富士登山競走体験記
1999年7月25日第52回富士登山競走が開催されました。そうです、あの3776mの山を富士吉田市役所から頂上を目指し走るんです(@_@)
最も過酷と言われるこのレースにランニングスターからも数名が挑戦!!
制限時間直前にみごとゴールしたフクちゃんにその体験記を綴ってもらいました。
富士登山競走体験記
富士登山競争…。
前々からエントリしてみたかった大会でした。
今年はちょうど日曜日に開催されるということもあり、
この機会を逃す手はないと思って、エントリしてみました。
エントリしたものの、
今まで富士山に登ったことが無いこともあり、
少しでも不安を解消するために、
いろいろな人から情報を得たりしましたが、
結果逆効果になり不安は募るばかりでした。
どれほど過酷な大会かは、
完走率50%を切ることから
だいたいの想像はついていましたが、
これほどとは思いませんでした。
AM7:30に
富士吉田市役所をスタート(気温は32℃)して暫くすると
上り坂になった。
暫く上ると交差点に差し掛かり
浅間神社の入り口が見えてきた。
結局フラットなところはスタート後の約500mと、
交差点から浅間神社の入り口までの300mの
計800mしかなく、
あとは気が遠くなる程の上り坂が続きました。
浅間神社から中の茶屋まで約6km上り
そこから山道になり4kmの坂道を上りました。
11km地点で最初の計測があり
1時間06分で通過しました。
そこから馬返しという超きつい上り坂
(なんだよぉ、この坂はぁ!
と思いたくなる程の上り坂)があり
そこからは歩きの世界に入らざるを得なくなります。
(一般ランナーの場合)
その馬返しを上り更に4kmの坂道を上りました。
何とか5合目(15km地点)を2時間09分で通過しました。
攣り癖の有る私にとって
馬返しを通過したあたりから兆候が現れ初め、
攣るまでそんなに時間がかかりませんでした。
でも攣った時点では既に歩きの世界に入っているので、
普通のマラソン大会みたくタイムが落ちることは少なくて、
その点ではラッキーでした。
5合目からは手袋を装着して山登り
そしてここからが地獄の始りでした…。
上を見上げれば果てしなく坂道が続き
その坂道も溶岩石の砂礫が散在し
体重をかけると重みで流されて思うように上れず
上に上るにつれて気温が下がり
更に強風が吹き
体温が下がっているのが分かる程でした。
ここまでくれば足にかかる負担は相当なもの
攣る間隔が徐々に短くなり
立ち止まる時間も長くなり始めました。
(5分近く動けない時もありました。)
自分は何でこんなところにいるんだろう?
何でこんなに辛い思いをしてまで登ってるんだろう?
と自問自答しながら上っていました。
そうこうしてるうちに8合目(19km地点)
3時間55分でした。
残り2kmを35分で上れるか
不安で仕方がありませんでした。
でももうここまできたら
行くしかない!
と心に決めて
足を引きずりながら
まだ見えぬ山頂目指して歩きました。
最初の鳥居が見えてきて
一瞬ゴール地点か?
と思いましたが錯覚でした。
精神的に落ち込んだものの
まだ踏ん張りは利きました。
ですがもう上を見上げる気力は無く
ただ下を見つめひたすら上りました。
暫くして
「3分30秒前!」
という声が聞こえてきました。
タイムリミット?
と思ったら
案の定そうでした。
2つめの鳥居が目の前に見えました。
その時は
「1分30秒前!」でした。
「1分前、30秒前…」
とカウントダウン続き
2つ目の鳥居前の階段に差し掛かった時は
25秒前だったと思います。
階段を上り終えて左手に計測機が…
「ゴールだ!」
飛び込むようにゴール地点に雪崩れ込みました。
審判員の方に
「完走ですね。おめでとうございます。」
と言われた時は
涙が出るくらい嬉しかったです。
ゴールタイムは
4時間29分41秒でした。
リミット19秒前でぎりぎりでしたけど
「よくゴールした!」
と自分で自分を誉めました。
暫くゴールの余韻に浸りながら山頂で休み
下山の準備をしました。
富士登山競争を無事完走して
今思い返せば、
完走できるか否かは
最初の11km(馬返し地点)までに
如何にタイムを稼ぐか
ということだと思いました。
これより先は歩きの世界に入るので
タイムをそんなに稼ぐことができないからです。
あと強いていえば
精神的に強い人ですかね。
全行程21kmのうち
20km近くは坂道を登らなくてはいけないので
精神的に滅入ってしまいます。
私は、そんなに強い方ではありませんでしたが
この大会を完走することで
一回りも二回りも大きくなれたのでは思っています。
精神力を鍛えるには
最高の大会ですね。^^;
本当は
一回完走したからもういいとずぅ〜っと思っていましたが、
5年後くらいに
また走れたらいいなぁ、
なんて思っています。(5年後が日曜日なので…。)
この時もまた誰かと一緒に行けたらいいなぁ。
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