小笠掛川マラソン参加記
1999年4月18日第12回小笠・掛川マラソンが雨の中開催されました。我がランニングスターからも数名の参加者がありましたが、今回は感動のゴールを味わったスズキさんからのレポートです。
小笠掛川マラソン参加レポート
4/18小笠掛川マラソンに参加してきました。
会社のマラソン愛好会”サブファイブズ”
(走る方はご存じでしょう5時間以内で走る会の意)
のメンバー私を含めて3人で、参加しました。
前日は、メンバーの一人で、
辻堂にお住まいの方の家に泊まらせていただきました。
お酒もほどほどに、パスタを腹一杯いただきました。
前日の天気予報では、午後から雨とのこと。
9:30スタートなので
「2時間半でゴールすれば、
雨に濡れないんだね。」
などとほざいていましたが、
これが地獄のレースの序章になろうとは...
当日は4時に起床して車で出発です。
まだあたり暗く、天気はわかりませんが、
まだ雨は落ちていません。
4月のマラソンなので、日が出るとかなり暑いので、
曇りでラッキーだなと思っていました。
ところが掛川が近ずくと、だんだん雨が落ちてきて、
会場に着いたら、本ぶりです。
息が白く気温は低めという感じです。
この日の自分の体調ですが、
3月に入ってかぜをひき、治り掛けては、またかぜをひき
3月一杯半かぜのような状態でようやく体調が普通に戻って来たところで、
ほとんど練習は出来ていません。
3月の練習走行距離が20キロと、
マラソンの前月は最低でも100キロ走り込まなければいけないのに。
まあそんな体調でしたから、
「走らないで帰るか...」
3人のうち2人が走らないで帰りましょうという意見でしたが、
一番年上のフルマラソン初挑戦の方が、
「俺は出るよ」
この一言ですべて決まった。
結局3人で雨の中出走です。
リタイヤ必至、玉砕覚悟、目指すは5時間完走です。
(5時間が制限時間だから)
私は最後の最後まで、ショートタイツと半袖で行くか、
ロングタイツと長袖で行くか迷いましたが、
これは絶対寒いはずだと思い、
ロングタイツと長袖で行くことにしました。
これがあとあと良い選択になります。
こんな雨のなかのフルマラソンは初めてですが、
「まあいい経験になるか」と思い直し、雨よけの帽子を買い、
9:30いよいよスタートしました。
3人で、5時間完走を目指そうということで、
まるで「Gメン’75」の様に3人並んで走っています。
このまま最後まで行こうとみんなで誓います。
海からの追い風(北風)に乗り、いい調子です。
長袖、ロングタイツを選択した私は少し暑さを感じて、
この時は失敗したかなと感じていました。
1キロ6分のペースをしっかり守り、5Km、10Km、
15Km、20Kmと約30分刻みで通過し、
20Km地点を1時間57分で通過です。
雨の冷たさもあまり感じず、これはこのまま行けるか?
もしかして3人でゴールできるかなと思い始めた時
1人が、「少し休んでから行く」とのこと。
自分の経験から、この人はここまでだなと思う。
やはり結果この後すぐリタイヤした模様でした。
残念です。
ただフルマラソンのペースや感覚は
自分で走って、つかまなくては分かりません。
次のレースの為の財産になったに違いありません。
2人で再度走り始めましたが、もう1人の方もハーフ(21K過ぎ)
でやめるとのこと。
結局1人になってしまいました。
1人なったせいもあるのでしょうが、ハーフを過ぎたあたりから
やけに風が冷たく感じ始めました。
それもそのはずで、
今は北風が、向かい風になっています。
しかもまわりの景色は田んぼばかりで、
風をさえぎるものはなにもありません。
ここにきて雨と風を強烈に感じ始めました。
寒さで体力をどんどん奪われていくのが分かります。
まさか使わないだろと、思いつつも
ウエストバックの中に入れていた手袋も、寒さのあまりつけました。
マラソンを走っていて、苦しい時にいつも考えます
「なんで俺こんなことしてんだろ」と。
この時も、
「何で俺ここにいるんだ」
「俺は走りたくなかったはずだ」
「ビール飲みてー」
「リタイヤ、リタイヤ、リタイヤ」
「2人がリタイヤしたんだ。はずかしくないからお前もリタイヤしろ」
こんなことを繰り返し、繰り返し考えました。
こんなことを考えながらも、何とか30K地点にたどりつきました。
自分の経験からみて今が限界です。
いつもより10Km前倒しで限界がやってきました。
でも次の様に考えました。
おそらく今のスピードが続けばあと1時間半でゴール出来るだろう。
今リタイヤして一生後悔するより、一時間半で一生の思いでを作ろう。
(俺ってマラソン中に死ぬタイプだな)
30Km過ぎの沿道の応援が今日ほど嬉しく感じた日もありません。
40Km過ぎには歩きだしましたが、
なんとか4時間33分でゴールしました。
このところ完走慣れしていてゴールしても
「ゴールしたか」ぐらいの感想しかありませんでしたが、
今日は思わず涙が出そうになりました。
練習不足と天候不良のダブルパンチで始まったこのレースでしたが
マラソンの怖さと
完走した時の嬉しさを
両方感じたレースになりました。
マラソンもスキーなどと同じ様に自然を相手にするスポーツなんだなと
つくづく思いました。
リタイヤした2人と合流し、掛川市内で食事をして
(完走後のビールはうまいですね)
私だけ新幹線で帰宅しました。
新幹線の中ではさっきのビールも利いて爆睡しました。
痛い足を引きずり、駅の階段でうなりながらも、
(見ていた人はどう思ったかね)
今日だけは完走の余韻に浸っていました。
このページのTOPに戻る
トップページにもどる