私のTips

私の「Tips」を御紹介します。
たいした内容では無いのですが、全て私が実践している例で、書籍などでもあまり紹介されていない様な便利な方法を解説・紹介しています。
中には、役に立つものもありますよ。



●樹木の上のホコリを掃除すること
 レイアウトを製作して数年経つと気になってくるのがホコリです。
 ホコリはレイアウトオーナー共通の悩みですね。
 私は、NでもZでも「かぶりつき」なので仮にカバーがあっても運転中は外したいタイプです。
 だから、多かれ少なかれホコリは付いてしまいます。
 良く話題になるレールのほうはクリーニングカーもありますし、ここでも紹介している「わりばし」を使った方法もあり、さほど問題ではありません。
 一方、ジオラマ上、特に樹木の上や、信号機、電柱、フィギュアなどに付着したホコリは手作業でコツコツと掃除するしかありません。
 しかし、ホコリはからみついていて掃除機で吸ったくらいでは簡単にきれいにならず、結構「深刻な問題」なのです。

 そんなわけで、私はいつも写真のように掃除機と絵筆を使っています。絵筆は大きめの平筆で、できるだけ筆先の柔らかな比較的高級なものを用意します。
 馬毛などの16号以上がおすすめで、高級と言っても500円程度ですから出費は惜しんではいけません。
 (この写真のものは100円ショップのもの(15号)ですが、筆先が硬くて使いづらいです)
 掃除機で吸いながら、吸引口の前で、筆でホコリをなで落とし(なで上げ)ます。
 樹木の上のホコリはすぐには取れませんから、そぉっと、繰り返しなで落とすときれいになります。
 樹木の上の掃除には特にいいのですが、ストラクチャやフィギュアの置いたプラットホーム、信号機、鉄路柵、踏切から、鉄柱、コースターフをまいた地面までこの方法できれいにできます。

 レイアウトが固定の場合には、奥行きが450〜600mm程度のレイアウトでしか使えない手です。
 しかし、固定でなければ大丈夫。
 畳一枚サイズのレイアウトであってもレイアウトを立てかけて作業をすることで、ストラクチャの破損などのリスクも少なく、この方法が使えます。


  



●安くて簡単、マメツゲの樹木のこと
 多くの樹木を安価に、実感的に、容易に製作する方法です。
 「・・・レイアウト製作記」中でも紹介していますが、こちらにもあらためて掲載しておきます。(一部重複しますがご了承下さい)
 使用する樹木はマメツゲ(庭木ではキンメツゲが類似しています)という低木です。公園などで丸く仕立てられているのをよく見かけるものです。
 鉢植えでも育てられるようで、一株、植えておくとレイアウターさんには便利かも知れませんね。
 HOnなどに使うやや大きな樹木の場合はツツジの枝もいい感じで使えます。
 外へ出るのが面倒だという方はつまようじでもOKですが、つまようじの幹は塗装が必要になります。

 


 この樹の葉は、株の表面は緑色できれいでも、中の方や下の方は枯れ枝が密集してることが多いです。
 株が弱ってはいけません(笑)ので、剪定よろしく適当に間引いてあげます。作業は、ビニール袋と剪定バサミ(又はニッパー)を持参しますと便利です。
 くれぐれも、元気な枝をむやみに切ったりしないでください。枯れ枝とか、結構株下にも落ちている枝があるのでそういうものを採集します。
 このようにして採集してきた枝は以下のような感じです。長さは適当に30mm〜100mmまでいろいろです。

  


 持ち帰った枝は成形し、小枝などを取り除いて基本的に一本立ちの形状に仕立てます。
 これに、フォーリッジクラスター(明緑色)をちぎったものをボンドG17かGクリアーで貼り付けます。
幹の塗装は不要で、できあがった樹は以下の通りです。この写真の樹木は植えたときに20mm〜50mm程度のものです。
 現在までに8年以上の使用実績があり、耐久性の面では問題無いようです。レイアウト中に植えた様子は、各製作記のページをご参照下さい。

  



●キンモクセイの木材のこと
 積み荷などに用いる木材はなかなかいいものが見つけられずにいました。
 最近になって、キンモクセイが使えることを発見し、試しています。
 キンモクセイは枝の切断面が緑色で、だめだなぁ〜と思っていましたが、1週間ほども乾燥させると白〜茶になって違和感が減少します。
 下の写真の右側のものが切断直後。左側のものは1週間放置して乾燥したものです。
 横に飛び出た小枝もはぎ取り、その時ははぎ取ったところが緑色になりますが乾燥で気にならなくなります。

 

 太さは2.5mm〜8mm程度のものを用います。
 Z(1/220)スケールで、最小でも実物換算直径50cmとなります。HOnでは20cm〜60cmと運材台車にぴったりのサイズです。
 我が家では庭にキンモクセイを植えていますので、この樹木はタダでできます。
 以下は、運材台車に載せてみた様子です。

  



●レンガや石垣に紙粘土をぬること
 プラスチック製のレンガトンネルポータル、石垣などはツヤがあるとあたかもプラスチック丸出しですから、つや消しの塗装を施します。
 ただ、塗るだけでもいいのですが出来映えが単調になります。
 紙粘土を塗装前に、適当に薄く塗りつけてから塗装することでより実感のあるものになります。
 紙粘土には必ず少量の木工ボンドを混ぜます。そうすることでひび割れを防ぎ、耐久性を向上できます。
 紙粘土が乾いた後から、水性アクリル塗料(タミヤなどの品番XF-***というやつです)を薄めて(薄めた方がいい感じになります)塗ると、レンガや石垣に変化が出ます。ちょうど、レンガや石垣に土砂が流れたものが付着した様子とか、そういう感じの表現ができます。
 この方法は、建物の壁、家の瓦屋根、わらぶき屋根、鉄橋などにもいろいろ使えます。
 紙粘土のほか、プラスターでも同じ効果が得られます。
 下の写真はグリーンマックスのトンネルポータルにプラスターを施した例です。
 Nゲージの小型レイアウト(3)の駅ホーム前の石垣も参考にしてください。

 



●ピンセットを乱用するあらわざのこと
 モデラーさんには大ひんしゅく、ピンセットをキリの代わりに使ってしまう、超あらわざ。
 道路標識を取り付けたり、鉄路柵やガードレールを取り付けたりするのにピンセットを使用しますが、取り付け穴もピンセットであけてしまうと作業がとてもはかどります。工具の持ち替えが要らず、穴あけの際に木屑が散乱しないと言うメリットもあります。
 ステンレス製で先の尖った、比較的安価なピンセットを別途用意します。以下の写真のように。


  



●樹を増やすあらわざのこと
 樹はたくさん植えようとすると、手間も大変ですがコストもかかります。
 樹はウッドランドシーニックス社の「針葉樹キット(42本入)」をメインに用いたのですが、このキットにはNゲージ用としても高すぎるものが含まれます。そこで、1度植えてしまった樹を切断して、本数を都合2倍にする荒技を使いました。

 手順は、以下のような感じです。


  

  

この手順で、40本ほど樹を増加させました。
 既にレイアウトが完成している方には意外といい改造手法だったりしますので、要検討ですよ。



●バラストまきのこと
 バラストをまいてから固着するのには木工用ボンド(水性の酢酸ビニル系接着剤)を水で薄めたものに界面活性剤として台所洗剤を数滴加えたものを用いるのが一般的です。
しかし、私が使用したウッドランドシーニックスのバラストもそうですが軽石や天然の石でできている小粒のバラストは、購入時は粉まみれでややほこったようになっていて、そこに、前記のボンド水をスポイトでたらしても、はじいてしまって表面張力でバラストが崩れてしまったりします。
 それで、通常はボンド水の滴下前に、洗剤を加えた水を霧吹きでレイアウト全体に吹いてあらかじめバラストを湿らせるのですが、その際、ポイントなど濡らしたくないところにはカバーが必要ですし、レイアウト上だけでなく、その周辺までびっしょりと濡れてしまいます。

この対策として、一手間かかりますが良い方法がありますので紹介いたします。

・先ず、タッパーなどの容器を用いて、水でお米を磨ぐように水に濁りが無くなるまでバラストを洗ってしまいます。(下の写真)
・何度かゆすいで水の濁りが少なくなれば、最後に洗剤を少量加えて水を切り、乾かします。
・乾燥は自然に放置すると1日かかるので、ドライヤーなどを使います。
 (ガラスケースを使えば電子レンジも使えるようですが、少しずつ加熱する方がいいでしょう)
・そして、生乾きのところ、まだ、石の表面は水ぬれの色は残っているけどパラパラになったというところでやめ、バラストまきを行ないます。

この状態で、バラストが完全に乾いてしまう前に、前記のボンド水をスポイトで滴下すると実に良くなじんでくれます。
もし、まいている途中で容器内のバラストが乾いてしまったら霧吹きか、適当に水分を加えて混ぜ直せば生乾きに戻ります。

また、まいたバラストが作業途中で乾いてしまっても、前記の洗う作業を入れるだけでずいぶんボンド水のはじき具合は改善されます。



 水に浸けるとこんなに濁るほど「バラスト粉」が混ざっています。この写真はウッドランドシーニックスのミディアムサイズです。
Tomixのバラストは、重く表面につやがありこのような作業は必要ありませんが、Nには大きすぎるという欠点があります。



●レールクリーニングのこと
 レールクリーニングにはTomixのマルチレールクリーニングカーを用いていますが、部分的な汚れの清掃には「わりばし」を用いています。布やガーゼを直接、又は、わりばし等に止めて、クリーニング液などをしみ込ませて拭くのが通常と思いますが、私の場合は、わりばしの端面で直接線路を拭いています。
 フレキではあまり問題はないかもしれませんが、私のように道床付きレールでレイアウトを構成した場合、布やガーゼがレールの接続部分に引っ掛り、クリーニング作業時の大きなストレスになります。わりばしは布のようにクズがレールのつなぎめに残ることも無く、多少の力も入れれるのでこびりついた汚れも落とせます。当初、わりばしの先に布を付けていたのですが、少し掃除するとすぐに布に穴が空いてしまい何のために布を付けているのやら... といった始末でした。
 レールにも特に悪い影響があるとは思えませんし、気に入っている方法です。わりばしの端面はすぐに黒い筋が付くので少しづつずらしたり、切断しながら使います。
また、この方法はレール面の塗装を落とすときにも使えます。この場合は通常のわりばしよりも竹製のわりばしがお勧めです。

 一方、前述のTomixのマルチレールクリーニングカーについても気に入って使っていますが、これはTomixの常点灯対応パワーパックでないとパワーがいまひとつです。当初、N-500を用いていましたがディスクの回転もそこそこで、低速走行ではパワー不足でした。N-1000-CLを使うととても強力で吸引モードでは固着が十分でなかったバラストまで吸い上げます。
 それと、湿式クリーニング時の牽引は、やや大きめの機関車か重連でないとポイント部分等で少し引っ掛りが出ます。
 なお、説明書にはKATO等の他メーカの常点灯対応コントローラでは使用しないようにとの注意書きがあります。


  

こんな感じです。写真のように手の届かないところを磨けます。これは、折れにくい竹製のわりばし。



●リレーラのこと
 ずっと以前にリレーラにアルミフォイルを貼って使っていました。蒸機など車輪の多いM車には便利でしたが、アルミフォイルは貼るのが面倒でした。
 最近では裏に粘着性のある銅テープを用いたものを使っています。銅テープは、以前は一般では入手が困難でしたが、近ごろは園芸店でナメクジよけ等として入手できます(植木鉢の周囲にぐるりと貼るとナメクジが登ってこれないんですねぇ)。その後、大手の100円ショップ等でも「銅箔テープ」を見つけ、おどろきました。
 軽いボギーのM車では、フランジの先との接触が甘く効果薄ですが、そこそこ重量のある蒸機等ではなかなか役に立ちます。
 完成品が津川洋行で入手できるそうです。
 どうしても接触不良は生じますので、載せるだけでは上手く動かない事が多く、動力車を軽く上から押してやるなどのオペレーション上の工夫は必要です。でも、通常のリレーラーに比べるとずっと良いです。



 間隔は6-7mm程度としていますが、もう少し狭くてもいいです

 

 集電のため、テープは裏側まで貼っています



●デフォルメのこと
 ずっと、デフォルメが嫌いでした。KATOの蒸機もどれも1/140程度の大きさで気に入りませんでした。
 しかし、ほぼ、正確な1/150のアリイの蒸機を見て、「なんて小さいんだ!」、「なんて、がに股なんだ!」と感じてから、どうやら、人の脳というのは上手い具合に適度な補正を掛けているのだということを勉強しました。それからはKATOの蒸機の大きさも気にならなくなり、むしろバランスがいいなあと感じれる様になりました。

 私がレイアウト上で、意識的に実施・考慮しているデフォルメはあまり無いのですが、以下の点を意識的に実施しました。

・樹木を大きめにしています。一方、山上の樹は小さくしています。
・道路をやや狭くしています。広すぎると小さなレイアウトではかえって不自然なようです。
・バラストはやや大きめでも違和感が無いようです。


 デフォルメというのは、過ぎると下品で違和感も出てきますが、適度に取り入れることで実感が増して、とても良い効果が得れるものです。
一方、カーブについては、実感を損なわないためにできるだけ大きなRをとるべしというのが当たり前になっているようですが、注意深く見ればR=243もR=317も大差なしというのが本音です。無理してR=317やR=280を使うより素直にR=243を使ったほうが他にしわ寄せがこず、かえって自然かもしれません。

 それに、鉄道模型の様な急カーブは実際には曲がることができないのでありえないと言われますが、私がいつも利用している「能勢電鉄」には、昭和50年ごろまでホンの1km程の区間にR=40mが3〜4か所もありました。R=40mはNスケールではR=267です。それでも立派に標準軌で18m級の電車が走っていました。それよりも前はR30を切るカーブが点在していたようで15m程度の電車でしたがちゃんと2輛以上で走っていました。現在でも、鉄道模型なみの相当急なカーブ(制限35km/h)が一か所だけ残っていますが、さすがにR=97だそうで、1/150換算で647mmです。
 急なカーブは、180°全部が見渡せてしまうと確かに不自然ですが、シナリーやストラクチャの工夫でかなりカバーできます。効果的なジオラマがあるR243に比べると、ベニヤ平原のR317の方がずっとカーブがきつく見えるもんなんです。



●側面の塗装のこと
 こんなこと、Tipsとは言えませんが、要するにでき上がったレイアウトの側面のことです。
 所詮、山の断面だったり、地面の断面であったりして、「眺める対象」ではないですから、どうでもいいはずです。側面もレイアウトパネルのウラ面のようなものなんて思っていました。
 側面はウラ面とは違って確かに目には入りますが、そこをグレーに塗ろうがブラックに塗ろうが、あるいはニス塗りしようが、それを鑑賞するわけではありませんので、私の場合、興味の対象から外れていました。
 しかし、塗装をすると、製作したレイアウトがワンランク良い出来に見える事も事実です。レイアウトの側面は、写真や絵画における額縁と考えて下さい。是非とも、側面は塗りましょう。
 色はブラウン〜グリーン系がよく、ブルー、イエローなど派手な色は逆効果となります。また、一見良さそうに感じるグレーやブラックも、ローカル線のレイアウトではかえって人工物であるイメージが強くなりお勧めできません。つやあり、つや消しは好みの問題で、つや消しの方がしっとりと情景になじみますが、つや有りもレイアウトを「作品」として引き立たせるのになかなか良い効果があります。



鉄道模型の小型レイアウトのホームへもどる