◆兵学の部屋 統帥綱領&作戦要務令
 
 
 
 
◆統帥綱領
ゴールを征服したのはシーザーに率いられたローマ人であって、たんなるローマ人ではない。
 
◆統帥綱領
どんなに立派でも、敵に勝てない将帥には、部下はついて来ない。
 
◆統帥綱領
大軍の指揮とは、方向を与えて、後方を準備することである。
 
◆統帥綱領
戦いの法則は自ら案出し、または戦闘間、新たに工夫したものが最高である。
 
◆統帥綱領
将帥は超然として大勢の推移を達観せよ。
 
◆統帥綱領
命令の意味をほんとうに理解できるのは、発令者だけである。
 
◆統帥綱領
戦いにおいては、彼我ともに過失、錯誤が続出し、予期しない事変は随時随所に発生し、彼我の弱点、危機はいたるところに続出するのが常態で、指揮者はつねに悲観と楽観の波にゆられ、手に汗を握る立場におかれるのが普通である。
故に信念のない者、積極的主動の精神に乏しい者は、この悲喜交々千波万波にほんろうせられて、ついに心理の平衡を失し、指揮の節調を乱し、捕えうべき戦機も逃がし、部下の努力を分散消滅させて、その総合威力を発揮することができず、自ら敗戦を招いてしまう。
 
◆統帥綱領
戦いが始まると、予見や広く見ることは困難になる。  多くの場合、ただ目前の暗黒中の一時的に光に照らし出された範囲の情景によって、全般の情勢を洞察し、自分のなすべきことを判断しなければならない。
 
◆統帥綱領
決戦というものは、彼我ともに勝利を欲し、勝つ自信があるからおきる。  抗争が頂点に達するとき、戦況が混沌として、勝敗の前途がわからなくなるのは当然である。
 
◆統帥綱領
古来、反動心理の衝動によって失敗した将帥が多い。
 
◆統帥綱領
意外な戦況の急変により精神が動揺したときは、しばらく冷却期間をおき、心理の平衡回復をまって、おもむろに決心する方が、むしろ有利である。
 
◆統帥綱領
統帥の中心たり、原動力たるものは、実に将帥にして、古来軍の勝敗は、その軍隊よりも、むしろ将帥に負うところが大きい。
戦勝は、将帥が勝利を信ずるに始まり、敗戦は、将帥が戦敗を自認するによって生ず。  故に戦いに最後の判決を与うるものは、実に将帥である。
 
◆統帥綱領
戦いは彼我の自由意志の衝突で、戦勝とは、すなわち意志の勝利である。  勝利は物理的破壊でのみで得られるものではなく、勝利を得ようとする敵の意志を撃砕することによって、はじめて獲得できる。
 
◆統帥綱領
将帥の責務は勝つことである。
 
◆統帥綱領
将帥は、将帥であるという責任観念と戦勝の信念をもたねばならない。  将帥の価値は、その責任感と信念との失われたる瞬間に消滅する。
 
◆統帥綱領
敵に勝つため、将帥に必要なことは、まず自ら必勝の信念をもち、部下の信頼を得、部下に確信を与え、これを総合して、敵に集中指向することであり、これは戦略戦術の巧拙よりも大切である。
 
◆統帥綱領
戦争における勝利は、計画の巧なるより、実施において堅忍不抜なるものに帰する。
 
◆統帥綱領
戦争においては、百の知識も一つの信念によって撃倒される。  死生の巷において、一つの事をなしとげるものは、知識ではなくて信念である。
 
◆統帥綱領
役所の勤務は、将帥に必要な性格を消耗する。
 
◆統帥綱領
将帥には、部下の行動に正しい目的を与え、その努力を有意義にする義務がある。
 
◆統帥綱領
将帥の真価は、難局に際して発揮される。  危急存亡の秋に際会すると、部下は仰いでその将帥に注目する。
 
◆統帥綱領
将帥は事務の圏外に立ち、超然として大勢を達観し、対局の考案指導に専念して、適時適切な決心をしなくてはならない。
 
◆統帥綱領
将帥が事務に超然として大綱を把握するためには、責任を恐れない勇気と部下を信任する度胸とが必要である。
 
◆統帥綱領
参謀、特に参謀長を信用せず、しかもこれを更迭する英断のない将帥の統帥は、多く失敗する。
 
◆統帥綱領
信念のない将帥は、状況の不明、事態の混乱、眼前の細事にとらわれて、適時適切な決心をすることができない。
 
◆統帥綱領
将帥の心を圧迫するものは、
 1)重大なる責任
 2)勝を争う実敵
 3)上下級指揮官の意志の自由
 4)国内の世論、政治の干渉
 5)戦場における状況の不明と錯誤
である。
 
◆統帥綱領
中間指揮官の煩わしさを思えば、最上級と最下級の指揮官は、最も楽な立場にあるともいえる。
 
◆統帥綱領
中間指揮官は、上級と下級の指揮官の間に立ち、さらに左右隣接の同級指揮官に挟まれながら、意志の自由を発揮しなくてはならない。
好機を逸するおそれがあったため、中間指揮官が独断で命令を下した後から、これと反対の命令がきて困ることが少なくない。  中間指揮官の心労を少なくするため、上級指揮官は先を見て、早めに方針を示し、細部に干渉しないようにつとめなければならない。
 
 
 
◆作戦要務令
独断専行に当たっては、常に上官の意図を明察し、大局を判断して、状況の変化に応じ、自らその目的を達しうる最良の方法を選んで、機先を制しなければならない。
 
◆作戦要務令
戦闘指導の主眼は、たえず主導の地位を確保し、敵を致して意表に出て、その予期せざる地点と時期とにおいて、徹底的打撃を加え、すみやかに戦闘の目的を達成するにあり。
 
◆作戦要務令
戦闘の勝敗まさにわかれんとするや、戦勢混沌として、戦闘惨烈をきわめるが、指揮官は、敵もまた我と同一もしくはそれ以上に苦況にあることを思い、必勝の信念のもとに、堅確なる意志をもって、当初の企図を遂行しなければならない。
 
◆作戦要務令
戦闘部署の要訣は、決戦を企図する方面に対し、適時、必勝を期しうる兵力を集中することである。
 
◆作戦用務令
所要に充たない兵力を逐次使用すると、つねに優勢なる敵と戦わねばならない。
 
◆作戦用務令
予備隊は主導的に使わねばならぬ。  不時の破綻を防ぐだけでは、成功しても元々で、収穫にはならない。  予備隊を損害の大きな戦線に注入すると、再び同じ結果に陥る。
 
◆作戦要務令
指揮官は軍隊指揮の中枢で、団結の核心である。
故につねに強き責任感と意志とをもって職責を遂行するとともに、高き徳性を備え、部下と苦楽をともにし、率先躬行、軍隊の儀表として尊信をうけ、危機に際しても、部下に絶対の信頼感をもたせなければならない。
 
◆作戦要務令
大切なときに、何もしないことと、ためらうことは、指揮官の最も戒めなければならないことで、これは方法を誤るよりも悪い影響を部下に与える。
 
◆作戦要務令
指揮官の位置は軍隊の指揮に重大な影響を及ぼし、また軍隊の士気を左右する。  故に指揮に便利で、連絡が容易であるとともに、その威徳を軍隊に及ぼしうるように、選定する。
 
 
 
 
 
 
 
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