ワンダースワンでＧＰＳするのに必要なWonderWitch関連ハードの調達には、主に以下の３つの方法があります。
　　　　１．WonderWitch (16800円）を購入する。
　　　　２．WonderWitch プレーヤー (7800円)を購入する。
　　　　３．WonderWitch専用カートリッジ （3980円）のみ購入し、ケーブル類は別途用意する。

　このうち、いちばん応用が利くのが、プログラム開発環境セットである １のWonderWitch購入です。今はその気はなくても、いずれ興味がわいた時に自分でプログラムをいじることができるからです。（そうは言ってもWonderWitchでのプログラム開発は、DOSでＣ言語を使ってプログラムを作った経験のある人でないと難しいです。私のような、Ｃ言語や8086系CPUの知識のない人間にとっては、当初は（ていうか今もですが）チンプンカンプンでした。）

　ただし、ここを見ている方の多くは、目的はあくまでワンダースワン＋ＧＰＳをパラグライダー等で使うことで、自分でプログラムを作ることまでは考えていないことと思います。その場合、ワンダースワンのソフト開発環境であるWonderWitchは買う必要はありません。つまり ２のWonderWitch プレーヤーで必要十分だと思います。　（後になってプログラムをいじりたくなった場合は、別途「開発ステップアップキット」を購入することによりWonderWitch相当にアップグレードできます。）

　もっと安く済ませたい向きには ３の専用カートリッジ（3980円）のみ購入がありますが、いくつかの問題が発生する場合があります。
　その点について説明する前に、まずは １のWonderWitchのパッケージ内容について説明します。なお、WonderWitch プレーヤーも基本的には同じ内容で、各種ソフトの入ったCD-ROMの中身が異なるだけのようです。

・WonderWitch 専用カートリッジ　１個

　ワンダースワンに差し込んで使います。内部にはSRAMと書き換え可能なフラッシュROMが搭載され、ファイル操作やパソコンとの通信などを可能にする基本ソフト（FreyaOSとMegシェル）が予め書き込まれています。このカートリッジにユーザーの作ったプログラムをパソコンから転送することにより、ワンダースワンでいろいろなことができます。　私の「ワンダースワンでフライト記録」で紹介しているgar2wsやgarlogも、もちろんこの専用カートリッジに転送して使います。　このカートリッジだけ別途購入することも可能です。

・CD-ROM　１枚

　WonderWitch用プログラムを開発するための各種ソフトが入ってます。例えばパソコンとワンダースワン間のファイル転送を行なうソフト（TransMagic）や、Ｃ言語のコンパイラとWonderWitch用のライブラリ、オンラインマニュアルなどです。対応しているパソコンは、Windows 98/NT4.0/Me/2000/XPです。（Windows 95でも問題ないようです。）
　これらは発売元である有限会社キュートのWebサイトでサポートや各ソフトのバージョンアップが受けられますが、そのためにはCD-ROMのケースに書いてあるシリアル番号をアクセス時に入力してユーザー登録する必要があります。

・ワンダースワンとパソコン間の接続用ケーブル　１組

　これは２本に分かれていて、ひとつはワンダースワンコネクタ＜−＞DSUB-9オスコネクタ（別名：スワンケーブル）、もうひとつがDSUB-9メス＜−＞DSUB-9メスのクロスケーブルです。パソコンと接続する場合は、この二つのケーブルを組み合わせて使います。最初から１本にすればいいとも思いますが、逆に２本に別れているからこそ、ＧＰＳとの接続が簡単にできます。普段ＧＰＳとパソコンの接続に使ってるGARMIN純正のＧＰＳケーブル（又は互換ケーブル）と、スワンケーブルを接続すれば、ワンダースワン＜−＞ＧＰＳ接続ケーブルの出来上がり、というわけです。

・取扱説明書　１冊

　WonderWitch専用カートリッジや転送ソフトTransMagicの使用方法をはじめ、ソフト開発関連のリファレンスが書かれています。（”書かれている”だけで、誰にでも理解できる必要十分な内容というわけではありませんが。）
　なおCD-ROM内にも電子化されたマニュアルが収録されています。

　以上を踏まえて、WonderWitch（または WonderWitch プレーヤー）を購入せず 専用カートリッジのみの購入でgar2wsやgarlogを使用したい場合は、以下の問題をクリアする必要があります。

・パソコンとワンダースワン間のファイル転送を行なうソフトについて

　WonderWitch（または WonderWitch プレーヤー）にはTransMagicという専用のソフトが付いてきてお手軽に転送できますが、カートリッジのみの購入だと当然ながら付いてません。
　従ってシリアル転送のできる汎用のソフトを自分で用意し、適切な設定・操作をする必要があります。　gigoさんの「WonderWitchでGPS」や、中澤さんの「WonderSwanでGPSのTrack Logを保存する」に、フリーソフトのTeraTermProを使った方法が解説されていますので、参考にしてください。

・WonderWitch ROMカートリッジ内のOSのバージョンアップについて

　WonderWitch専用カートリッジのみの購入では、内部のFreyaOSのバージョンが古い場合、それをバージョンアップすることができません。（非登録ユーザーは新しいバージョンのFreyaOSをキュートのWebサイトからダウンロードできないため）
　そしてカートリッジ内のOSのバージョンが古いと、garlogを初めとした各種WonderWitch用ソフトが動作しないことがあるのです。
　その場合、WonderWitchを持っている知人がいればバージョンアップを依頼すればいいのですが、そんな知人に恵まれている人は少ないかと思います。その場合は自分でWonderWitch（または WonderWitch プレーヤー）を購入するしかありません。

・接続ケーブルについて

　ケーブル類も付いてないので、別途用意する必要があります。なお、WonderWitch（または WonderWitch プレーヤー）を購入した人も、ＧＰＳとワンダースワンの常時接続が前提のgarlogを使用する場合、専用ケーブルを自作or購入した方がいいと思います。何故なら、付属のスワンケーブル＋ＧＰＳケーブルの組み合わせは重くてかさ張るため、ケーブルの取り回しに苦労するのが予想されるからです。
　ＧＰＳ〜ワンダースワンの接続ケーブルは、RIGHT STUFFで販売されています。また自作する場合は、私の「ワンダースワンでフライト記録（ケーブル自作編）」を見て、”オレならできるな”と思った人なら大丈夫だと思います。

　もともと専用カートリッジ単品販売はWonderWitchのサプライ品という位置付けなので、詳しい説明書も添付されていません。それでも上記の３つの問題をクリアできる方なら、カートリッジのみの購入でも何とかなるとは思います。　逆に、ちょっと難しいかなと思った方はWonderWitch（または WonderWitch プレーヤー）の購入をお勧めします。
　なおWonderWitch自体がパソコン上級者向けの商品だと私は思うので、買えばすべて安心というわけではありません。　が、少なくとも既存のソフトを使うぶんには大した難しさはないと思います。

　2002年4月15日に、新しく「WonderWitch プレーヤー(7800円)」が発売されました。
　それまでワンダースワンでＧＰＳを使うにはWonderWitch(16800円)を購入するか、専用カートリッジ(3980円)を購入してハード・ソフト面で苦労するかのどちらかしかありませんでした。そんな状況の中、新発売の「WonderWitch プレーヤー」には専用カートリッジの他に、ワンダースワンとパソコン間の接続用ケーブルや専用転送ソフトなどが収録されたCD-ROMが同梱されています。要するに、WonderWitchからプログラム開発環境だけ省略した商品です。
　ケーブルや専用転送ソフトが付属し、FreyaOSのバージョンアップも可能なので、ワンダースワンでＧＰＳを使うには十分な内容です。それでいてWonderWitchの半額以下の7800円という価格が魅力です。詳細や購入については以下をご覧ください。

　・WonderWitch プレーヤー 製品紹介

http://www.qute.co.jp/products/WonderWitchPlayer/

　・キュートWebショップ (インターネット販売)

http://webshop.qute.co.jp/