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ふりーはーとメールマガジン ==================================2002/11/03
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[ふりーはーとのメッセージ]
● 裏技
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その昔,柔道を少しやったことがある。
まったくモノにはならなかったが。
確か「返し技」と云う事はあった。曰く「大外返し」(大外刈りをかけて来たのを逆に強引に返す)等。シドニーのオリンピックで妙な具合に名を馳せた高度な「内股スカし」,これは,むしろ「スカし技」と云うべきか。
しかし,ついぞ「裏技」なる言葉は聞かなかったが,今時この「裏技」が全盛である。
裏があるのだから当然「表技」もあるわけで…。
どうも,訳が判らぬが,コンピュータと関連ありの言葉のようである。
今も昔もコンピュータは手順書(プログラム)に従い,一つ覚えの仕事をこなすに止まる。複雑な仕事を自在にこなしてゐるが如く見えてもそれは,手順書がいくらか高度になり,処理速度が向上した結果にすぎない。
従って,手順書に無いことはやれない訳で,放っておけば,ちんたら手順を追うばかりである。通常,目的外使用しない訳だから,一向に構わぬが,開発する段階であれば,様子は少し変わって来る。随所で止めたり,手順を飛ばしたり出来るようにしておかないとやってられない。
製品として完成させる場合には,これら開発段階でのみ使用された部分はきれいに取り除かれるのが普通である。
たまたま,開発用に付加していた部分が製品版に残ったりすれば,これは仕様外の手順であり,その使い勝手がユーザにとって都合が良いものならば,すなわち「裏技」とでも呼ばれるのであろうか。
「裏」と云えば,なんだか後ろめたさのようなものがあっても良いと思うがいまや,公然と「裏」が表舞台で大活躍,なんだか判らぬ。
突然話変わるが,長らくブルーノートで録音技師をつとめたルディ・ヴァン・ゲルダー(RVG)氏が自ら昔,録音したオリジナルテークのアナログ・テープやダイレクトカットしたラッカー・ディスクから最新の機器を用いてデジタルリマスターして作ったCDは果たして音質的に優れてゐると言えるのだろうか。
いささかの疑いを持って聴いてみるのも一興である。
一見(聴)格段に良い音に聞こえる。
何故か。
大きな音で入れてあるからである。
今のオーディオ技術はCDに大きな音を歪ませずに入れる事を可能にした。
音が大きければ,良い音に聞こえるのは事実だ。
例えば同じ録音内容のブルーノートレーベルの通常のレコード(CD)屋で千八百円で売られている東芝EMI盤(紙ジャケでない方)と輸入の米キャピトル盤のRVGリマスター盤(千五百円程)を続けて聴く場合,同じ音量で聴きたい思うならボリュームツマミ二目盛(当家比)位は下げなければ,やかましくてたまらぬ。
同じ音量にして,微細に聴いてみると,なるほどRVGリマスターの方が音の輪郭というか,メリハリというか,エッジの部分がいくらかはっきり,くっきりと聞こえるようだ(ちなみにこれは小生の感想ではない)。
小生自身は,年齢と共に随分聴力が落ちてきており,テレビジョンの音量を我知らず上げすぎていて,いつも家人に注意されることは前に書いた。音質がああだ,こうだと云ひ得る耳を持ち合わせていないが,ほんのちびっとだけリマスター盤に利がありそうである。
最近は,5.1チャンネルとか称して音に囲まれ音場が自在に空間を飛び回る再生が好まれると聞くが,なあに,こちとらそんなモノは望んじゃゐない。モノラル(1チャンネル)で構わぬから,たとえばピアノはピアノらしい音で鳴って欲しいだけなのである。
そこで,「裏技」と云うほどではないがひとつのアイデアを(マルチチャンネルを「表技」とするなら,やはり「裏」かなぁ)。
最近のスピーカーは高音も低域ものびすぎる位,のびてゐます。
結果,どうしても中域がへこむ。
そこで10センチか16センチのフルレンジスピーカーを追加(出来ればアンプも別に繋いで)してやります。
これで管楽器等が前に出てきます,出過ぎるようなら音を絞ればよろしい。
実は,某ワンショットジャズバーもこの構成で鳴ってゐます。
(中域を持ち上げるのに好適なオーラトーンのキューブ型フルレンジスピーカー)
---大きさは右のCDケースを参考に---
ところで,録音技師ルディ・ヴァン・ゲルダーの功績たるや,それこそゴマンとあります。彼は自宅の居間を改造したスタジオを長らく使ってゐたが,流石にグランドピアノは一台きり置けない。そこで,子どもが連弾するように同じピアノをセロニアス・モンクとホレス・シルヴァーが弾くと云うなんとも夢のようなセッションの録音が残っています。
「ソニー・ロリンズ巻2(blue note1558)」の三曲目で,その「夢」が聴ける。
訥々としゃべってゐたピアノが演奏の途中から突如,流麗に歌い始めます。
しかし,エンディングの方はまたモンクが弾いたんじゃないかな。
なんだか,そんな気がします。
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後記:相変わらず散漫な内容で申し訳ない。
この「ソニー・ロリンズ巻2(blue note1558)」の一曲目でロリンズが三回も「出とちり」をやっています。完璧主義のプロデューサー アルフレッド・ライアンがこのテークでOKしたとは驚きです。ロリンズ嫌いの小生がこのテークを聴いて突如,彼を好きになりかけています。この話はまたの別の機会に。
今号は都合によりいつもより少し早めに配信させて頂きました。あれよあれよという間に,はや十一月。風邪など召さぬ様にお過ごしください。
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配信時の内容が訂正,改稿されている場合があります。
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