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2001/11/18
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[ふりーはーとのメッセージ]
● 初霜
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6,7年前大変な渇水があった。
当時は,結構,野山を歩き回ることを好んだ。
その年の秋,樫や椎や楢の実(ドングリ,シイノミ)が一面に敷き詰めるほど落ちていた。
大きさこそ小ぶりな実であったが,その数たるや例年の数倍はあろうと思われた。
気象の異常に木々が敏感に反応したからであろう。
その反応に,自然は種(しゅ)の保存を最大命題として営みを繰り返しているのを強く感じた。
当地は温暖な瀬戸内であるが,この16日の朝は格別の冷え込みでうっすら霜が降っていた。
小生の家に10鉢ほどの洋ランがある。
なあに,わざわざ購入したものは1鉢もなく,みな,頂き物である。
ほとんどシンビジュームと云う丈夫で咲かせ易い種類ということらしい。
「らしい」というのは,小生の「担当」ではないからである。
このランたちが,夏のあいだは,屋外にゐて強い日差しをあびること,枯れない程度に水を浴びることで過ごしてくれているのだが,霜の降り始める少し前には家の中へと戻ってくる。
冬でも穏やかな日和の日には外へ出して水をぶっかける。
これら一連の作業で,どういうわけか,我が家にやって来たランは花芽をつけてくれる。
もともとの持ち主のご家庭では,何年経っても花芽がつかないと手を焼いておられたものが,うちに来ると不思議に1,2年のうちに咲くようになる。
肥料はほとんど施さない。
水は切れかけたころにやる。
根が鉢一杯にまわろうが,株分けなんぞするもんか。
乱暴な扱いが,ランに危機感を抱かせているのであろう。
危機感を持つことにより種の保存本能に目覚め花芽をつけることとなる。
ただ,花芽が育ち,蕾になるとこれからは乱暴に扱えぬ。
カーテンにひっかかったり,軽くぶつけたりするだけで,脆く落ちてしまうからだ。
このころから我が家では「ラン様」と呼ぶようになる(今や,組織培養技術などが駆使されるため,昔のような超高級花のイメージは薄らいでいるので「様」はないだろうと思うが。)。
こどもが無造作に,触りそうになると「あーーーっ」と云う声が飛ぶ。
理不尽な叱り方もする。
しばしば「お母さん,ぼくらとランとどっちが大事なん?」とむくれた。
「当然,ラン」とも言えぬ。
今年から,妻との二人暮らしになった。
冷え込むのが少し遅かったようだ。
霜が降り出す1週間前まで,ちゃんと戸外で危機感を煽られたランたち。
ことしは,どんな花を咲かせてくれるだろうか。
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後記:生物世界も人間の都合で,共食いの強要による狂牛病の発症,炭疸菌テロ。心穏やかならぬ日々であるが,季節は巡り来る。 ワダ
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