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ふりーはーとメールマガジン ==================================2002/04/21
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[ふりーはーとのメッセージ]

●  筍を焼く 

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 小生の生まれた家の西には山が迫っている。
 そこは孟宗竹の薮になっており,この時期当然のことながら,筍(たけのこ)が生える。
 子どものころは,毎日食卓にのぼる筍の煮付けに辟易したものだが,今となっては好物のひとつとなっており,シーズン中はわしわしわしわしと飽きもせず食べる食べる。
 実に美味い。
 できるだけ掘りだちのものに,米糠一つかみ,鷹の爪を入れて湯がく。
 あとはどう料理しようと構わない。
 やはり煮付けが一番飽きが来ないが,木の芽あえ,若竹汁,あつあつの炊き込み御飯,みな捨てがたい。

 ずっと以前になるが檀一雄氏(TVでご活躍中の「ふみ」さんや「太郎」さんの父君)の「檀流クッキング」を読んで憧れていた筍の食し方がある。
 例によって本の整理が悪くここに引くことができないが,概ね次のようであったと思う。

 筍掘りに行き現場でなければ,できない食べ方。掘りたてのものに根の方からドライバ(ネジ回し)で先に向けて穴をあける。この穴に醤油を流し込む。これを現場で焚き火をして焼くのである。現場以外では時間が経ってアクが回り決してできないとあった。

 実に美味そうではないか。
 孟宗竹と云うのはご承知かと思うが太い竹である,従って当然その筍も大きなものとなりがちである。
 落ち葉の間から頭を出したときには,もう相当でかくなってゐる。
 小振りな内に掘れれば良いのだが,素人では,なかなかそうは行かぬ。
 焼くと云うことになれば,小振りなものでなければならない。
 毎年そのサイズ故,歯噛みしていた。
 ところが,どうだ今年の筍,冬が早く過ぎた所為か頭を出しても小振りなものが多かった。
 早速先週,ガスコンロで試したが,これは上手く行かなかった。
 今の時世,焚き火もはばかられる。

 そこで,今週は満を侍していた。
 小生は,数年前から秋になれば気分次第で,承知されている方もおられるだろうが,七輪でサンマ等を焼くのを趣味にしている(某ビールのTVCMなどが流れるずっと以前からである。)。
 炭火をおこすのは消し炭(残り火を消し壺に入れて消した火の着きやすい炭)が無ければ難儀をするものだ。
 消し炭の常備が七輪を気安く使うコツである。
 話が逸れた。

 とれとれぴちぴちの筍を七輪で焼くことにしたのである。
 これは,実に上手く行った。
 檀先生の書かれたとおり,ドライバでできるだけ先まで届くほど穴を開け醤油を注ぐ。
 あとは,網で焼くだけである。
 皮が焼けて黒くなるほど焼いて大丈夫である。
 中は,程良い水分と醤油で蒸れる。

 さて,味であるが,これが美味いの美味くないの…勿論,美味いんですな。
 筍好きには,たまらんです。
 アク抜きなんざァ,糞喰らえだ。
 凝縮された筍のうまみ,ほんのり漂う竹林のかおり。
 これが,タケノコだ!
 ビールが呑みてぇ!

 なにも,そんなの興奮するするこたぁないんでありますが,条件さえ整えば(難しいですが),お薦めの食し方では,ございました。
 ただし,医学生にはお薦めできません。
 大きくなって薮になられちゃ堪りませんから。


○檀流クッキング  檀 一雄 著 中公文庫
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後記:筍を食い過ぎると,吹き出物が出たり,古傷が痛んだりするがなぜだか判らぬ。



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