Zゲージのレンガ橋レイアウト製作記(3)

大まかに地面と木々で情景ができ上がってきたので、照明など小物を配置していきます。

◾️車の配置とヘッドライト照明

お友達から頂いたVolkswagenバス T1を設置しました。
ボディは3Dプリンタで製作されていてヘッドライトとテールライトが点灯します。
地面の下に配置したLEDの光を0.5mmプラスチック光ファイバー(Plastic Optical Fiber: POF)で導光して点灯させる仕組みのものです。



LEDの先端にPOFを配置・固定するためのプラスチック製のコネクタボックスもあり、まるで市販のキットのようです。
LEDの先端にPOFの切断面を配置するだけでLEDの光はPOFで導光されますので、特殊なコネクタボックスは必須ではありません。
こういう「キット」は、なんとなくワクワクします。


この車両VW T1を小さな住宅の前に配置しました。
20mm程度の小さな車体にヘッドライトが灯るだけで存在感は大きくアップします。



この住宅は 282761(FALLER)ですが、光を通す窓と、通さない窓に分けてあります。
地面は紙粘土を塗って作り、塗装したものです。

家の左に見える黄色く光る街灯は「Light with Wooden Mast」601225(メルクリン)です。
ベースが厚いレイアウトに組み込むには工夫が必要な製品で、それについて以下にご紹介します。


◾️メルクリン製の照明


メルクリンからZゲージ用の照明がいくつか製品化されています。
以下は、その一例で、高さは23mm〜54mmで1/220 Zスケールどおりです。
1個が数千円と非常に高価ではありますが極めて精細にできていてレイアウトに使いたくなる製品なんです。
線の細さは秀逸で、素晴らしいできばえとしかいいようがありません。



ところがです。これらの製品は、LEDへの配線を目立たなくするために特殊な2層構造の狭幅の配線テープが使用されています。
その影響で、レイアウトへの取付け方法がとても変っているのです。

以下がその取扱説明書です。



「幅1mmほどのテープ状の配線を、幅5mmほどの変換用プリント基板のセンターに表裏を確認して配置してプラ製のクリップで挟む」
という配線作業が必要になります。
この作業は、テープ配線と変換基板を押さえつつ「Klick」には指先に結構な力が必要で、レイアウトベースの裏側にかなりのスペースがないと困難です。
スペースがあったとしても、バラスト蒔きを上回るほどの、なかなかの「苦行」なのです。
今回のようにレイアウトベースが90mmも発泡スチロールが有る場合、ほぼ取り付け不可能。
周囲の発泡スチロールを手が自由に入る、20cm四方以上の範囲を取り除く必要があり現実的ではありません。

何十年も前からこの構造は変っておらず、まるでメルクリン社が「取付けられた者だけが愉しめるディテールなのだ」とほくそ笑んでいるようです(汗)。

結局、最初にテープ配線と接続基板を接続しておいてから10mmほどの大穴を開けて取付けてから穴を埋めるという手を取るしかありません。
そのいくつかの手段を以下にまとめました。




この変換基板を地面に通すには10mmほどの穴が必要で、後にこの大穴を埋めるのが面倒かつ綺麗に仕上げるのが困難なのです。
これまで色々とチャレンジはしたのですが、今回、○ 印の丸棒方式を発案しました。
バルサの丸材を用いた予備組立てを行ってから取付ける方法です。
一見、とても面倒な方式に見えますが、全てを実際に試してみるとこれが最も簡単でした。
手順は多いですが、とにかく気が楽で作業がスムーズなのです。バルサの加工しやすさが効いています。


予備組立てしたライトをレイアウトに取付ける作業は、以下のような手順になります。




同様の方法でプラットホームにも「Station Light on a Standard Catenary Mast」601231(メルクリン)を無事に取付けることができました。



照明を取付けた際のバルサの棒の跡が見えますね。
ホームは雑草だらけにする予定だったので、ろくにバルサの断面の処理をしなかったのです。


プラットホームには木の柵を取付けて、雑草を生やしました。
プライザーのフィギュアも1人。
この木柵は0.5mm角の木材をカットして組立てて塗装したものです。



こんな草ぼうぼうのホームがあるかよ。ですって?
ありますとも (^^;)
ネットで検索すると、ドイツの田舎のホームに雑草は付き物のようです。
雑草はコースターフ、Tomixのパウダー、スペインのGreen Stuff World社のものを使用しています。

この後の作業はフィギュアや車の配置など比較的楽な作業がメインになるのでゆっくりと愉しみたいと思います。


鉄道模型の小型レイアウトのホームへもどる