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時の棲む森
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6月12日

・sincerely yours short story「秘跡」

「あのね、大事な話があるの」
 食事中にお母さんが突然真面目な顔をして話し出した。

「実はね、私……異世界に召喚されちゃたの」
「お母さん、頭大丈夫?」
「リリアちゃん!? 間髪入れずにそのツッコミは酷すぎない?」
「いきなり真面目な顔をして変なことを言うと心配になっちゃうでしょう?」
「えー?」
「じゃぁ、わたしが異世界に召喚されて帰ってきたって言ったらお母さんどう思う?」
「だいじょうぶ? おっぱいもむ?」
「おっ…… じゃなくて、どーしてそうなるの!!」
 本当にどう考えたらお……胸の話になるのよ!

「まぁまぁ、シンシアもリリアちゃんも落ち着いて」
「お父さんはどうしてそんなに落ち着いてられるの!」
「そりゃ、シンシアを信じてるしな」
「流石達哉。愛を感じるわ♪」
「それに今ここに居るってことはちゃんと帰って来れたんだろう?
 居なくなったままなら心配だけど、今ここに居る、それで充分だよ」
「……お父さんってすごいよね」
「そうか?」
「うん、お母さんと違って」
「リリアちゃん酷く無い!?」

「で、お母さんは異世界に行って大丈夫だったの?」
 異世界転生、この場合は召喚だったかな、どっちにしろお母さんが異世界に行って
 何事も無かったなんて考えられない。
「剣と魔法の世界だったけど、大丈夫だったわよ。私には科学技術があるもの」
「それって全然大丈夫じゃないような気がするんだけど……」
「リリアちゃん、知ってるよね? 発展した科学って魔法と大差ないって事を」
「そうかもしれないけど、それって今回関係ある?」
「実際大丈夫だったもの、ちょっとした重力技術や転移技術の応用でなんとかなったもの」
「それでなんとかなるのはお母さんとフィアッカお姉ちゃんくらいだと思う……」

「それでお母さん、このお話のオチは?」
「オチって何!? リリアちゃんお母さんの事どう思ってるの?」
「言って良い?」
「ごめんなさい、落ち込みそうだから言わないで……」
「落ち込んだ事を理由にお父さんに甘えると思ったんだけど」
「馬鹿にしないで、落ち込まなくたって達哉には甘えてるんだから!!」
「……はぁ」


10月17日 ・sincerely yours short story「自由とは?」 「温泉おんせ〜ん♪」  お母さんはご機嫌にきている浴衣を脱いでいく。 「ほら、リリアちゃんも早く早く♪」 「急がなくたって温泉は逃げないって」 「温泉は逃げないけど、温泉に入れる時間は逃げていくんだよ?」  そう言ってわたしの手を引くお母さん。  色々あって久しぶりの温泉旅行は山間の旅館に泊まることになった。  残念ながら雨が降っていて散歩が出来ないから、夕ご飯の時間までは暇がかなりできてしまった。 「ん〜、久しぶりの温泉、きっもちいい〜♪」 「……そうだね」  お母さんの影響もあって、わたしも温泉は好き。だけど。 「ねぇ、お母さん。なんで屋根の無い所にいるの?」  四方を壁に囲まれてる露天風呂、見られないようにするのは当たり前だけど、景色は全く無いに等しい。  その露天風呂でお母さんはわざと屋根の無い所にはいって雨に打たれていた。 「えー、だってこうすれば空が見えるじゃない?」  浴槽に背中を預けて上を向くお母さん。  形の良い胸がお湯から出てくる。 「ちょっと、お母さん。見えちゃってるって」 「別に大丈夫よ、見てるのリリアちゃんだけじゃない?」 「それはそうだけど……じゃなくって、屋根の下に入らないと雨で濡れちゃうでしょう?」  豪雨じゃない、小雨程度なのでそんなに濡れるのは気にならないかもしれないけど。 「ねぇ、リリアちゃん」  突然こちらを向いて背筋を伸ばしたお母さん。 「……何?」 「雨の中、傘を差さずに温泉に入ったって良い、それが自由、っていうことよ!」 「……」  なぜか良い事言った、みたいなドヤ顔になってるお母さん。 「まぁ、お母さんだし」 「ちょっとリリアちゃん、何その納得の仕方は?」 「だって、お母さんだし」 「う゛……リリアちゃんがいぢめる」 「それはいいから、あまり長湯してのぼせないでよね?」  わたしは半身浴に切り替えてるけど、お母さんは肩までしっかり浸かっている。 「ん、りょーかい♪」
7月6日  こっそりたまーに更新。 --- ・sincerely yours short story「月はいつでもそこにある」 「荒野ばかりの月も、38万キロ離れたところから見ると……きれいね。  っていう台詞は格好良いわよね♪」 「格好良いっていわれても、わたしは地球生まれだから実感ないんだけど」  旅先の宿、真夜中に起こされてお母さんに付き合わされたのは宿の大浴場。 「ねぇねぇ、リリアちゃん。月がとってもきれいよ?」 「……」 「だから、一緒にお月見しよ♪」 「だからって露天風呂に来る事無かったと思うんだけど」 「だって、外に出るのは面倒だし、部屋だと寝てる達哉に迷惑かけちゃうし」 「寝ていた娘には迷惑かけてると思うんだけど」 「ほら、そこは私とリリアちゃんの仲じゃない♪」 「……はぁ」  お母さんに何いっても無駄だと思う、だって久しぶりの温泉旅行だし浮かれてるんだから。  もっとも、わたしも家族旅行は楽しみにしてたから同じなのかもしれない。 「んー♪」  思いっきり伸びをするお母さん、その胸がお湯から出てきて浮かぶ。 「……」 「ん? どうしたの?」 「なんでもない」 「そう? それよりもほら」  お母さんが言う、その先には。 「月が綺麗ね」  夜空に浮かぶ月、その月明かりが海を照らしている。 「……うん、そうだね」  見上げれば月はそこにある。当たり前の事。  だけど、こうしてみる環境が違えば、その輝きも美しさも違う気がする。  温泉に入りながら、その光景を見せてくれたお母さんには感謝、した方がいいかな? 「もぅ、だめじゃない、リリアちゃん」 「え?」 「月が綺麗ですね、っていう時はちゃんとこう答えないと。  あなたと見る月だからでしょうね、とか、今なら手を伸ばせば届くかも。とか」 「……この場合、手が届かないからこそ綺麗なんです、って答えれば良かった?」 「がーんっ!」  お母さんがショックを受けた顔をする。 「そんな……私、リリアちゃんに振られちゃった、しくしくしくしく。達哉に慰めてもらわないと」 「はいはい、今は真夜中なんだから、朝になってからにしてね」 「はぁい」 「でも、手が届かない場所じゃないんだよね、月って」 「そうね、この時代になって、今の女王が即位してから月と地球の関係は一気に親密になって、  簡単に月旅行ができる時代になっていくのですものね」 「そうなったら、お母さんは一度月に戻る?」 「……そうね、家族揃って里帰りもいいかもしれないわね」  月を見上げるお母さんの顔は、少し寂しそうに見えた。 「月に戻ったら、地球の重力に魂を惹かれた者よ、って言おうかしら?」  寂しそうに見えたのはきっと見間違えだろう、とわたしは思った。
6月16日  遅刻もここまで来るともはや遅刻のレベルではないですね(汗) --- ・sincerely yours short story「永遠の誕生日」 「誕生日おめでとう、シンシア」 「ありがとう、達哉♪」  お母さんの誕生日の日の夜、フィアッカお姉ちゃんとリースお姉ちゃんを招待しての  朝霧家での誕生パーティー。 「せーのっ、ふーっ!」  お母さんがおもいっきり息を吹きかけて、ケーキのろうそくを消す。  その数、17本。 「それじゃぁ食べようか」 「うん♪」  お父さんがお母さんの為に作った料理を取り、食べ始める。 「……ねぇ、フィアッカお姉ちゃん」 「どうした、リア」 「あのね、こういうおめでたい席ではやっぱり指摘ってしない方がいいのかなぁ?」 「指摘すると、色々と危険な発言につながりそうだが、それでもしたいと思うか?」 「……やめておいた方がいい、よね?」 「賢明だよ、リア」  手に持ったオレンジジュースに口をつけて喉を潤す。 「まぁ、別に良いじゃないか? お祝いの日なのだからな。それにな……」  そう言ってフィアッカお姉ちゃんが向いた先、お父さんとお母さんは 「達哉、あーん♪」 「……」  新婚夫婦みたいな事になっていた。 「だいじょうぶ、フィアッカ様も永遠の・・歳だから」 「……」  フィアッカお姉ちゃん、リースお姉ちゃんのその一言にものすごい衝撃を受けたみたいで  かまっていた。 「ねぇねぇ、リリアちゃん。教祖様の娘さんがこの前成人したんだって、でも永遠の17歳なのよ」 「今その話必要!? ってか、お母さん女神さまなんでしょう? 教祖って!?」
5月30日  時はいつでもそこにある、時の棲む森です(汗)  ツイートでクロシェット様の作品「カミカゼ☆エクスプローラー!」が先日10周年を迎えたと  言うおめでたいお話をみました。  せっかくなので、10年前から毎年参加してた即売会で頒布してた同人誌の3部作分すべての  テキストデータを限定公開することにしました。  と、いっても第1話はすでに公開してたんですけどね(^^;  いちおー、続き物なので(^^;上から順番に読み進めて頂ければ幸いです。 ・・カミカゼ☆エクスプローラー aftershortstory            おっぱい☆エクスプローラー!・カミカゼ☆エクスプローラー aftershortstory            おっぱい☆エクスプローラー!セカンド・カミカゼ☆エクスプローラー aftershortstory            おっぱい☆エクスプローラー!サード  この紹介ツイートをリツイート、いいねしてくださった皆様、読んでくださった皆様  ありがとうございましたm(_ _)m
4月28日  時の中に忘れさられてきている、時の棲む森です(^^;  穢翼のユースティア10周年記念日なので、お祝いしたいなぁと思ったのですが  絵は描けない、新作を書く余裕が無い。  と、いうわけで10年前の同人誌のデータを期間限定公開することにしました。  穢翼のユースティア aftershortstory 「愛願のユースティア」  今更ですが、クリア前提ネタバレのお話の二次創作です。  お読みになる方はその辺をご注意ください(^^;
3月9日 ・あいりすミスティリア! SSS”幻の必殺技” 「はっ、はぁぁっ!」  訓練場の方からパトリシアの気合いの入った声が聞こえてきた。  覗いてみると、訓練用のダミースライム相手にパトリシアが攻撃をしていた。 「……」  一通り攻撃を終えた後、何か考え込むように動きを止めていたパトリシアだったが  どうやら俺に気づいたようだ。 「あ、冥王様っ、こんにちは!」  こんにちは、と挨拶を返す。  それはそうと、なんだか調子良くないのか? と尋ねてみた。 「はい……最近、上手く戦えてない気がするんです」  そんなことは無いと思うけど? 「そう、なんでしょうか?」  何でそう思うんだい? 「この前の遠征の時なんですけど、みんな素早く相手を倒してるんです。  わたしが一撃与えてる間に、2度も3度も攻撃を撃ってるんです」  確かに、アシュリーやコトは素早いよね。 「魔法もクリス先輩やラディスちゃんみたいに放てないし」  まぁ、あの二人は術師タイプだもんね。 「わたしは何ができるのかなぁって……」  パトリシアにしか出来ない事があるじゃないか、忘れたのかい? 「わたしにしか出来ない事……あ」  思い出したようだね。 「はい、冥王様! 笑顔、です!。私は笑顔でいたいんです、みんなを笑顔に  させたいんです!」  そう、それこそがパトリシアの強さの一つだと俺は思うよ。 「ありがとうございます、冥王様! わたし、もっと頑張ってみます!」  ここで話が終われば良い話だったなぁ、って後で思い返せるんだろうけど。  雑談の中で冗談で俺が言った一言に、パトリシアは食いついてきた。 「そう、ですよね。わたしの拳は2つある、ならそれをもっと上手く利用すれば  いいですよね! 流石冥王様、良いアイデアをありがとうございます!」  それでは早速試してみますね、と言ったパトリシアはダミースライムを目の前にして  攻撃を始めた。 「えいっ!」  右ストレート 「やぁっ!」  左ストレート。 「これじゃぁだめ、もっと速くするには……」  試行錯誤していく内に、なんだかおかしなことになってきた。 「えぃ、やぁ、はぁっ!」  右フックを打ち抜く、その反動で流れた身体が円を描くように戻って来て左フック。 「っ! これならっ!」  左フックを撃ち抜いて、その反動を利用して戻って来て右フック。  その繰り返し。  これはあの、幻のデ…… 「これで決まりですっ!」  最後に鋭いアッパーがボディに炸裂した、と思ったらサミースライムの打撃を受けた  反対側から炸裂した。  ……えっと、パトリシア、さん? 「冥王様、ありがとうございました、上手く行きました!」  あの、最後のは何、かな? 「はい、拳に魔法を乗せてみました!」  えっと……うん、すごい、よくやった。 「ありがとうございます、冥王様、ありがとうのハグッ! ぎゅー!」  びくっ、と一瞬身体が反応したのは、決してさっきの魔力打を思い出したからでは無い。  ……と思う。
2月22日    「今年は遠くへお出かけ出来ないので、近くの桜を見に来ました♪」    「菜の花も綺麗です♪」    「水辺の桜も綺麗です、風が強くて水面の桜はみれませんでした」
12月4日 ・あいりすミスティリア!SSS「幻の奥義」 「任せなさい!」  訓練場で可愛くも勇ましい声が響く。 「見てなさいよー!」  そのかけ声をあげながら、リディアは手に持った大槌を振り回す。  その勢いもすごいが 「いいわ、やってあげる!」  攻撃が1度で終わらず、くるっともう1周し敵に二度目の大槌をお見舞いしている。 「リディアさん、サンディさんの力を完全に使いこなしてるみたいですね」  ユーの言うとおりだ。 「……」 「あれ、エルミナさん。どうしたんですか?」  俺たちと一緒にリディアの訓練を見ていたエルミナの様子がおかしい。 「あれは……あの技は……」  サンディの魔力と共に手に入れたリディアの聖装の力の事か? 「あれは幻の、龍の技!!」 「龍のって、ドラゴンの技ですか?」  ユーの質問にエルミナは答えずに、独り言のように話し続ける。 「一度目の龍の牙による攻撃、それを例え躱されても龍の爪による二段攻撃」 「別に一度目の攻撃躱されてないじゃん?」  一緒に居たラディスがいつものツッコミ。 「あの技は、奥義、あま…」 「それ以上は危険だから言うな、ロリ画伯エルミナ!!」  ラディスに物理的なツッコミが入る。 「……痛いじゃないですか、ラディス」 「世の中めーおーでも押さえきれない危険な発言ってのがあるんだから、すこしは  自重しろ!」 「えー」 「えー、じゃない!!」 「ねぇ、冥王。あの2人何してるの?」  訓練を終えて戻って来たリディアに答える。いつものことだと。 「なるほどね〜」  いつものこと、で納得されるエルミナだった。
9月13日 ・あいりすミスティリア! SSS「冥王の聖装」 「ねぇ、めーおー。あたしさ、ふと思ったんだけどさ」  なに? 「めーおーもめーおー専用聖装作ったらどう?」  ……え、俺の聖装? 「うん、その聖装着れば地上に出ても身の安全くらい自分で守れるように  なるんじゃないかなぁ、ってさ」  攻撃力は村人Aだけど、耐久力はラスボス並にあるから大丈夫だけど? 「それは知ってるけどさ、その、さ、やっぱり痛いのっていやじゃん?」  まぁ、確かに嫌だけど…… 「だからさ、せめて防御力を上げるだけの聖装でもと思って……」  ……そうだな、それもありかな。  ありがとう、ラディス。俺のこと心配してくれて。 「ち、違うって! ほら、その、戦闘になったとき守る分の戦力を攻撃にあてれば  早く殲滅できるし、そ、そう、アイリス達も安全になるし!!」  …… 「めーおー、何か言いたそうだよね?」  ……ま、それはおいといて早速デザインしてみるか。 「へ?」  善は急げっていうだろう? 防御力を上げる聖装……鎧かな。  それと冥王らしく……  出来たイメージをとりあえず形だけで仕上げてみてっと。 「めーおー、その、これって何かやばくない?  てか、なんかやばそーな物積んでそう……」  そうかな? 特殊なシステムは一つしか無いけど。 「特殊なシステムあるんかい!」  要するに地上で使えない力を冥界から門を通さずに引き出せれば良いんだよな。  名付けて時限連…… 「万雷集いて喰らい尽くせ!」  ……いきなり魔術はずるくない? 「だってそれ以上言ったら危険な気がしたんだもん」  ……なら、あえて言おう、雷の力が天と互角だと? 愚かな。 「空舞いし蒼き煌めき、其は氷神!!」  ……氷の魔術はずるくない? 「ごめん、めーおー。あたしが悪かった、だからこれからもあたしが守から  地上では後ろでじっとしてて!」  楽出来るのは良いんだけど……なんか納得いかないのは何故だろう? 「いいからいいから、ね、めーおー。これからもあたしに守らせてね♪」
8月30日 ・あいりすミスティリア! SSS”大人の女” 「はぁ−、あっつい〜、あたし暑いの苦手〜」  ヴァレリアお気に入りの洋服の胸元をあけて手で風を送っている。  健康的な胸元が眩しい。 「ねぇ、センセー。スカートこれ以上短くしちゃまずいよねー?」 「当たり前です、色ボケJK」 「あ、ベアセンセー」 「ヴァレリア、貴女はただでさえスカートが短いのです、これ以上短くしたら見えてしまうではありませんか?」 「そっかー、そうだよねー。でもセンセーになら見られても平気、だよ?」  パシッ! 「はぅっ」 「露出を増やしてご主人様を誘惑するなんて100年は早いです」 「えー、いいじゃんー」 「嘆かわしい」 「?」 「肌は隠しつつも仕草や色気で誘惑するのが大人の女というものなのに……」 「お、おとなの……ベアセンセー!」 「なんですか?」 「あたし、ベアセンセーについて行きます!! だから大人の女を教えてください!」 「……よろしい、では早速授業を始めましょう」 「はい、ベアセンセー♪」  途中から蚊帳の外に放り出された俺の所にラディスがやってきた。 「あれ、放って置いて良いの、めーおー?」  多分、何言っても無駄だと思うから…… 「そっか、めーおーも大変だねー そもそも暑いならめーおーに頼めばすぐに解決するのになー」  ・・・あ 「……めーおー? もしかして忘れてた?」  ほら、夏は暑いのが普通だし・・・ 「……」  ・・・最近村人Aが板に付いてきた冥王ですから 「……はぁ」
6月14日 ・あいりすミスティリア! SSS”永遠の……” 「あのぉ、旦那様。今日は旦那様のお部屋で……眠っても良いでしょうか?」 「セシル、ならこちらに」 「え、お母さま? なんで旦那様のお部屋に? って、なんで旦那様のクローゼットを開けるんですか?」 「あら? だってセシルはよくクローゼットで眠るではありませんか」 「確かにそうですけど……」 「それに、今夜は冥王様は私が甘やかして差し上げることになってるんです」 「……はい?」 「だからセシルはクローゼットでお休みなさい」 「ちょ、どうしてそういうことになるんですか!? 甘やかして差し上げるなら私がします!」 「セシル、こういうときは年長者に譲るものですよ?」 「こういうときだけ年上を強調しないでください!」 「えぇ、そうかもしれないわね」 「え? お母さま?」 「確かに私はもうせん……いえ、でも心はいつもじゅうな……」 「それ以上危険な発言はしないでください!! イフリータ!」 「なんの、アル・マーリド!」 「あれ? 冥王さま、廊下でしゃがみ込んじゃってどうなされたんですか?」  ……ユー、親子げんかって恐いな 「……?」
6月7日 ・FORTUNE ARTERIAL SSS”消えゆくもの” 「やぁ、生徒会の諸君。元気かい?」  きらりと歯を輝かせて部屋に入ってきたのは引退した元生徒会長だった。 「……白ちゃん、東儀先輩に連絡を」 「はい、わかりました」 「ちょ、いきなり征を呼ぶなんて酷いんじゃないかい?」  そう言いながら、今は所用で留守にしている瑛里華の席、会長席に座る。 「伊織先輩がそういう態度で生徒会室に来たときは何かしでかすのが確実ですからね」 「酷いなぁ、支倉くん。そんなわけ無いじゃないか」 「……」 「ん、コホン。今日は特に何かするつもりはないんだよ、ちょっと後輩達の様子を見に来たのと……」  そう言いながら慣れた手つきで引き出しの奥にあるものを取り出そうとして 「あれ、無い?」 「承認印なら瑛里華が他の場所に移しましたよ」 「ほほぅ、やるな……でも、甘い」  まるで自分の部屋のように、承認印が隠されている棚に向かう。 「瑛里華の事だから……ここだな」 「……瑛里華の事良く知ってるんですね」 「これでも兄だからね」  そう言って爽やかに笑う、絵になる光景だと思う。  ……その手に盗み出した承認印がなければ、だが。 「それでは瑛里華が帰ってくる前に失礼するよ、アディオス!」  悠々と扉から出て行く伊織先輩。 「支倉先輩、良いんですか?」 「あぁ、もう準備は出来てるそうだよ」  俺の手元のスマートホンには、瑛里華からのメールが届いていた。 ANOTHER VIEW 伊織 「今日はあっさりと行ったな」  そのための仕込みはちゃんとしてあった。東儀家の地下室にある瑛里華専用装備のすべてを  動けないようにしておいたのだ。 「……東儀家の地下室っていったいなんなんだろうな」  先代の頃はなかったはずだが…… 「ま、いっか。よし、これで早速あの企画を……」  そのとき俺の顔の横を何かが通り過ぎていった。 「……は?」  俺はそっと振り返った。その先に見えるのは監督生棟。  そしてそのテラスには……   「外した!」 「ちょ、それ何!? 今撃ってきたのってもしかしてビーム?」 「やっぱり大きいわね……」 「俺の話聞いてる!?」  瑛里華は再び構えた、けど! 「その大きさだと取り回しは不便と見た!」  俺は素早く射線から回避し森の中へと逃げ込んだ。 「これなら俺は見えないはずだ、撃ってこられまい!」 ANOTHER VIEW END 「やっぱりそう来たわよね」  テラスで大きな銃?みたいなものを撃った瑛里華だったけど、逃げられたらしい。 「どうする?」 「大丈夫よ、これは拠点用だけど……ほら」  瑛里華の横のハッチから似たような銃がせり出してきた。 「さて、と。ちょっと重いけどなんとかなりそうね」  その銃が置かれていた土台みたいなものの上に瑛里華は乗り込んだ。   「ちょっと兄さんを殲滅してくるわね、後の事はよろしく!」  その土台がふわっと飛び上がって、瑛里華は森の方へと向かっていった。 「支倉先輩、森の木は大丈夫でしょうか?」 「……白ちゃん、とりあえず俺たちは仕事かたづけておこうか」 「……はい」  伊織先輩が殲滅されるのが先か、森の木々が消えるのが先か。 「……まぁ、東儀先輩がいるからなんとかなるよな、きっと」
5月6日 ・あいりすミスティリア! SSS”優しさに包まれて” 「美味しいですね、ユーさん」 「はい、ソフィさんのお菓子は最高です!」  執務室の机でユーとリリィが何故かお茶会を開いている。  俺はそれを見ながら、執務と貯まってる書類整理をしていた。  世界樹の復活により転生が可能となった今、順番待ちの魂が数多く、その処理に追われていた。  ただ単に転生させれば良い訳では無く、人間界でのタイミングもあるのでそう簡単には落ち着きそうにない。 「冥王さまもそろそろ休憩してはどうでしょうか?」  そうだな、と俺は書類から手を離した。 「それじゃぁ私がお茶を煎れますね」  ユーがお茶の用意をしてくれてる間に、ソファに座ってクッキーを食べる。 「はい、冥王さま」  礼を言いカップを受け取る 「リリィの分のおかわりもありますよ」 「ありがとうございます、ユーさん」  リリィのおかわりを注ぐユー。  …… 「どうしたんですか? 冥王さま」  あ、あぁ、ちょっと考え事をな、と答える。 「またベアトリーチェさんが何かしたんですか?」  ユー、何故ベアが何かしたことになってる? ……と、聞くまでもないか。  それとは違う悩み、いや、後悔かな。  結果的には何も問題ないし本人も気にしてないとは言っていたけど、やはり最初の世界樹の炎を  消したのは問題だったのかな、って 「そんなことはありません!」  リリィが大きな声ではっきり否定した。 「世界樹が冥王さまにお話せずに行ってしまった行為です、それを見て助けようとしてくれた  冥王さまに怒る理由がありません、それどころか感謝していました」  そう思ってくれたのか……でも、リリィの事を思うと、な。  世界樹の次代への引き継ぎを邪魔してしまったことは事実だし、その結果リリィは覚醒せず  人間界に飛ばされてしまった。  俺たちが偶然保護するまでは大変だったはずだし、その後も記憶が無いという不安にずっと  耐えていたのだと思うと、申し訳なく感じる。 「確かに、あのときのわたしは何もわかりませんでした。けど、そのおかげで色々と知ることが  でき良かったと思ってます」 「そうですよ、冥王さま! いろんな経験は大人になってから生きてきますから!」  ユーがそうフォローしてくれる。  確かにそうかもしれないけど、今のリリィの姿を見てると、な。  お茶の準備をしているときの姿を思い出す。  リリィは背が低く、まだ子供なのでキッチンでは手が届かなく危なっかしい。  もしちゃんと引き継ぎをしていればリリィももう少し大人に成っていたのかもしれないな。 「ふふっ、冥王さま。ありがとうございます。でも冥王さま? 子供は子供で良いものですよ?」  そう言うとリリィは俺の膝の上に乗ってきた。 「こうして冥王さまに甘えることが出来るんですから」 「あー! リリィだけずるいです! わたしも、わたしも!!」  ユーも反対側の膝の上に移動してきた。 「そういえばこんな事前にもありましたね」 「そう、ですね。冥王さまと初めて触れあった日の事ですね」  リリィを冥界に保護した時の事だな。 「覚えてくれてたんですね」  忘れないよ、俺の大事な記憶だからな。 「ふふっ、ありがとうございます、冥王さま」  リリィはそう言って俺に抱きついてきた。 「こうして冥王さまに包まれるのは、子供じゃないと出来ないですからね」 「わ、私だって!!」  ユーも抱きついてきた。 「……あの、冥王さま? 私も小さい方が良かったのでしょうか?」  その必要は無いよ、ユーはユーだし、リリィはリリィなんだからな。 「……ありがとうございます、冥王さま!」  俺の言葉で微笑む2人の笑顔はとても綺麗だった。 「何故!! どうして!!」  1人の女性がその場で倒れ込む。 「どうしてなの!!」  涙を流しながら、その女性の独白は続く。 「私は! 私は!!」  ・・・ 「どうしてそのとき冥王さまの執務室に居なかったの!! 桃源郷はそこにあったのに!!」 「ロリ画伯エル・・・」  その横でラディスが遠い目をして立ちすくんでいた。
4月23日 ・幻の特急券    一月以上前から予定し、手に入れたサフィール踊り子号のプレミアムグリーン車の指定券。  本来なら今日から伊豆に旅に出ていたはずでした。  ですが、外出自粛を求められてるこの状況、それを無視してまで出かけて万が一感染するわけにも  行きませんので、緊急事態宣言が出た直後に払い戻ししています。  旅に安心して出れる日が早く来ることを願います。
3月29日 ・千の刃濤、桃花染の皇姫 SSS”古杜音の湯” 「斎巫女殿、お話がある」 「はい、なんでございましょう?」  食堂で食後のお茶を楽しんでいたとき、古杜音の元に来嶌が尋ねてきた。 「あの事件の時、鴇田君は伊瀬野の温泉で身体を癒やしたと聞いたのだが」 「そ、そうでございますね!!」  古杜音が顔を赤くした。 「その温泉を開発させてもらえないだろうか?」 「……はい?」 「いや、今の国民には癒やしが必要だろう? そこでだ、温泉を開発して国民に  癒やしを与えるんだよ」 「それは良い考えだと思いますけど、宗仁様が入られた温泉は伊瀬野にはございません」 「違うのかい?」 「はい、詳しくはお話できませんが」  伊瀬野と違って奥伊瀬野は神殿の結界の中にある、一般には公開されていないから無理だろうな。 「そうか、残念だ。斎巫女殿も利用したという温泉、集客力はすごいと思ったのだが」  ここまで口を挟まなかった朱璃が口を挟んだ。 「ねぇ、紫乃」 「何かな?」 「貴女、国民のためを思ってみたいなこといってたけど、単純に事業になりそうだから開発しようと  したんじゃない?」 「……朱璃、私をなめないで欲しいな」 「え、そ、その、ごめん……」 「当たり前じゃないか!」 「……」 「えっと、それでこのお話はなかったことにで、よろしいでございますか?」 「そうだね、残念だがそうしよう」 「はぁ……」 「せっかく名前まで考えていたのだが残念だよ」 「もう考えていたのか?」 「あぁ、伊瀬野温泉古杜音の湯だ」 「私の名前が温泉の名前に!?」 「しーのー?」 「冗談だよ、冗談」  本当に冗談だったかどうかは定かではないのだろうな、あの来嶌なのだから……  おまけ 「あれ? もし奥伊瀬野じゃなくて伊瀬野で開発したら五十鈴の湯になったのかな?」 「こーとーねー? 冗談でもそういうこと言わないの!」 「いひゃい、いすじゅ、ほほひっぱらにゃいで!!」
2月21日 ・今年の春を探しに    先日より毎年恒例、河津に散歩に行ってきました。  例年より開花が早く、すでに散り始めている状態ではありましたが、綺麗に咲いていました。    1枚目の写真は河津駅ホームから、この写真はホーム下から。  「河津桜、上から見るか、下から見るか」    川面に反射する午後の日差しと河津桜    原木は河津のなかで早く開花する、故に早く散ってしまいます。  今年はかなり散ってしまいました。    ウイルスのせいもあるのか、いつもより人での少ない河津桜祭りでした。
12月24日 ・sincerely yours short story「クリスマス」 「ねぇねぇ、達哉。リリアちゃんのサンタさん、可愛いわよね?」 「お母さん? 変なこと聞かないでよ!」 「えー、別に良いじゃない。可愛いかどうか聞いてるだけだし、それに答えは聞くまでもないんだから、ね?」 「そうだな、可愛いと思うよ」 「……ありがとう、お父さん」 「あらあら、姿だけじゃなくって顔まで真っ赤にして。リリアちゃん可愛い♪」 「もぅ、お母さん!!」 「ふふっ、サンタさんのおひげが生えてれば真っ赤になった顔を隠せたのかもしれないのに、残念ね」 「髭かぁ、確かにサンタクロースは白い髭が生えてる印象があるな」 「そうね、でも可愛いリリアちゃんには似合わないわよ」 「それもそうだな」 「そうそう、リリアちゃんは生えてない方が似合うんだから、ね?」 「……」 「確かに、その方が顔がはっきり見えるから良いな」 「そうそう、はっきり全部みえるから……可愛いのよね」 「……お母さん、一応聞くけど、サンタさんのおひげのことを言ってるんだよね?」 「もちろんよ? 決してs」  パコーンッ!! 「お母さんっ!!」 「痛っ! リリアちゃんがいぢめる!」 「変なこと言うから!」 「もぅ、照れちゃって可愛い♪」 「お母さんっ!!」  
12月17日 ・sincerely yours short story「そんな一幕」 「ん〜♪」  大きく伸びをすると、胸が突き出される形になる。 「……」 「んふふ〜、この白い白濁とした液体、いいわぁ♪」 「……」 「こんなにあると、匂いが身体にしみこんじゃうかもしれないわね」 「……」 「いっそのこと身体に擦りつけてしみこませちゃおうかしら?」 「……」 「流石に髪に付いちゃうと面倒よね〜、アップにしておいて良かった♪」 「……」 「でもこのままお布団に戻っちゃうと、お布団も匂っちゃうかしらね?」 「……」 「……これって飲んだら美容に良いかしら?」 「……」 「飲んじゃおうかしら?」  パコーンッ!! 「痛っ!」  わたしはおもいっきりお母さんの頭をはたいた。 「何するのリリアちゃん!!」 「気持ち良いのはわかるけど、もう少し静かに、黙って温泉入って!」  そう、わたしとお母さんは2人だけで家族風呂に入っていた。  珍しく硫黄泉の温泉での貸し切り家族風呂。  お父さんはお部屋で留守番している。  もちろんお母さんは誘ったけど、たまには2人で入っておいでとお父さんに  言われて、お母さんはとりあえずは諦めたようだった、けど…… 「良いじゃない、温泉の感想を言ったって」 「お母さんの言葉って絶対温泉の感想じゃないからね?」 「そう? この硫黄泉の白濁とした液体のこと?」 「ただの濁り湯だからね!?」 「臭いが身体にしみこんじゃうとか?」 「温泉の硫黄成分が身体に付いちゃうのは当たり前でしょ!?」 「髪に付くと面倒って」 「流石に女の髪から硫黄の匂いって良くないでしょ? お父さんだって幻滅するよ?」 「う゛……それは困る」 「だったら変なこと言わないで温まってればいいの、わかった?」 「えー、でもー」 「お・か・あ・さ・ん?」 「……ちぇー、わかったわよ。もう、リリアちゃんったら遊び心ないんだから」 「何か言った?」 「何でもありませーんっ!」  
10月28日 ・あいりすミスティリア! SSS「赤ずきんちゃんと魔女の林檎」 「ハッピーハロウイン♪」  フレンチェスカの篭から飛び出したリンゴの形をした何かがスライムに  跳んでいく。 「スラッ!」 「え!?」  スライムはそのりんごを大きな口を開けて飲み込み・・・そして 「スラ……」  そのまま目を回して倒れてしまった。 「冥王さま、フランチェスカさんの聖装ってすごいですね、りんごの形をした  なにかでスライムが一発ですよ!!」  うん、俺が作った訳じゃないんだけどね、世界樹ってすごいよな。 「あー、うん、そーですねー、世界樹ってすごいですよねー」  ユー? 「い、いえ、なんでもありません。それよりも冥王さま?」  ん? 「りんごでスライムを懲らしめるなんて、赤ずきんというよりも白雪姫の  お話に出てくる悪い魔女のお婆さんみたいですよね?」  …… 「どうしたんですか、冥王さま?」  あの、誠に言いづらいんですけど、ユー 「はい?」  後ろ。 「後ろって……ヒィッ!」 「こんな可愛いお姉さんを見て、悪い魔法使いのお婆さんだなんて  ユーとはちゃんとO・HA・NA・SHIしないとね♪」 「ちょ、フランチェスカさん、その満面な笑みが怖いんですけど!?  冥王さま、助けてください!!」  合掌。 「冥王さまっ!? なんで手を合わせてるんですか!?」 「さぁ、ユー。あっちに逝きましょう♪」 「フランチェスカさん、なんか発音違いませんか!? ま、ま゛ーっ!!」  その後ユーを見た者は誰もいない。 「かってに殺さないでください!!」
8月3日 ・夜明け前より瑠璃色な SSS”よくあるお話” 「ただいまー」  家の扉をあけるとクーラーの涼しい風が外へと流れ出ていく。  それと同時に猛暑の風が家の中へと入ろうとする。  俺はそれを防ぐように玄関の扉を閉める。 「ふぅ」  一息つきながら、リビングへと向かう。  何か冷たい物が飲みたいな、その前に洗面所で手洗いをしないとな。  そう思いながらリビングに進むと、ソファに麻衣が座っていた。  家に帰ったとき返事が無かったからてっきり部屋にいるか、出かけてるかと思った。 「……そっかー、なるほど」  ソファの上で足を立てて座る麻衣、下着が見えているんだけど気にしていないのか、  それとも気づいていないのか、それだけ真剣に、手に持っている雑誌を読んでいた。  時折、机に置いてあるお菓子を口に運びながら、読んでいる雑誌。  その表紙には……ダイエットの文字が。 「お菓子食べながらダイエットって」 「え? おおお、お兄ちゃんっ!?」  やっと俺に気づいた麻衣が慌てだす。 「い、いつ帰ってきたの!?」 「今さっき、ただいまってちゃんと言ったぞ?」 「あ、お帰りなさい、お兄ちゃん。……じゃなくて、これは、その……わたし、別に  増えてないからね!! たまたま気になる記事があっただけだから!!」 「別に麻衣は太ってなんか無いって。それに成長期なんだから増えるのは当たり前  だと思うんだけど」 「それとこれとは別なの!」 「そ、そうか……」  俺は麻衣の剣幕に驚きながら、とりあえず手洗いする事にした。 「はい、お兄ちゃんもどうぞ」 「ありがとう、麻衣」  リビングに戻ってすぐにコップを渡してくれた。 「……美味いな」 「そうでしょう? これでもゼロカロリーなんだよ?」 「そっか……」 「……」 「……」 「……あーーわたしのばかばかばかっ!」  その場で麻衣は蹲った。 「だから、麻衣は気にしすぎだって」 「でもぉ……」  涙目の麻衣が可愛い。  ……じゃなくって。 「成長期に無理にダイエットすると成長が阻害されて危険なんだぞ?」 「うぅ……お兄ちゃん……」 「麻衣は太ってなんか無いから大丈夫だよ」 「でも、実際に……」  そのとき、俺はある可能性に気がついた。  コレが当たりだとすれば、麻衣にダイエットの必要は無い。  けど……言っても大丈夫だろうか?  涙目の麻衣を見る。  麻衣の為だ、麻衣の為…… 「麻衣」 「……なに?」 「あのさ、すごく言いづらい事なんだけどさ……」 「……うん」 「……胸、大きくなってないか?」 「……え?」 「その、さ。大きくなればそれだけ増えるっていう訳だしさ……」 「……お兄ちゃんのえっち」  その後、今回の件での埋め合わせというデートに付き合わされて。 「サイズ変わったのお兄ちゃんのせいなんだからね♪」  上機嫌で女性の下着売り場に連れて行かれることとなった……
6月13日 ・SS紹介感想感謝、ありがとうございました。  Faxiaさん(雑記さいと FiRSTRoN)  また、紹介ツイートをRT、いいねしてくださった皆様もありがとうございました。 --- ・sincerely yours short story「家族いっしょに」 「……」 「……」  お母さんもわたしも言葉が無い。 「あのさ、シンシアもリリアも」  無言の沈黙の時間にお父さんが仲介の言葉をかけようとするけど 「「なに?」」 「……いえ、なんでもありません」  わたし達の言葉に、引き下がった。 「もぅ、リリアちゃんも観念しない?」 「そう言う問題じゃないと思う」 「えー、だって家族一緒じゃないと嫌だもん!」  嫌だもんって……お母さん歳を考えて欲しいんだけど 「?」  首をかしげる仕草が、娘のわたしからみても似合う。  ……歳に関するツッコミは何をいってもわたしは負けた気分にさせる。 「ふふっ、だって永遠のじゅうな」 「だから、危険な発言は止めてっていつも言ってるでしょう!?」 「別に良いじゃ無い、ここには家族しかいないんだから、それに達哉は賛成でしょう?」 「俺は……」  何か言おうとするお父さんをにらむ。 「……条件付きなら」 「別にタオルを使っちゃ駄目だって私は言ってないわよ? ただ、他の人も入るんだから  マナーは大事よねぇ、ってだけで」 「それ、事実上タオル駄目って言ってるじゃない!」 「マナーは大事ですものね、ふふっ♪」 「それに、タオルまかないとお母さんだって裸になっちゃうんだよ?」 「私はかまわないわよ、見られて恥ずかしい身体はしてないと思うもの」 「わたしは見られたら恥ずかしいの!!」  お母さんの誕生日をお祝いしての温泉旅行。  選んだ宿にあった、無料の貸切風呂。  その脱衣所まで連れ込まれたわたしの最後の抵抗だった。 「それで、リリアちゃんはどうしたいの?」 「え?」 「私はせっかくお祝いしてくれてる誕生日ですもの、家族一緒に温泉に入りたいわ」 「……お母さんずるい」 「ふふっ、まだあと3年は、リリアちゃんより年上ですもの」 「3年って……あー、もう、お父さん!!」 「はい!」 「ぜったいぜったいに見ないでよ! それが条件だからね!!」 「わかった」  すぐに返事をもらえた、けどそれはそれでなんか納得できないものもある。 「ねぇ、達哉。私はいくら見ても良いから、ね♪」 「お母さん!?」 「これ以上はリリアちゃんが拗ねちゃうから、もうおとなしくしようかしらね」 「今だけじゃ無くてずっとおとなしくしてても良いんだからね?」 「それって、ボタンを押すなって言って、押せって事よね?」 「違うからっ!」 「それよりも早く温泉入りましょう♪」  そう言って浴衣を脱ぐお母さん。 「俺は先に入ってる」  その姿を見ずに先に湯船に向かうお父さん。浴衣は着たままだったけど、向こう側で脱ぐんだろう。 「ほら、リリアちゃんも早く浴衣脱ぎ脱ぎしましょうね〜」 「ちょっとお母さん、自分で脱げるから!」  約束通りお父さんは湯船の外側に向かって座っていて、こちらを一回も振り返らなかった。  それは良いことなんだけど……全く興味を示さないのもなんだか納得がいかなかった。
6月5日 ・SS紹介感想感謝、ありがとうございました。  Faxiaさん(雑記さいと FiRSTRoN)  また、紹介ツイートをRT、いいねしてくださった皆様もありがとうございました。 --- ・あいりすミスティリア! SSS「純情な感情」 「リディアさーんっ!」 「ん? ユーに冥王じゃない。どうしたの?」 「リディアさんをお見かけしたので声をかけたんです!」 「そう? 暇なの?」 「そういうわけじゃ無いですよね、冥王さま」  暇です。 「ちょっ、冥王さま!?」 「そ、そうなんだ、暇なんだ。なら……一緒にいてあげてもいいわよ?」 「冥王さまは冥界の視察に出てるから暇じゃないですよ、ね?」  視察? あー、そういえばそんな理由だったっけ。 「へ?」  執務室にずっといるのも飽きたなぁっておもって逃げ出す理由がそれだった。 「……冥王さま」 「それじゃぁ冥王は暇じゃないの?」  暇だからさ、リディアも一緒に散歩しないか? 「え、いいの? じゃ、なくて、しょうがないなぁ、暇なら私のエスコートを  お願いするわね」 「もぅ、リディアさんったらツンデレなんだから……って痛っ!」 「なんだかけなされた気がした」 「だからって叩かないでくださいよぉ」  リディアはお祭り、楽しんでるか? 「ん、よく解らないけど、なんだかふわっとするっていうか、ドキドキするっていうか  そんな感じかな」  そっか、楽しんでるようで良かったよ。 「でもさ、冥王。なんでこんなお祭りミスコンするの?」 「リディアさん、それはですね……おとなのじじょーという事なのです」 「……はい?」 「それ以上は駄目です、おとなのじじょーの前にわたしたちは無力なのです」 「そ、そうなの? そ、そこまで言うなら聞かないでおくわ」 「賢明な判断です」  そっか、おとなのじじょーだったのか。  俺は去年の長期出張中のアイリス達のモチベーションの維持の為ってベアから  聞いてたんだけどな。 「冥王さま!」  ん? 「それ以上の裏事情は、たとえ冥王さまでも危険です」  そ、そうか……ま、まぁ、みんなが楽しんでるから俺は良いんだけどな。 「ねぇ、冥王……」  なんだい? 「その、さ……冥王ってさ、この人気投票ミスコンに参加してる、よね?」  あぁ。 「それじゃぁ、さ……毎晩、誰に……いれてるの?」 「ぶはっ!」 「ちょっと、ユー!?」  ユーが出店で勝ったジュースを盛大に噴き出した。  一部の紳士にはご褒美かもしれないが、俺にはそういう性癖は無い……ぞ? 「冥王、なんで疑問系?」 「って、それよりもリディアさん、往来の真ん中でなんてことを言うんですか?」 「え? だってアイリス達はみんな冥王にいれてもらえるdねしょ? クレアが言ってた」 「そ、それはそうですけど……意味わかってます?」 「冥王が優しくいれてくれるって、でも痛くないってどういう意味かしらね?」 「リディアさん、ちょっとお耳を……」  ユーが耳元で説明し始めた、何を言ってるかは知らない方が身のためだろう。  その説明が進むと、リディアはどんどん顔を赤くしていった。 「……そ、その、冥王!! そ、そういう意味でいったんじゃないから、勘違い、あ、でも  勘違いじゃないけど、その……うわわぁぁぁぁんっ!」  リディアは真っ赤になって走って行ってしまった。  ……ユー、あとでちゃんとフォローしておいてくれよ? 「はい、冥王さま」  リディアを見送ってたユーがくるっと俺の方に向く。 「人気投票ミスコン、もうすぐ終わりですね。  最初はわたしだったんです、だ・か・ら! 最後もわたしにもいれてくださいね、冥王さま!」
6月2日 ・SS紹介感想感謝、ありがとうございました。  Faxiaさん(雑記さいと FiRSTRoN)  また、紹介ツイートをRT、いいねしてくださった皆様もありがとうございました。 --- ・あいりすミスティリア! SSS「素直な気持ち」 「あー、コトったらまた木の上で昼寝してる!」 「ん、ヴァレリア? どうしたの?」 「せっかく街でお祭りしてるんだからさ、一緒に遊びに行こうよ!」 「んー、めんどい〜」 「駄目だよ、コト。ちゃんとお祭りに行かないと!」 「眠い、お休み〜」 「わわ、木の上で寝ないでったらっ!」 「もぅ、コトったら寝過ぎ」 「だって眠いんだもん」 「だったら一緒に食べ歩きしよ? そうしたら眠気覚めるよ、きっと!」 「ん〜」 「……」 「ん? どったの?ヴァレリア」 「もしかしてさぁ、コトったら遠慮してない?」 「遠慮?」 「そう、このお祭りは人気投票ミスコンでしょ?」 「そうだね〜」 「もしかして、センセーにいれてもらわないように遠慮してる?」 「……なんでそう思うの?」 「ほら、コトは去年お祭りで優勝して長期出張帰りのセンセーを出迎える権利  もらったじゃない。だから遠慮してるのかなーって」 「……別に遠慮してるわけじゃ無いよ、そもそもワタシは殿堂入りしちゃってるし」 「そうだけどさー、私はコトと一緒にお祭り楽しみたいの!」 「でも」 「でもなんて関係無いの! 友達と一緒がいいの!」 「……ヴァレリア」 「わかった?」 「……うん、それじゃぁ一緒ににーさんの所へ行こ」 「え? センセーの所に」 「うん、一緒にいれてもらおう」 「え、ええっ! せんせーのいれてもらうって!?」 「そうだよ、友達と一緒……うん、いい♪」 「え、でも、いれられるのって……2人同時に……」 「ヴァレリア、ほら、早くいこ!」 「ちょ、コトっ!!」
5月31日 ・SS紹介感想感謝、ありがとうございました。  Faxiaさん(雑記さいと FiRSTRoN)  また、紹介ツイートをRT、いいねしてくださった皆様もありがとうございました。 --- ・あいりすミスティリア! SSS「譲れない願い」 「冥王様、今冥界でお祭りが行われてると聞きました」  アレキサンディアの花の事件を終えて冥界に帰る前のちょっとした問題……  まぁ、ちょっとした問題の後にアナスチガルが尋ねてきた。 「はい、お母さま。今冥界では人気投票ミスコンが行われてます!」 「まぁ、そんな忙しい時期だったのですね、お引き留めしてしまって申し訳なかったです」  いえいえ、お祭りは勝手に行ってますから 「そうなのですか?」  去年も行われてるんですけどね、そのとき俺は所用で冥界に居なかったんですよ。  それでも大丈夫だったから今も勝手に盛り上がってますよ。 「そうでしたか、それを聞いて安心しました」  種子集めも俺たちにとって大事な事ですし、家族が困ってるときはお互い様です。 「旦那さま……」 「ふふっ、ありがとうございます冥王様」 「冥王様、そのお祭り……人気投票ミスコンにはわたくしたちも参加出来るのでしょうか?」  あー、えっとシステム的には大丈夫じゃないかな? あ、でも投票システムが  冥界にしかないから無理、かな? 「そうですか、残念です。わたくしが参加できたら冥王様に、いれてもらえたのかもしれないのに」 「え……お母様?」 「ふふっ、冥王様は先ほどわたくしたちも妻って仰ってくださったじゃないですか」 「そんなこと言ってません!! 旦那さまは私の旦那さまですっ!」 「そうはいっても、セシル、貴女はいれてもらえたの?」 「え? それは、その……」 「なら、わたくしにもまだチャンスはありますね」 「お母さまっ! うぅ……だ、旦那さまっ!!」  はいっ! 「その……私にも……い……いれてください!!」 「あらまぁ、セシルったらそんな大声で、大胆ね」 「え、え!?」  今の大声で周りの視線がセシルに集まってしまった。 「……は、恥ずかしいです」  その場で蹲ってしまった。  ふぅ、アナスチガルさん、少しからかいすぎでは? 「娘の幸せを応援しただけですよ?」  そう言って微笑むアナスチガルさんの顔は、母親のものだった。 「でも、わたくしだってまだまだですわよ、冥王様。それとも娘にならってお呼びしましょうか?  だ・ん・な・さ・ま?」 「あーーーっ、お母さまっ!! 旦那さまを旦那さまって呼んでよいのは私だけです!!」 「ふふっ、なら頑張りなさい」 「え? は、はいっ!」 「それじゃぁ娘のことをお願いしますね、旦那さま♪」 「お母さまっ!!」
5月27日 ・SS紹介感想感謝、ありがとうございました。  Faxiaさん(雑記さいと FiRSTRoN)  また、紹介ツイートをRT、いいねしてくださった皆様もありがとうございました。 --- ・あいりすミスティリア! SSS「愛しい少女ひとのために」  午後の訓練を終えたアイリス達は自由に過ごしている。  俺はと言うと食堂でラディスとお茶を飲んでいた。 「ふぅ〜、今日もきっつかったな〜」  この先種子集めは厳しくなっていくだろう、そのためにベアは心を鬼にして  アイリス達を鍛えている……多分。 「あら、ラディス。ここに居たのね」 「んー? エル。なんかよう?」 「用事があると言えばあるし、無いと言えば無いかもしれないわね」 「なんだそりゃ」  謎かけのようなやりとりをしながらエルミナも椅子に座る。 「ところで冥王様さま。お願いがあるのですけれども……」  そう言って上目遣いでのぞき込んでくる。  ……お願いってなんだ? 「はい、実はですね……」  エルミナは一度お茶を口につけ、それで潤してから話を続ける。 「ラディスにいれて欲しいんです」 「ぶほっ!」  ……突然お茶を噴き出したラディス、おもいっきり俺の顔にかかった。 「ラディス? それは冥王さまにとってのご褒美か何かですか?」 「そんなわけあるかーっ!! ていうか、いきなり何をいいだすんだー!!」  俺も同意見だな、と口に出しつつ顔をナプキンで拭く。 「いえ、私は冥王さまがラディスに優しく入れてくださるところを見たいんです」 「エルミナの頭がとうとう壊れた!?」 「失礼な、私は正常ですよ?」 「おかしくなった人はたいていそういうもんだって!」 「もぅ、じゃぁちゃんと説明しますね」  最初からそうして欲しい、と思う。 「はぁはぁ、叫びすぎて喉が痛い」  ラディスは飲みかけのお茶を口につける。  あ、それは悪手…… 「私は、ラディスがいれられて可愛い顔をスケッチしたいんです」 「ぶはっ!!」  ……わかってたのに避けられなかった。 「エル!!」 「冥王さまがそっといれて投票してくれて、それでラディスの顔が少しずつとろけるように  嬉しそうに笑顔になっていく、そんな姿がみたいだけです」 「いい加減にしろこのロリ画伯エルミナ!!」 「あぁ、そのときを迎えたラディスのとろけるような顔を想像するだけで……私も」 「叫び猛れ鳴神っ!!」  大きな雷が落ちた。 「危ないじゃ無いですか、ラディス」 「いや、危ないで済むような魔術じゃなかったんだけど」 「それは愛の力です」  ……うさんくさい、とは言えないのがエルミナなんだよなぁ。 「とにかく、もうこの話はお終い!!」  ラディスは足早に去って行った。 「ふふっ、照れるラディスも可愛い♪」  からかうのはほどほどにな、エルミナ。 「あら、止めろとは言わないのですか?」  だって反応が面白いじゃないか。 「もう、冥王さまもワルですねぇ」  お主もワルよな 「ふふっ あ、そうそう、お願いを言い忘れてましたわ」  ラディスにっていう話じゃなくてか? 「はい、冥王さまのお力体力のおかげで1日に2人相手が出来る訳じゃ無いですか。  だ・か・ら」  くるっと俺の方に向くエルミナ。 「私にもいれてくださっても良いのですよ?」  そういって微笑んだ。
5月26日 ・SS紹介感想感謝、ありがとうございました。  Faxiaさん(雑記さいと FiRSTRoN)  また、紹介ツイートをRT、いいねしてくださった皆様もありがとうございました。 --- ・あいりすミスティリア! SSS「誰がために」 「去年もそうでしたですけど、ちょっとしたお祭りですわね」 「ボクはこういう雰囲気って好きですよ」  パルヴィン姉妹に誘われて冥界の街中まで買い物に来ている。  少し浮ついた空気、それはルージェニアが言うとおり、お祭りの空気だ。  何のお祭りかと言えば、アイリス達の人気投票ミスコンだ。 「そういえば冥王さんは去年のこのとき居なかったんですよね」  去年も行われたこの祭りの時期、俺はどうしても外せない事情で長期間冥界を離れていた。  帰って来た時はすでに祭りは終わっていた。  祭り自体は別に悪いことじゃないけど、順位付けはどうかと思ったのだが  「ご主人様がいらっしゃらない間のアイリス達のモチベーションの維持」  というベアの説明に俺は何も言い返せなかった。 「今年は冥王もいるし、楽しいお祭りになりそうですわ」 「そうだね、みんなも楽しそうだし」  言われて街中を見てみると、みんないつもより楽しそうに見える。  そう言う意味では定期的に祭りを開いてもいいかな、と思える。 「ところで冥王もこのお祭りに参加されるわよね?」  去年は居なくて参加出来なかったけど…… 「なら、冥王は誰に……のかしら?」  えっと、良く聞こえなかったけど。 「もぅ、冥王ったら酷いわね。女の子からそれを言わせるだなんて……」 「お姉様?」 「……冥王……私に、いれて……ほしいのですわ」 「ちょっ!、お姉さま、突然何てことを!?」 「何って、冥王に私にいれてもらうように言っただけよ」 「いれてって……そんなことを往来のど真ん中で……」 「あら、プリシラは頼むのが恥ずかしいのかしら?」 「当たり前です!! 冥王さんにいれてだなんて」 「ちゃんと言えたじゃない、プリシラ」 「ーーーーーっ!!」 「ふふっ、プリシラは照れ屋さんですわね」 「そーゆーもんだいじゃないっ!! あー、もうっ!!」 「それで冥王は、私に……いれてくださるのかしら?」 「こうなったら冥王さん、ボクにもちゃんと……その……いれて……ください」 「冥王!」 「冥王さん!」  ……一度に一人いしか入れられないからな、順番にな。 「「はい!」」 「こんなこともあろうかと、ご主人様だけ1日に2人に入れられるようにしておきました。  これで私は毎日ご主人様に入れてもらえるわけです!」  ベアの気の利いた俺だけの仕様は、このお祭りの間、毎日頭を悩ませる事となった。
5月13日 ・SS紹介感想感謝、ありがとうございました。  Faxiaさん(雑記さいと FiRSTRoN)  また、紹介ツイートをRT、いいねしてくださった皆様もありがとうございました。 --- ・あいりすミスティリア! SSS「成長した姿……?」  クルチャの誕生日のイベントとして、模擬戦をする事になった。  何故模擬戦? と思うこともあるけど、アイリス達が来てからの冥界ではこれが  当たり前になってしまったのだ。  まぁ、俺も思うところあるけど、アイリス達の成長を見れるのは良いことだと思う。  成長を見れれば…… 「……ウサギ。なんで前に立ってるんだ?」  自称クルチャ四天王を名乗る騎士を引き連れてのクルチャは、何故か中央で前に、前衛の  立つ場所にいた。  その配置に、他のアイリス達も頭を抱えていた。 「ラディスちゃん! ウサギって呼ぶの止めてよって何度もいってるじゃない。  クルちゃんにはクルちゃんって言う……」 「あー、わかったわかった、だからさ、なんで前に立ってるんだ?」 「そんなの当たり前じゃないですか!」 「……一応聞くけど、当たり前の理由は?」 「それはもちろん、クルちゃんはアイドルでセンターポジションだからですっ!」 「言い切った!? そこまでダメウサギだった!!」 「違うよラディスちゃん、クルちゃんはダメウサギじゃなくてアイドルヒーラーだよ!」 「だから、そのアイドルヒーラーがなんで前衛に?」 「アイドルはセンターで舞台の一番前に立つからだよ!」 「……ねぇ、めーおー。頭痛くなってきたから帰っていい?」 「え? じゃぁラディスちゃんの頭痛をクルちゃんが歌って治して上げる♪」 「あー、もう、こーなったらとっとと終わらせる!」  ラディスは杖を構える。 「ラディス、こういうときはね……」  俺は耳打ちをする。 「わかった、そこの残念ウサギ!」 「残念って言わないでよ!」 「前に出てこなければやられなかったのにな、ほんと残念残念」 「ラディスちゃん!? その笑顔はなに!? ってかラディスちゃん相手だと前衛でも後衛でも  同じように魔術とんでくるよね!?」 「大丈夫、手加減するから、それじゃぁいっくよー、大魔術!」 「ラディスちゃん、言ってることがおかしくない!?」  誕生日を祝いつつも、成長した姿を見せてくれるアイリスとの模擬戦。  成長した姿…… 「冥王さまー、たたたすけてくださいーーーっ!」  ……きっと次の時は成長してると思う、そういうことにしておくことにした。
5月10日 ・SS紹介感想感謝、ありがとうございました。  Faxiaさん(雑記さいと FiRSTRoN)  また、紹介ツイートをRT、いいねしてくださった皆様もありがとうございました。 --- ・sincerely yours short story「earlystory 癖」 「おかーさーん、暑いよー」  ベットの上でリリアちゃんが可愛く文句を言ってきた。 「もっと涼しくしよーよー」 「これでも適温なんだけど……だからっていってこれ以上下げると風邪ひいちゃうわよ?」 「風邪ひく前に自動で温度戻せばいいじゃん」  確かに温度や湿度は部屋の中の人の体調を感知して最適にするシステムはある、けど。 「リリアちゃん、小さい頃にちゃんと汗をかくって事をしないとね、将来大変なことに  なっちゃうのよ」 「そうなの?」 「えぇ、大人になって変な病気になるのは嫌でしょう?」 「嫌」 「だからね、汗をかかない環境だけで過ごすとだめなの、だから少しくらいは我慢しましょう? 「でも暑くて寝られないよ?」 「んー……仕方が無いかしらね、ちゃんとタオルケットを掛けて寝るならパジャマのボタンは  外しても良いわよ」 「うん、わかった」  リリアちゃんは小さな手でパジャマのボタンを少し外した。 「すごい、おかーさん。涼しくなったー」 「寝れそう?」 「うん、大丈夫」 「それじゃぁ寝ましょう、電気消すわね」 「お休みなさい、おかーさん」 「お休み、リリアちゃん」  ・  ・  ・ 「でね、朝起きたらリリアちゃんったらパジャマ全部脱いでタオルケットにくるまってたのよ。  その姿がもう、とーっても可愛くて天使みたいだったの♪」  シンシアとリリアの昔話、いや、未来の話? それを聞きながらお茶を飲む。 「小さい内にちゃんと汗をかいたからかな、汗をかかない病気にはならなくて一安心よ」 「それは良かった」 「でもねー、そのときの癖っていうのかしらねー」 「癖?」 「そう、リリアちゃんは寝てるとき寝苦しいと、来ている服を脱いじゃうのよ」 「……」 「一応矯正はしようとしたのよ? でもなんかそういうのって可愛いなぁって思っちゃって、本気で  矯正出来なかったの♪」 「……お母さん」  さっきまで子供のことの話を聞かされて恥ずかしがってたリリアが、いつもより低い声でシンシアに  話しかける。 「なに、リリアちゃん」 「なんで、ちゃんと矯正してくれなかったの!!」 「えー、だって裸で寝てるリリアちゃんって可愛くて天使だったんですもの♪」 「そーゆー問題じゃないでしょ!!」 「私はこれでもちゃんと矯正しようとしたわよ? でも最終的に癖が治らなかったのは私のせいかしら?」 「そ、それは……」 「それに、今からだって治そうと思えば治せるわよ? 簡単に脱げないパジャマとか、寝袋とか」 「そ、それは寝苦しそうだから嫌、かな……」 「良いじゃない、別に誰にも迷惑かけてないんだし、それどころか私も達哉も役得よね♪」 「え、お父さん?」 「俺は見てないぞ?」 「そうそう、今朝の達哉は慌てて首を逸らしてたわね♪」 「……お父さんのえっち」  何をどう話しても言い訳にしかなりそうになかった。
5月8日 ・SS紹介感想感謝、ありがとうございました。  Faxiaさん(雑記さいと FiRSTRoN)  また、紹介ツイートをRT、いいねしてくださった皆様もありがとうございました。 --- ・あいりすミスティリア! SSS「なんでもできる?」  帝国との戦いの後、冥界でラディスにあの時のことを聞かれた。 「ねーねー、めいおー。あのクリスの魔術っていったい何なの?  あのときは聞けなかったんだけど、めーおーならわかるよね?」 「ラディス、魔術っていっても色々あるのはわかるよね?」 「もちろんわかってるよ? あたしの使う魔術と似たような魔術を使う術士もいるしね」  その通り、同じ魔術でも微妙に違ってたりする。  ラディスの雷術と帝国魔術師が使った雷術は似てるけど違う魔術だ。 「だから、あの魔術はクリスが生み出した魔術だよ」 「へー、あの聖神官やるじゃん」 「似たような魔術は過去にもあったけどね」 「あったの?」 「俺も聞いたことしか無いんだけどね」  実際には過去ではなく、他の世界での魔術、に近い術なんだけどな。 「それってどんな魔術?」 「その世界での名前は伝わってないけど「なんでもできる」っていう名前の煉瓦を生み出す魔術だよ」 「へ? なんでもできるgrammatica?」  ちょっ!? わざと誤魔化したのになんで名前しってるの?  ま、まぁ、ラテン語での発言だからおとなのじじょー的に大丈夫……だよな? 「めーおー?」 「あ、いや、なんでもない。大丈夫そうだから続けるか」 「?」 「あの魔術は生み出す煉瓦に好きな効果を付与して、どんなことにも対応できると伝わっている」 「それじゃぁ無敵じゃない?」 「そうでも無いんだよ、この魔術を使う度に、どんな効果を付与するか魔術に  組み込まなくちゃいけないから、その対応を間違えると全然使えなくなるんだよ」 「それでもあのときのクリスが生み出した大聖堂はすごかったじゃん?」 「あのときの堕神官の祈りは、ご主人様への邪念だけで生み出されたからです、ラディス」  いつの間にか現れたベアが説明を引き継いだ。 「いや、邪念だけであの魔術って、クリスっていったい……」 「ベアの言うとおり、だからあの大聖堂は俺への信仰、つまり冥界との門としてしか使えない」 「だからめーおーもあんな魔術つかえたのか」  そう言うこと。 「それじゃぁクリスに毎回門を作ってもらえばめーおーって無敵じゃん?」 「その必要はありません」 「え、なんで?」 「そんなこともわからないんですか……それでも貴方はちびっこ魔術師なんですか?」 「ちびだけは余計だっちゅーの!!」 「まぁまぁ、でもベアの言うことは間違ってない」 「どうして? めーおーが強い方が種子熱めも楽じゃん?」 「それはですね、ご主人様が人間界での出来事はそこに住む人が解決するのが良いとご判断  されてるからです」 「そーいえばそうだっけ」 「種子が関係してるからこそご主人様は人間界へ行かれるのであって、力を見せるのが目的ではありません」 「そっかぁ、それじゃぁまだまだあたしたちが頑張らないといけないんだよね」 「えぇ、その通りです」 「これからも頼む、ラディス、ベア」 「オッケー! めーおーが期待してるならちゃんと答えないとね!」 「かしこまいりました、ご主人様、このベアトリーチェ、魂にかけて期待にお答えして見せます!」    あのとき放った最奥の冷気コキュートスで最近役立たずで何も出来なかった  というストレスを発散できた事は言わないでおこう、うん。  その後のクリスはと言うと…… 「あぁ、冥王様……」 「クリス先輩、またピンク色の煉瓦が!! このままだとまたラブリーショコラの塔が立っちゃいます!」 「あぁ、邪念撲滅邪念撲滅!」  クリスが邪念撲滅という度に、ピンク色の煉瓦がどんどん積み上がっていく。 「ねぇ、めーおー。あれ、本当に何でも出来るの?」 「使い手が成長すれば……多分」  そんなときが来ればいいなぁ、と思うことにした。
5月5日 ・sincerely yours short story「とし」 「ふぁぁぁぁ〜」  旅行先の宿に来て、いつもの散歩を終えたわたしはお母さんと一緒に温泉に来ている。  一足先に身体を洗い終えたお母さんは湯船に入っていた。 「……」 「……?」  いつもならご機嫌になるお母さんが湯船の中で静かにしている。 「お母さん、どうしたの? だいじょうぶ?」 「リリアちゃん、そこはおっぱいもむ? って言う所よ?」 「……おかしいけど、どこもおかしくない、か」 「リリアちゃん!? 今なんか酷い事言わなかった?」  反論するお母さんの声を聞き流しながら、わたしも湯船に入る。 「ん〜、気持ち良い〜♪」 「……」 「お母さん?」  また黙り込んだお母さん、おかしいのはいつものことだけど、やっぱりおかしい。 「ねぇ、リリアちゃん」 「な、なに?」  急に真面目な顔をして、わたしを見るお母さん。 「お母さんね、もう駄目かもしれない」 「……はい?」  突然変なことを言い出すお母さん。  ……まぁ、突然変なこと言うのはいつものことだけど。 「いつまでも若いつもりだったんだけど……温泉はいって最初にあんな声だすなんて……  もう歳なのかしらね」 「……」  何を言う出すか緊張してしまったけど、なんか緊張して損をした気分。 「私もリリアちゃん見たいに、んー、気持ち良い♪、って言えれば良かったのに……くすん」 「……今から言えばいいんじゃない?」 「そっか、やり直せば良いんだ! さっすがリリアちゃんね♪」  そう言ってその場で立ち上がるお母さん。 「……」  お母さんの年齢、考えるだけでツッコミがあるので考えないとしても 「私は永遠の1*歳よ?」 「だから、危険なネタは止めてって!!」  いつものツッコミをいれつつも、わたしはお母さんの身体から目を離せない。  間違いなくわたしを産んだお母さんなのだけど、その見た目は姉妹っていっても通じるくらい若い。  張り艶のある肌、一児の母とは思えない腰のくびれ、大きい胸とお尻。 「……」  なんで遺伝しなかったんだろうなぁ…… 「よっこいしょっと……あ」 「……」  お母さんが改めて湯船に身体を沈めようとして思わず出た言葉。 「……ンー、キモチイイ♪」 「お母さん、言葉がカタコトになってる」 「……ぐすっ」  お母さんは涙目になっていた。 「もう一度、やり直す?」 「……うん」  見た目だけは姉なんだけどなぁ……  それ以上は考えないことにした。
2月22日 ・春を探しに    先日より河津に散歩に行ってきました。  今年はタイミング良く、「見所」宣言がだされた翌日に行く事ができました。  当日の河津桜は8分咲き、ほぼ満開です(^^)    若干天気が悪かったものの、綺麗な桜でした。    河津桜の原木は満開を少し超えた時期でした。  今回も人手が多く、撮影した写真の中に散歩客がかなり映り込んでしまってて(^^;  サイトには厳選した写真しか掲載できませんでした。人でばかりは、ね(汗)
2月1日 ・SS紹介感想感謝、ありがとうございました。  Faxiaさん(雑記さいと FiRSTRoN)  また、紹介ツイートをRT、いいねしてくださった皆様もありがとうございました。 --- ・あいりすミスティリア! SSS「必殺技」 「ねぇめーおーってさ、世界樹が燃える前はすっごく信仰されてたよね?  そのときは地上でも強かったんだよね?」  あぁ、冥界とほぼ同じ力が使えたよ。 「そっかぁ、一度めーおーの本気って見てみたかったんだけど、冥界でなら見れる?」  色々と条件があるけどな。 「条件?」  あぁ、だって必殺技は簡単には放てるものではないだろう? 「そっか、そうだよね。で、条件って何?」  そうだな……一つは変身すれば使えるようになる。 「え、変身? 悪魔っぽくなるとか?」  制服姿になる。 「……はい?」  必殺技専用の制服姿になる。 「嫌な予感しかしないけどさ、真理の為に聞くね。……どんな制服になるの?」  海兵さんの制服だよ。 「思ってたより真面目だった!?」  よし、久しぶりに変身してみるか。  プルートプラネットパワーメイク…… 「わーわー、それはやばいからやめてーーーっ! 迅雷よ、光の檻となれ!!」  ・  ・  ・  いきなり雷落とすのは酷くないかい? 「いや、その変身はすっごく危険な気がするから」  そっか、変身しないと使えない技だったから見せられないのが残念だよ。  破滅喘鳴っていう魔術なんだけどな。 「……全力で止めて正解だったかも」 「はぁ、で一応聞くけどこれ以上危険なのは無いよね?」  危険かどうかはわからないけど、変身しなくても使える術はあるよ。 「それって大丈夫なの?」  問題が一つある。 「欠点じゃなくて問題?」  欠点っていえば欠点かな、この魔術は気力が上がらないと使えないんだ。 「気力?」  魔術を撃つのにある程度のテンションが必要ってこと。 「気合いで魔術を撃つめーおーっていったい……」  まぁまぁ、試してみるか? というわけでラディス。 「ん、なに?」  もう一度俺に雷を落としてくれ。 「へ?」  大丈夫、俺のテンション上げるためだけだから、どうせラディスの魔術じゃ俺は  倒せないし。 「カッチーン! 言ったな? なら今は封印してる最大級の魔術で行くからね!」  ばっちこい! 「来たりて滅ぼせ、界雷の王!!」 「これならどう?」 「……雷の力が天と互角だと? 愚かな」 「え、めーおー?」 「フハハハハッ、冥王の力を解放する!」 「ちょ、その異常なほどの魔力は、やばいって!」 「塵一つ残さず、消滅させてやる。冥王の力の前に、消え去るが……」 「別な意味でやばいからやめーっ!愚かなる者に、誅罰の雷を!!」  ・  ・  ・  酷いな、せっかくテンションあげてのってきた所なのに。 「あれはやばいから、魔術の効果以前に、いろいろとやばいから!」  そう? 残念。 「……疲れた。とりあえずめーおーはめーおーのままで良いって事がよく解ったよ」  褒めるなよ、照れるじゃないか。 「褒めてないからね!?」
1月26日 ・FORTUNE ARTERIAL SSS”汎用?” 「やぁ、生徒会の諸君。元気かい?」  きらりと歯を輝かせて部屋に入ってきたのは引退した元生徒会長だった。 「伊織先輩、こんにちは」 「こんにちは、白ちゃん」  挨拶しながら元会長は、自然に会長の席に座る。 「なんか既視感が」 「どうしたんだい、支倉君」 「……いえ、それよりもそこは瑛里華の席ですけど?」 「なに、ばれなければ問題ないさ」 「伊織先輩、お茶をどうぞ」 「ありがとう、白ちゃん」 「ふぅ、一仕事した後のお茶は美味しいね〜」 「……今回は何をしでかしたんですか?」 「支倉君、俺はいつも何かをしでかしてるわけじゃないんだよ?  今日はね……敵対勢力の一掃さ」 「敵対勢力?」 「あぁ、赤い奴と青い奴さ」 「?」  白ちゃんは不思議そうな顔をしてるが、俺は何を意味するかわかった。  というか、わかってしまった。 「先輩、後でどうなってもしらないですよ?」 「大丈夫さ支倉君。過去2度に渡って失敗したのは東儀の技術力あっての物。  それを壊してしまえば今の瑛里華はただの人さ」 「……」  一応欠片を取り込んでいる俺たちはただの人じゃないんだけど、完全な珠を取り込んでる  伊織先輩には敵わないとは思う、のだけど。 「なんとなく、結果は見えてる気がするんだよな」 「さっすが孝平、わかってるじゃない♪」  扉を開けて瑛里華が入って来た。 「兄さん、ずいぶん余裕がありそうね」 「そりゃそうさ、今回は下準備をしっかりとしてきたのだからね」  そう言いながら会長席の引き出しの中を覗く先輩。 「赤いのは移動力が早い奴、青い奴は河や泉の中専用だろう、その2機共に動かせないなら  俺に敵はないだろう? ……あれ?」  上機嫌に話しながら引き出しを漁っていた伊織先輩が困惑の表情となる。 「ここにあるはずの承認の印が……」 「それはコレの事かしら?」 「なにっ!?」  瑛里華が制服のポケットから出したのは会長承認印。 「くっ、まさかアレを持ち歩いていただなんて」 「それで、兄さん。今回は何を企んだのかしら?」 「ふっ、こうなったら承認なしにイベントを開いてしまおう!! とおっ!」  伊織先輩は会長席の後ろにある窓から飛び降りた。 「相変わらず無茶するなぁ、伊織先輩は。瑛里華、どうする……あれ?」  振り向くと瑛里華はもうそこにはいなかった。 「支倉先輩、瑛里華先輩ならすぐに出て行きました」 「そ、そう……一応俺も行ってくるね」 「はい、お気をつけて、支倉先輩」  伊織先輩は裏山の、今回は林の方へと逃げていく。 「ふははははっ、赤いのは大型だから林の中には入って来れまい、青いのは陸上での  運動性は無い! 今回は俺の勝ちだな、瑛里華!」 「それはどうかしらね?」   「なん……だと!?」  伊織先輩の逃げようとした林の中から、何かが現れた。    それは、今までのとは違った無骨な雰囲気を持つ、何か。  後ろの方に見える配管? から蒸気を時折吹き出していた。 「ちょ、瑛里華、それなに!? なんか作りがいきなり大正っぽくなってるんだけど!?」 「空専用HALユニット、水中専用カプルユニットに続く、陸戦汎用ユニット、HAROユニットよ!」 「いつのまに!?」 「流石征一郎さんよね、そろそろ兄さんが何かを仕掛けてくる頃だろうからって、ちゃんと  対抗策を用意しておいてくれたんだから」 「ちょっ、征っ!?」 「そうそう、兄さん。今回のはね、空専用、水中専用と続く、陸戦汎用なの」 「そ、それで?」 「汎用って名前が初めてついたのよ、ほら、手がちゃんとあるでしょう?」  その手が何かのスイッチを入れた。   「だからね、こうして剣ももてるのよ♪」 「ちょ、ラOトセイバー!?」 「流石に重火器だと周りの被害が大きいから、今回は剣にしてみたの」 「や、どっちにしろ被害が大きくなると、お兄ちゃんは思うんだけどなぁ……特に俺自身の」 「ふふふっ」 「ははっ……」   「覚悟はいいかしら、兄さん♪」 「瑛里華先輩、お茶です」 「ありがと、白」  白ちゃんからお茶を瑛里華はいつものように優雅に飲む。   「ふぅ、一仕事終えた後のお茶は最高よね」  ついさっき同じ台詞を聞いた気がする。 「さて、ちょっと遅くなっちゃったけど、今日の仕事を始めましょう!」 「はい、瑛里華先輩」 「……」 「どうしたの、孝平?」 「いや、なんでもない。仕事始めようか」  俺は心の中でそっと冥福を祈った。
1月10日 ・今日のおでかけ    雪の山と、雪の樹と、リリアちゃん
1月6日    新年明けましておめでとうございます。  本年もよろしくお願い致しますです。
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