初めての一人での高高度フライト。私の場合、その感動は、タンデムで初めて飛んだときを上回るものでした。
憧れだったハンググライダー。それを自分の操縦で、今飛ばしている。
その初ソロにあたっての心構えを自分の経験から書いてみたいと思います。
(1)無線機のチェックは確実にチャンネルやボリュームが不用意に動かないようにロックをかけるのは当たり前ですが、意外と多いのが風の音でマイクからの音声が聞き取れなくなる例です。マイクの位置は問題ないか、音量は必要十分か、事前に十分確認してください。カールコード式のスピーカーマイクは、耳元に付けるようにしましょう。
(2)ベースバーの引き込み過ぎに注意タンデム機に比べて、一人乗りの機体のバープレッシャーはとても軽いです。タンデムでしか操縦したことのない人にとっては、バープレッシャーはもうスカスカといってもいい位です。で、初めてソロフライトするわけですから緊張して力が入ってます。失速に対する潜在的な恐怖感があるので、できるだけスピードをつけて飛びたくなっています。 その結果どうなるかというと、思いっきりベースバーを引き込んだままフライトし(しかも本人にその自覚なし)、矢のようにブッ飛んで山際スレスレを飛ぶ羽目になったり、引き込んだまま旋回するので派手な沈下をしてみたりして、ますます緊張してしまうわけです。さらにスピードが出すぎていると初心者にとってはコントロールが効き過ぎてしまい、蛇行する原因にもなります。
そうなる前に、まずはニュートラルを確認する意味でも、ベースバーから手を離してみましょう。機体はすぐに左右どちらかに曲がって行ってしまうので、そんなに長い間離している必要はありません。ともかくその行為によって、ニュートラルポジションを把握します。そのときのベースバーの位置は、意外にも前方にある(押し出した位置にある)ことに気付くはずです。そして、そのときの速度(トリムスピード)が意外に遅いこともわかります。
(3)オーバーコントロールに注意ハンググライダーは、旋回動作のために体重移動してからバンクがかかるまでタイムラグがあり、バンクがかかってから機体の向きが変わってゆくのにもタイムラグがあります。旋回を終了するときも、あて舵が効くのに時間がかかります。高度がある上空では気持ちに余裕があるため、そのへんのタイムラグは本人も十分わかっているはずです。しかし高度に余裕がなく、しかも比較的狭い空域で旋回をしなければならないランディングアプローチでは早く向きを替えようと気持ちが焦るのか、オーバーコントロールしてしまいがちです。 その結果、予定よりも深い旋回になってしまい、さらにそのオツリの処理で高度を失ってしまいがちです。これを防ぐためにも、あまりバンクをつけないように、旋回が始まったら中央に体を戻すように意識して、深すぎる旋回をしないように気をつけてください。 |
ページ最終更新:2010/9
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