「活字の世界」を自分なりにたどってみようと考えたのは、この世界に育てられた人間として当然と言えば当然でもあったのか。
それにしても今回の「ホフマン活字」を纏めるにあたっては、多くの人達のお力添えがあったことを深く感謝せずにはおられない。
まず、このホフマン活字入手の労をとって頂いたのは、近畿大学中央図書館の森上 修先生である。
また同館の河合忠信先生には親しく『日本文典』のことや、『キリシタン版』についてもご示教頂いた。
武蔵野美大の小宮山博史先生や九州大学の鈴木広光先生には、いくつかの論文で、この「活字」の歴史的な背景を教えられ、その論点を借りて本稿の骨格を形作らせて頂いたのである。ただそれらがいずれも「つまみぐい」の形になったことは申し訳ない思いである。
また書物研での報告後とは言え、神戸親和女子大の松村恒先生には「ブリル社」のことや発刊物などの資料もご提供して下さったのである。
さらにまた森上先生に、京都大学の松田清先生やキクオ書店の前田司社長にご紹介頂けたのもこの「ホフマン活字」のお蔭でもあった。
また天理図書館や近畿大学中央図書館には貴重な所蔵本を閲覧・利用させていただき、深く感謝している。
いまこの稿を擱くにあたり、これらの方達のご好意をしみじみとかみしめ、末尾ではあるが感謝の意を表する次第である。
<私家本>
活字の世界(13)
『ホフマン活字のこと』
山口 忠男・著
印刷・1997年9月