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ふりーはーとメールマガジン ==================================2003/03/16
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[ふりーはーとのメッセージ]
● 「あいうえお」の逆襲
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Ａイミくん，Ａキタ君，Ａダチくん，Ａリモリ君…。
ノーベル賞の田中耕一さんが，学生時代の想い出を問われ，「一番良かったことは『卒業できたこと』，今でも，『単位』が足りない夢を見る。」とあった。
流石に卒業後三十年近く経ったので，最近はそんなこともなくなったが，結構，試験を受けそこなう夢とか，単位がどう数えても足りない夢を結婚する位まではよく見たものだ。
小心な当ふりーはーと（蚤心）子（「まんま」じゃねぇか！）も，ちゃんと真面目な学生生活を送ってゐたのだ。
ほとんど試験の成績だけで単位をくださる先生もおられたが，演習とか実習は出席日数がものを言う。大講義室では出席をとるだけで時間を要するのでカードへの記入方式がとられた。「美学」の教授なんぞは毎回色違いのカードを自作してきた。あまり出欠を厳密にやると学生はその教授等に「陰険」の烙印を押した。
冒頭の「Ａイミくん，Ａキタ君，Ａダチくん，Ａリモリ君，Ｉケシマくん，Ｉナムラ君…」と言うのは私がいたクラスの学籍番号順であり，通常，出席をとるときは，この順に呼ばれ返事をすることになる。（「あ」で始まる名字の者が四人もゐたのだ。）
何故か「あいうえお」順，これは小学校以来，変わらない。
Ａリモリ君は「四番目」に呼ばれ，「こんなことは初めて（二番目ってのはあったが）」と言ってゐた。
小生の名字は「Ｗ田」だから，いつも最後か，いいとこラスマイであった。
あとは「ゐう（wo）ゑを，ん」，そんな音で始まる者は勿論ゐなかった。
家人は「私のクラスはアルファベット順」と教えてくれたが，どうせ「Ｗ」ではお終いの方だ。「Ｘ」は日本人には先ずゐまいし，あとは「Ｙ」「Ｚ」か。山田，財津…。
父が「昔は確か，いろは順もあった」と言ってゐた。ならば，１３番目で大いばり（？）だが…。
三十数人の我クラス，「あ」行がその大方を占めておったのだ。誰それの次はだれ，なんで未だにそんなことを覚えてゐるのか。
もはや時効と思うので告白するが「代返」と称して，友人の返事を代わりしたことが何度かある。
少人数だと結構難しいものだ。通常，一人できればそれで良し。
二人以上，それも続けて読み上げられる名前への対応は，困難と思える。
しかし，そこは心得たもの。落語の素養と日頃の訓練がものをいう。
右見て「はい」，左向いて「はあい」，上見て「ほい」，下見て「うほほい」…と，こなした。
最後に，自分の返事をするのを，うっかり忘れてしまい，講義のおわりに先生のところへ行き，学生証を示しながら，自己申告。
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後記：敬愛する東海林さだおさんに「アイウエオの陰謀」なる研究論文があるが，今回の題名はそこから勝手に頂戴した。
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