ソロに慣れてきたら



 ソロフライトも10本目位になると、だんだん余裕も出てきます。ある程度自分の判断で旋回するようになるでしょうし、条件によっては上昇気流に乗るソアリングを経験するかもしれません。
 そのくらいになったら、ちょっと気をつけてみましょう。

(1)しっかり腰を入れた体重移動

 今まで練習してきたように、ハンググライダーは上体だけ移動させても曲がってくれません。体の重心部分、つまりスイングラインが接続されている腰の部分を移動させてやらないと、非常に効率が悪く、かつカッコ悪い旋回操作になってしまいます。

  


 フライト中の左右への体重移動を後ろから撮影した二つの写真を見てください。左は上体(というか頭だけ)を一杯に体重移動しているつもりだけれども、体が捩れているために肝心の腰は中央に残ったままです。頭だけアップライトの外側に出てるし、見ての通り初心者臭さ満点のカッコ悪い体重移動です。当然こんな体重移動では、いくらスピードが適正でも機体の反応が悪いです。

 右は腰をしっかり移動させるように意識しながら体重移動したものです。見ての通り、体は捩れていません。即ち、体の軸が一直線で、しかもその軸はベースバーとは垂直になっています。

 このような体重移動をするためにはコツがあります。例えば左に旋回するときは左に体重移動するわけですが、このとき単にベースバーの左側に体を寄せるだけでなく、右腕を前方に出し、左手を手前に引くようなイメージで、ベースバーを左へと、ねじり曲げるような操作をしてやるのがポイントです。
 飛行中の自分の体重移動について判断するのは難しいと思いますので、小型のビデオカメラやデジカメの動画機能を利用して、実際の自分の飛行中の姿勢をチェックするのが最も効果的だと思います。


(2)スピードの抜きすぎに注意

 シングルサーフェスの初級機は、低速が効きます。ベースバーから手を離したときのニュートラルスピードは最小沈下速度周辺になるようトリム調整されており、これは(装備重量によりますが)だいたい30km/h程度と、かなり遅いです。

 初ソロから数本は失速が怖いので無意識にベースバーを引き込んでビュンビュン飛ばしますが、やがて低速なニュートラル付近での沈下の少なさに気付き、その速度域でも飛ぶようになります。それ自体は全く構わないのですが、低速域は左右のコントロールの効きがあまり良くないことに注意が必要です。

 例えばソアリング。連続旋回を止めようと逆方向に体重移動しても、なかなか旋回が止まりません。山肌近くで360度の連続旋回をしているとき、このまま旋回を続けると山に突っ込みそうなので旋回を止めるために逆方向にあて舵をする。が、予想に反してコントロールが効かず機体は回り続けて山肌へと旋回が続く…  これ、けっこう怖いです。速度管理に熟達するまでは、速度を抜きすぎることに注意しましょう。トップアウトするまでは十分速度を保ってフライトするように心がけてください。





ページ最終更新:2010/9

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