのだけど、その見た目は姉妹っていっても通じるくらい若い。  張り艶のある肌、一児の母とは思えない腰のくびれ、大きい胸とお尻。 「……」  なんで遺伝しなかったんだろうなぁ…… 「よっこいしょっと……あ」 「……」  お母さんが改めて湯船に身体を沈めようとして思わず出た言葉。 「……ンー、キモチイイ♪」 「お母さん、言葉がカタコトになってる」 「……ぐすっ」  お母さんは涙目になっていた。 「もう一度、やり直す?」 「……うん」  見た目だけは姉なんだけどなぁ……  それ以上は考えないことにした。
2月22日 ・春を探しに    先日より河津に散歩に行ってきました。  今年はタイミング良く、「見所」宣言がだされた翌日に行く事ができました。  当日の河津桜は8分咲き、ほぼ満開です(^^)    若干天気が悪かったものの、綺麗な桜でした。    河津桜の原木は満開を少し超えた時期でした。  今回も人手が多く、撮影した写真の中に散歩客がかなり映り込んでしまってて(^^;  サイトには厳選した写真しか掲載できませんでした。人でばかりは、ね(汗)
2月1日 ・SS紹介感想感謝、ありがとうございました。  Faxiaさん(雑記さいと FiRSTRoN)  また、紹介ツイートをRT、いいねしてくださった皆様もありがとうございました。 --- ・あいりすミスティリア! SSS「必殺技」 「ねぇめーおーってさ、世界樹が燃える前はすっごく信仰されてたよね?  そのときは地上でも強かったんだよね?」  あぁ、冥界とほぼ同じ力が使えたよ。 「そっかぁ、一度めーおーの本気って見てみたかったんだけど、冥界でなら見れる?」  色々と条件があるけどな。 「条件?」  あぁ、だって必殺技は簡単には放てるものではないだろう? 「そっか、そうだよね。で、条件って何?」  そうだな……一つは変身すれば使えるようになる。 「え、変身? 悪魔っぽくなるとか?」  制服姿になる。 「……はい?」  必殺技専用の制服姿になる。 「嫌な予感しかしないけどさ、真理の為に聞くね。……どんな制服になるの?」  海兵さんの制服だよ。 「思ってたより真面目だった!?」  よし、久しぶりに変身してみるか。  プルートプラネットパワーメイク…… 「わーわー、それはやばいからやめてーーーっ! 迅雷よ、光の檻となれ!!」  ・  ・  ・  いきなり雷落とすのは酷くないかい? 「いや、その変身はすっごく危険な気がするから」  そっか、変身しないと使えない技だったから見せられないのが残念だよ。  破滅喘鳴っていう魔術なんだけどな。 「……全力で止めて正解だったかも」 「はぁ、で一応聞くけどこれ以上危険なのは無いよね?」  危険かどうかはわからないけど、変身しなくても使える術はあるよ。 「それって大丈夫なの?」  問題が一つある。 「欠点じゃなくて問題?」  欠点っていえば欠点かな、この魔術は気力が上がらないと使えないんだ。 「気力?」  魔術を撃つのにある程度のテンションが必要ってこと。 「気合いで魔術を撃つめーおーっていったい……」  まぁまぁ、試してみるか? というわけでラディス。 「ん、なに?」  もう一度俺に雷を落としてくれ。 「へ?」  大丈夫、俺のテンション上げるためだけだから、どうせラディスの魔術じゃ俺は  倒せないし。 「カッチーン! 言ったな? なら今は封印してる最大級の魔術で行くからね!」  ばっちこい! 「来たりて滅ぼせ、界雷の王!!」 「これならどう?」 「……雷の力が天と互角だと? 愚かな」 「え、めーおー?」 「フハハハハッ、冥王の力を解放する!」 「ちょ、その異常なほどの魔力は、やばいって!」 「塵一つ残さず、消滅させてやる。冥王の力の前に、消え去るが……」 「別な意味でやばいからやめーっ!愚かなる者に、誅罰の雷を!!」  ・  ・  ・  酷いな、せっかくテンションあげてのってきた所なのに。 「あれはやばいから、魔術の効果以前に、いろいろとやばいから!」  そう? 残念。 「……疲れた。とりあえずめーおーはめーおーのままで良いって事がよく解ったよ」  褒めるなよ、照れるじゃないか。 「褒めてないからね!?」
1月26日 ・FORTUNE ARTERIAL SSS”汎用?” 「やぁ、生徒会の諸君。元気かい?」  きらりと歯を輝かせて部屋に入ってきたのは引退した元生徒会長だった。 「伊織先輩、こんにちは」 「こんにちは、白ちゃん」  挨拶しながら元会長は、自然に会長の席に座る。 「なんか既視感が」 「どうしたんだい、支倉君」 「……いえ、それよりもそこは瑛里華の席ですけど?」 「なに、ばれなければ問題ないさ」 「伊織先輩、お茶をどうぞ」 「ありがとう、白ちゃん」 「ふぅ、一仕事した後のお茶は美味しいね〜」 「……今回は何をしでかしたんですか?」 「支倉君、俺はいつも何かをしでかしてるわけじゃないんだよ?  今日はね……敵対勢力の一掃さ」 「敵対勢力?」 「あぁ、赤い奴と青い奴さ」 「?」  白ちゃんは不思議そうな顔をしてるが、俺は何を意味するかわかった。  というか、わかってしまった。 「先輩、後でどうなってもしらないですよ?」 「大丈夫さ支倉君。過去2度に渡って失敗したのは東儀の技術力あっての物。  それを壊してしまえば今の瑛里華はただの人さ」 「……」  一応欠片を取り込んでいる俺たちはただの人じゃないんだけど、完全な珠を取り込んでる  伊織先輩には敵わないとは思う、のだけど。 「なんとなく、結果は見えてる気がするんだよな」 「さっすが孝平、わかってるじゃない♪」  扉を開けて瑛里華が入って来た。 「兄さん、ずいぶん余裕がありそうね」 「そりゃそうさ、今回は下準備をしっかりとしてきたのだからね」  そう言いながら会長席の引き出しの中を覗く先輩。 「赤いのは移動力が早い奴、青い奴は河や泉の中専用だろう、その2機共に動かせないなら  俺に敵はないだろう? ……あれ?」  上機嫌に話しながら引き出しを漁っていた伊織先輩が困惑の表情となる。 「ここにあるはずの承認の印が……」 「それはコレの事かしら?」 「なにっ!?」  瑛里華が制服のポケットから出したのは会長承認印。 「くっ、まさかアレを持ち歩いていただなんて」 「それで、兄さん。今回は何を企んだのかしら?」 「ふっ、こうなったら承認なしにイベントを開いてしまおう!! とおっ!」  伊織先輩は会長席の後ろにある窓から飛び降りた。 「相変わらず無茶するなぁ、伊織先輩は。瑛里華、どうする……あれ?」  振り向くと瑛里華はもうそこにはいなかった。 「支倉先輩、瑛里華先輩ならすぐに出て行きました」 「そ、そう……一応俺も行ってくるね」 「はい、お気をつけて、支倉先輩」  伊織先輩は裏山の、今回は林の方へと逃げていく。 「ふははははっ、赤いのは大型だから林の中には入って来れまい、青いのは陸上での  運動性は無い! 今回は俺の勝ちだな、瑛里華!」 「それはどうかしらね?」   「なん……だと!?」  伊織先輩の逃げようとした林の中から、何かが現れた。    それは、今までのとは違った無骨な雰囲気を持つ、何か。  後ろの方に見える配管? から蒸気を時折吹き出していた。 「ちょ、瑛里華、それなに!? なんか作りがいきなり大正っぽくなってるんだけど!?」 「空専用HALユニット、水中専用カプルユニットに続く、陸戦汎用ユニット、HAROユニットよ!」 「いつのまに!?」 「流石征一郎さんよね、そろそろ兄さんが何かを仕掛けてくる頃だろうからって、ちゃんと  対抗策を用意しておいてくれたんだから」 「ちょっ、征っ!?」 「そうそう、兄さん。今回のはね、空専用、水中専用と続く、陸戦汎用なの」 「そ、それで?」 「汎用って名前が初めてついたのよ、ほら、手がちゃんとあるでしょう?」  その手が何かのスイッチを入れた。   「だからね、こうして剣ももてるのよ♪」 「ちょ、ラOトセイバー!?」 「流石に重火器だと周りの被害が大きいから、今回は剣にしてみたの」 「や、どっちにしろ被害が大きくなると、お兄ちゃんは思うんだけどなぁ……特に俺自身の」 「ふふふっ」 「ははっ……」   「覚悟はいいかしら、兄さん♪」 「瑛里華先輩、お茶です」 「ありがと、白」  白ちゃんからお茶を瑛里華はいつものように優雅に飲む。   「ふぅ、一仕事終えた後のお茶は最高よね」  ついさっき同じ台詞を聞いた気がする。 「さて、ちょっと遅くなっちゃったけど、今日の仕事を始めましょう!」 「はい、瑛里華先輩」 「……」 「どうしたの、孝平?」 「いや、なんでもない。仕事始めようか」  俺は心の中でそっと冥福を祈った。
1月10日 ・今日のおでかけ    雪の山と、雪の樹と、リリアちゃん
1月6日    新年明けましておめでとうございます。  本年もよろしくお願い致しますです。
過去ログはこちら