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ふりーはーとメールマガジン ==================================2003/08/03

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[ふりーはーとのメッセージ]

● アイナメの煮付け

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 例年より幾分遅れ気味であったが,やっと梅雨が明けた。
 待ちに待った灼熱の…と思いきや,この涼しさはどうだ。
 冷夏の予測も飛び交ってゐる。
 一足飛びに秋がくるのか。
 だからと云う訳ではないが,本「ふりーはーと」も,今号は早刷りさせて貰って,来週は「夏休み」を頂くこととした。

 駅前で待ち合わせて蕎麦屋の暖簾をくぐった。
 相手は同僚なんかじゃなく,なんと女性だ。
 「ようよう,ご両人」の声はこの際,無視しておく。
 「どうせいつものD黒屋だろう。」って,図星である。
 暖簾をくぐると,7時半位だったろうか,酒を飲む客,呑まぬ客相半ばであった。

 われわれの隣に腰掛けた呑み客が,なんだか旨そうに煮魚を食ってゐる。
 村松友視さんがサントリーのコマーシャルだったか,確か「ニューヨークにゐて,突然アイナメの煮付けが食べたくなった」とつぶやくのがあった。
 あとから来た客も,この煮魚を食ってゐる。
 家人が(早い話が,連れの女性は妻である。),あれを食べられるか私に問う。
 その前にバスの終便の時間を蕎麦屋のご主人に告げてゐたので,大急ぎで海藻の酢の物と練り物の山葵(わさび)添えを出してくれてゐたのだ。
 「んなこと,店の人に聞かなけりゃ,分かるはずがなかろうもん」と私(語尾に「もん」をつけて喋るのがここんとこマイブームである。)。

 聞けば,あと一尾だけ,閉店後,オヤジ(G生さん)が晩酌の「あて」にすべく残してあるのだと云う。
 これは,なんとしても,おねだりしないと。特に妻の所望とあらば,熱心ならざるを得ずだ。
 「店の内と外は,カウンターの上に見えない高い高い壁があって,これは決して互いに超えることのできない壁であって…」私が,得意の講釈をたれ始めるまえに,G生さんは,既に,アツアツの煮魚を皿に載せて,カウンターのうえにかざしてゐた。
 かたじけない。
 この煮魚,案の定,見事なアイナメ,その旨かったことと云ったらない。頬肉から目玉まで全部頂いてしまった。
 女房とて意が叶って,大絶賛である。最後の一尾と云う意識が味へ及ぼす影響も無視はできないが,これらを,さっ引(ぴ)いて余りある旨さであった。
 思わず,焼酎の蕎麦湯割りを追加した。

 バスの時刻が来たので名残惜しいが,席を立った。
 G生さんが勘定をしながら「あんたたちの食べるのを見ていてヨダレがでるのが止まらなかった」と。
 正直なお蕎麦屋さんである。
 妻ともども,大感謝。
 深々と頭を下げバスターミナルへ急いだ。

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後記:村松さんのCMに関しネット検索してみたが,ヒットしなかった。こういうものは時代とともに消えるのか。先々週の大原麗子版はちゃんとネットで拾えたのに。


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