6.特徴2・「配列が部首順である」ということ

 私が、この文選ケース貼紙の中で一番強調したい特徴は、実はこのことである。

 単に部首順に並んでいるだけだし、漢和辞典の亜流だと思われようが、そこにはさすがとうなづかされる職人の知恵が潜んでいたのである。

 例題が繁雑になるが、その一部を挙げて説明することにする。

 例題に挙げたのは辞書の「部首区分」第3画の、「寸部」から始まって「巾部」までの122種である。ここを取り上げたのは完全に無作為であり、その説明趣旨はどの部首であっても同じである。
 その並びについてはヨコ書きでの説明上、「漢和辞典」や「ケース貼紙」も含め、左から右への流れで表示する。(字間のアキは部首の変わる箇所をあらわす)


【漢和辞典・角川「新字源」による】(部首別・画数順に流れている)

寸寺対専封尅射尉尋尊對導 小少尖尚尠 尤尨就 尹尺尻尼局尿屁尾届屆居屈屋屍屎屑展屏属屠層屡履屬 屯 山屹岐岩岳岸岡岬岱峡峙峠峨峻峭島峰崗崖崎崔崇崩嵌嵐嵩嶋嶽嶼嶺巌巍巓巒 川州巡巣 工巨巧左巫差 已己巳巴巷巽 巾凧布帆希帖帙帛帥帝師席帯帷常帳幇幄幀幅帽幌幕幔幟幡幣


【文選ケース貼り紙】(使用頻度に応じ(出張)(本場)(外字)と3区分され、部首別・画数順に流れている)
(出張)
小 居 屋 山 川 工
(本場)
寸寺封射専尊尋対導 少尚尠 尤就 尺尻尼尾局届屈展屡履層属 岐岡岩岳岸峠峰島嶋崎巌 州巡巣 左巧差 己巳 巾布帆希帝師席帳帯常幅幕幡
(外字)
尅尉對 尖 尨 尹尿屁屆屎屍屑屏屠屬 屯 屹岬岱峙峨峭峻峡崇崔崖崗崩嵌嵐嵩嶺嶼巍嶽巒巓 巨巫 已巴巷巽 凧帖帙帛帥帷帽幄幀幇幌幔幟幣

【JIS】(第1水準は50音順であるが、第2水準は部首別・画数順に流れている)
<第1水準>
(あ行)尉 屋岡
(か行)峨崖岳岸岩 岐希居巨峡局巾 屑屈 己工巧巷
(さ行)左差崎山 屍師寺屡射尺就州峻巡小少尚常尻尋 帥崇嵩寸 席専尖川 層巣属尊
(た行)対岱帯凧巽 帖帳 帝展 屠島嶋導峠届屯
(な行)尼尿
(は行)巴幡帆 尾 布封幅 幣 峰崩帽幌
(ま行)幕 巳岬
(ら行)嵐 履嶺
<第2水準>
尠 尤 巌 尅對 尨 尹屁屆屎屏屬 屹峙峭崔崗嵌嶼巍嶽巒巓 巫 已 帙帛帷幄幀幇幔幟

 まず三者の漢字表の構築内容を、使用する者の立場に立って、探す文字の選択の便・不便を述べてみることにしてみたい。
 その手順を具体的に表現すると次のようになるのだろう。

【漢和辞典】では、
(1)部首別・画数順によるか、
(2)画数を正しく勘定して総画索引で引く、
(3)正しく読んで音訓索引でという方法がある。
【文選ケース】では、
(1)頻度別・部首別・画数順という一方法のみである。
【ワープロ】では、
(1)ヨミ入力で字形を選択するか、
(2)部首区分を選択して一覧表で探す。のいずれかによる。
というところか。

 これらの選択基準の違いから生じてくる得失を、私なりの独断で述べて見たい。


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