虫歯予防
歯磨剤による虫歯予防
歯磨剤は使用した方がよいか
歯磨剤の効果については日本歯磨工業会という団体のHPに詳しい紹介がなされています。虫歯予防の観点からは歯磨剤(歯磨き粉)の仕様をお勧めします。理由としては
- 歯ブラシだけよりもプラークを落とす効果が高まります。
- 市販のものはほとんどフッ素が含有されたおり予防効果が高まります。
歯磨剤のフッ素
歯磨剤に含まれるフッ素の作用機序
歯科医院で塗布に用いられるフッ素は9000ppm程度のリン酸産生フッ化ナトリウム(APF)溶液です。高濃度フッ素をエナメル質作用させるとフッ化カルシウムが形成されるといわれています。これは最終反応物ではなく、唾液タンパクの影響を受けて純粋なフッ化カルシウムではなく、フッ化カルシウム様物質としてして存在します。この物質はエナメル表面のpHが下がると溶解してカルシウムイオンとフッ素イオンの供給源となります。このイオンににより、歯質はコートされ、脱灰抑制と再石灰化促進がおこると考えられています。この作用が起きる最低濃度は0.05ppmとの実験結果があります。(Featherstone 1986)
歯磨剤に含まれるフッ素はこのイオンコートに必要なフッ素イオンをダイレクトに供給することにあるといえます。
歯磨剤のに含まれるフッ素
歯磨剤には通常950ppm〜1000ppm程度のものが多いようです。含まれるフッ素の種類はモノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化ナトリウム、フッ化第一スズの3種類がありますが、市販のものの大部分は前2者です。研磨剤の種類により使い分けていますが、いずれの種類のフッ素でも予防効果に差はないとされています。
フッ素イオンが作用を表わすための最低濃度は 0.05ppmであることは前述の通りですが、この濃度を得るためには歯磨剤は0.5g以上使う必要があることが実験で分かっています。またゆすぎ方によっては口腔内に残留するフッ素イオンの濃度は大きく変わってきます。
歯磨剤のフッ素の効果を得るための注意事項
一定量以上0.5.g(植毛部の半分程度)の歯磨剤を仕様すること
過度に洗口しない。口に含む水の量は20ml程度で、2〜3回ににとどめる
ブラッシング後1時間程度は飲食しない。就寝前の歯磨きのあとは飲食しない。
歯磨剤の例
歯磨剤は大きく分けて虫歯予防を主体とするものと歯周病予防を主体とするものと2種類に分けられます。基本的にはどちらもフッ素を含有しており虫歯予防に効果があります。後者はフッ素の他に殺菌成分が含まれています
この範疇に入るもので、現在、市販されている歯磨剤は基本的な成分にはほとんど差がないと考えられます。
ここに一般的にドラッグストアーや通販で入手可能な商品を例示します。
商品 |
成分 |
特徴 |
(薬用成分)フッ化ナトリウム、(湿潤剤)ソルビット液、プロピレングリコール、(研磨剤)非晶質無水ケイ酸、(香味剤)香料/マイルドピュアミントタイプ、キシリトール、(粘結剤)キサンタンガム、ポリアクリル酸ナトリウム、(発泡剤)ラウリル硫酸ナトリウム、(保存料)パラベン |
低発泡・低香味組成でフッ素を口腔内に保持しやすい少量洗口法(Check-Up法)が指導できる (メーカーサイト) |
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GC プロスッペク |
0.2%フッ化ナトリウム(フッ素900.ppm),グリチルリチン酸ジカリウム、塩酸クロルヘキシジン |
0.2%フッ化ナトリウム(フッ素900ppm)を配合し、歯質の再石灰化を促進。塩酸クロルヘキシジン(殺菌効果)、グリチルリチン酸ジカリウム(消炎効果)、キシリトールも含まれており、口腔内の健康を幅広くサポートします。ブラッシング指導に適した低研磨性、低発泡性、低香味も備えています。 (メーカーサイト) |
花王 クリアクリーン |
薬用成分 モノフルオロリン酸ナトリウムフッ化ナトリウム グリセロリン酸カルシウム 清掃剤 |
初期むし歯の再石灰化を促進する2つのフッ素(MFP/NaF)配合で、むし歯の発生と進行を防ぎます。 歯へのフッ素吸着を高めるGPカルシウム配合。 |