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ふりーはーとメールマガジン ==================================2002/09/08
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[ふりーはーとのメッセージ]

●  夏を追いかけて  

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 遅い夏休みをとらせて貰って,リゾート行きとしゃれ込んだ。
 なあに,他意はない,八月過ぎればパック旅行も値下げになるのだそうな。
 この度のワールドカップの三試合が行われた韓国は済州(チェジュ)島が良かろうとの息子達からのすすめもあって決めた。

 一日は,タクシーを頼んで島内観光をしたものの,後は東シナ海をぼんやり眺めて過ごした。
 台風十五号が通過後すぐの日程で気はもめたが,済州島は運良く台風通過コースの西であったため被害は少なかった由。
 本土(韓国)では四十年振りの大きな台風被害と現地テレビニュースが報じていた。
 ただ,済州(チェジュ)のサッカースタジアムのテント屋根が一部吹き飛ばされる被害はあった(現地で確認)。

 パック旅行とは云いながら往復の航空券,ホテルの宿泊,着いた日の夕食のみで「あとは勝手にしなさい」というもの,これが実に良かった。

 唯一のお仕着せの夕食はホテルのそばの店で「プルコギ(すき焼き風焼き肉)」を食べさせられた,不味くはないが美味くもないと云った程度,「チジミ(韓国風お好み焼き)」,「ユッケ」とメクジュ(ビール)とソジュ(焼酎)を追加した,この店値段は高いは,日本人だけ別の部屋に入れるはで散々だった。ユッケをちょこっとしか混ぜずに口に運んでいたらお姉さんが飛んで来て,ちゃんと引っかき回して食べろとうるさい。郷にいれば郷に従えである,ちしゃ(萵苣(サンチュ))の上に焼肉,コチジャン,キムチなど置いて頬ばる食べ方が普通なのはご承知のとおり,逆に口中にて調味する食べ方は,むしろ日本独自のものだ。

 タクシーの値段は驚くほど安い(黒塗りと他の色で違う),もっとも日本が高すぎるのだろうが。
 七時間乗り放題で,日本語の分かる運転手さんでとの条件を付けたが九千円から壱万円とのことであった。
 私たちが乗せて貰った運転手さん(梁さん)は現地出身の方であった(もともと済州は「夫」,「梁」,「高」の三姓,それぞれの先祖が出て来たとされる「三姓穴」と云う伝説の旧跡がある)。
 島の東端にある「城山日出峰」と云う名所に行き,このそばで運転手さんと一緒に「海鮮鍋」を頂いたがこれが実に美味かった。特に何がと云うのではないが,そこらでとれた活きの良い魚介類が鍋に山盛り入れてある,唐辛子,香草での味付けだが汁にダシが出てなんとも知れず,汗を拭きながら食べたが,これは癖になりそうな味でした。

 運転手さんが他に何が食べたいか問われたので迷わず「サンゲタン」をあげたら先のサッカースタジアムから遠くない場所に美味い店があると云う,自分でも済州で一番美味いと云われる店とか,高い店に行ったが,サンゲタンはそこのが安いし最高とのことで,帰りにその店の前を通ってくれた(これが後で役に立つ)。
 ハングル文字が読めない私たちとっては,それでも心許ないので,別れ際,メモを書いてもらった。
 実はこのサンゲタン,以前,ソウルの名店で食べたことがあるが,体のコンディションがイマイチでゆっくり味わえなかったので,いつかリベンジをと思っていたものだ。
 若鶏を一匹丸ごと使う,内臓の代わりに餅米,朝鮮人参,ナツメ他のものを詰めてじっくり煮込んだ優れものである。
 夕方,ホテル前でドアマンの方に件のメモを示してタクシーを呼んで貰った。
 運転手が首を傾げたので大丈夫かとは思ったが,ドアマンが説明すると頷いた,スタジアムを過ぎ車は走る,案の定,店の前を猛スピードでとおり過ぎようとした,夫婦で声を併せて「ここだ!」と思わず叫んでゐた。
 店に入る,店の方が夕食をしていた,店内は広いが客はいない。
 おそるおそる「アンニョンハセヨ。サンゲタン,ジュセヨ。」と私。
 にこにこして席に着かせてくれた。
 付け合わせがずらりテーブルに並ぶ,「メクジュ(ビール)」を注文。
 程なく,ぐつぐつ煮え立って鶏一匹丸ごと入った鍋が二つ運ばれて来た。
 絶品。
 上にあしらわれた刻みネギは昔のネギの味がした。
 外のスープの方には餅米でなく普通の米が入れてあり,鶏の中の餅米と不思議なハーモニーを醸す。
 朝鮮人参も大蒜(ニンニク)もとろけるようだ。
 これは,旨かった,午(ひる)に食べ過ぎたのどうのこうの云ってゐた妻もちゃっと鶏一匹,平らげた。
 私たちが食べている最中,電話がひっきりなしにかかってゐた。
 後,どんどん客がやって来て私たちが引き上げるころにはほぼ満席の状態,予約の電話だったのか。
 会計してもらって更に驚いた,これならタクシーで往復しても十分おつりが出る。
 かくしてソウルのサンゲタンの仇(かたき)は済州島でしっかり討たせて頂いた。

 通貨がほんの少し余ったので帰途,空港の待合いで立食いうどん(腰掛けたが)を食べた,これもダシが効いて旨かった,ただ,七味をかけようと唐辛子の瓶をほんのひとふりしたら,穴がずいぶん大きく,ドバと出て驚かされたが存外,辛くなかった。

 ホテルの海岸やプールで水浴する客も多かったので,夏を追いかけて行った積もりになってゐたが,帰ってきたら相変わらずの残暑,いつまで続く暑さやら。

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後記:ハングルは「カムサハムニダ(ありがとう)」しか憶えていなかったので,今回は少しだけ増やすことにした。と云っても「アンニョハセヨ(こんにちは)」と,「***,ジュセヨ(***をお願いします。)」で通した。情けないがこれで,なんとか過ごさせてもらった。ありがとうは「カンサンニダ」と発音したら上手く聞こえる由だが上手く聞こえるとかえってまずい,ヒアリングはまったく出来ないのに,黙ってゐて何度も韓国の人と間違われた。


済州島のシンボル(島中至る所にこのオジサンの彫刻がある)


サンゲタンの旨い店「トギョジュン」,ワールドカップスタジアムから坂を上がった所にある


トギョジュンの「サンゲタン」スープは未だグツグツ煮え立ってゐる


頼んだ料理とは別に出る「付け合わせ」,お代わり自由。
店によって特色がある,これだけで十分酒が呑める。

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