◆兵学の部屋 呉子
◆一人戦いを学べば、十人を教え成す。 十人戦いを学べば、百人を教え成す。 万人戦いを学べば、三軍を教え成す。
◆国家を図る者は必ずまた百姓を教えて万民に親しめり。
◆背低きには矛を持たせ、背高きには弓を持たす。
◆進めば重賞あり、退けば重刑あり。 これを行なうに信をもってす。
◆賞は信、刑は察にして、発するに必ず時を得。
◆兵は治をもって勝となす。 兵にして法令明らかならず、賞罰信ならず、金するもとどまらず、鼓するも進まずば、百万ありといえども用をなさず。
◆攻め太鼓は耳をおどし、旗信号は目をおどす。 禁令罰則は心をおどすものなり。 耳は声におず、声は清からざるべからず。 目は色におず、色は明らかならざるべからず。 心は刑におず、刑は厳ならざるべからず。
◆刑を厳にし、将を明らかにするは、恃むところにあらざるなり。
それ号を発し令を施しては、人、これを聞くを楽しみ、師をおこし衆を動かしては、人、戦うを楽しみ、兵を交じえ刀を接しては、人、死するを楽しむ。 君主のもってたのみとすべきはこの三なり。
◆将、士卒と離れたるは撃つべし。
◆寡人不才なるに、群臣およぶ者なし。 楚国危うし。
◆善将は、漏船の中に坐し、焼屋の下に伏するが如し。 敵を受くるも可なり。
◆勇の将におけるは数分の一のみ。
◆戦いの要はまず敵の将を占う。