無線機



 ハンググライダーは空を飛びます。インストラクターからも相当離れた場所で一人で操縦することになります。当然、人間の声は届きませんから、無線機(トランシーバー)が必要な場面も出てきます。
 無線機の種類はいろいろありますが、以前は「特定小電力トランシーバー」「アマチュア無線機」のふたつが主に利用されていました。

 特定小電力トランシーバーは免許不要ですが、アマチュア無線機を使用するには免許が要ります。
 まず国家試験を受け、「無線従事者免許証」を取得します。(ハンググライダーでの運用では、下位の資格である”第4級アマチュア無線技士”でOKです。)次に自分の使用する無線機(430MHz帯)を決定し、その無線機の型式等を元に電波の利用許可を申請して「無線局免許状」の交付を受け、はじめて利用が可能となります。この免許状にはアルファベットと数字の組み合わせからなる「コールサイン」が記入されており、無線機で交信を行う際にはこのコールサインをコールする決まりになっています。

 ただし特定小電力トランシーバーは電波出力が弱いため近距離の交信しかできず、アマチュア無線機は上記のように免許を取得して無線局を開局する手間がかかります。このため近年は「デジタル簡易無線機(写真)」が主流になっています。

 デジタル簡易無線登録局として無線局の登録および開設申請をする必要はありますが、免許は必要ありません。現状実質的に選択できる無線機が1機種(STANDARD VXD450S)しかなく、また需要が少ないためか価格が高い(6万円程度)のが欠点ですが、必要十分な出力の上空使用専用の周波数帯が割り当てられており、ユーザーコードの設定もあるので、アマチュア無線のようなトラック運転手との混信に悩まされることもありません。

 なお、空中で無線機を取り出して受送話するのは困難ですので、無線機本体以外にスピーカーマイクを別途購入するか、ヘルメットにスピーカーやマイクを内蔵する改造をしておく必要があります。スピーカーマイクは純正品を買うと7000円程度と高価ですが、ヤフオク等で互換品を探すと1000〜2000円で入手することもできます。工夫次第です。





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