うっちいの音楽箱!特別企画『もっと!MOZART』

彼をとりまく人々〜

コロレド大司教、ウェーバー姉妹


コロレド大司教
ザルツブルク大司教ヒエローニュムス・コロレドは、モーツァルトの生涯を語るときに、外すに外せない 重要人物である。ザルツブルクは、当時貴重であった塩の交易で栄えた地であり、その地に君臨する 大司教は相当な権力者であった。大司教と聞いて、牧師の偉い人というイメージを抱く人も多いが、 実際には金の集まる土地に君臨する領主である(聞こえは悪いが(^^;)。

さて、モーツァルトはザルツブルクの宮廷音楽家に支払われる給料にかなりの不満を 持っていて、各地に就職活動に行ったのだが、ことごとく失敗した。就職旅行から帰ってから、 父の尽力もあってコロレドに召し抱えられる。コロレドは、それなりの給料でモーツァルトをやとった のだが、モーツァルトは自分の才能にふさわしくない額の給料だと考えるようになる。なにせ、 幼い頃から天才と呼ばれた自分が、安い給料で召使いのような仕事をしなくてはならないのだ。 モーツァルトのプライドは、一般的には普通である仕事もばかばかしくて退屈であった。

そんな態度の使用人を、コロレドは鼻持ちならない存在と思うようになる。そしてついにある日、 大司教コロレドは、鼻持ちならない使用人モーツァルトを激しく面罵するのである。言葉を返すモーツァルトに待っていたのは、 アルコ伯爵の足蹴であった。

当時のザルツブルク大司教と言えば、泣く子も黙る大権力者である。宮廷音楽家は、その大司教の 召使いである。召使いであるはずのモーツァルトは、自分の才能と名声と名誉にその立場を忘れ、 大司教と決別する。そしてウィーンで誰の力も借りずに自立しようとするのである。

ウェーバー姉妹
モーツァルトには、彼の人生に大きな影響を与えたある姉妹がいる。それがウェーバー姉妹である。 姉の名をアロイジア、妹の名をコンスタンツェと言うこの姉妹の父は、ロマン派の著名な作曲家ウェーバーの叔父にあたる。

まず、姉アロイジアはモーツァルトが深く深く恋に落ちた人であった。最初の出会いはマンハイム。 モーツァルトは、就職に失敗したこの街に、不必要に長く滞在して父に叱られるが、それもこの”アロイジア”がいたからであった。 アロイジアはミュンヘンでオペラ歌手として成功する。そしてこのミュンヘンで、モーツァルトはアロイジアに愛の告白をして 見事にふられたのであった。彼女は美しさを兼ね備え、しばらくの間ミュンヘンのプリマドンナとして活躍した。

妹コンスタンツェは、姉ほど才能に恵まれなかったが、やはり歌手であった。容姿も姉に比べると見劣りしたが、 ウェーバー家に下宿していたモーツァルトはアロイジアの妹コンスタンツェを愛するようになる。そして二人はめでたく結婚するのである。

コンスタンツェとモーツァルトの結婚は、はじめ父から根強く反対されたが、その後許される。モーツァルトは家族との親睦をかね妻と帰郷するが、 モーツァルトの父レオポルトと姉ナンネルの反応は冷たかった。モーツァルトは結婚後、肉親と心理的和解をなせないまま歳を重ねていくことになる。

コンスタンツェは”悪妻”とされ、モーツァルトを毒殺した、とまでする説もあるが、それはおとぎ話としては面白いが実際的ではない。 むしろ、絶筆となったレクイエムをジェスマイヤに補筆完成させ世に残すなど、数々の実績を残してくれたありがたい人物として 紹介されるべきである。彼女はニッセンと再婚し、彼にモーツァルトの伝記を書かせた。そして、晩年をザルツブルクで過ごし、 モーツァルトの父、レオポルトと同じ墓地に眠ることになる。

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