活字の源流をたずねて


◆目次◆
  はじめに
1.活字そのものの起源は? 
2.もう一つの活字のはじまり 
3.活版印刷術の祖・グーテンベルクの発明について 
  むすび 



は  じ  め  に

 印刷界での常識として、「印刷の五大要素」という言葉がある。
 一つの印刷物が完成するためには、必ず5つの要素が満たされており、その中のどの1つが欠けても製品には成り得ないのだ、ということを教えてくれた、初心者教育用のスローガンである。

 その5つを並べてみると次のとおりである。

1.原稿 (記事原稿、写真原稿など)
2.版  (活字、罫線、写真版、原版フィルムなど)
3.用紙 (上質紙、アート紙、新聞用紙など)
4.インク(黄、赤、藍、墨インクなど)
5.機械 (平圧式印刷機、円圧式印刷機、輪転式印刷機など)

 ちなみに、われわれが毎日読んでいる新聞や週刊誌などの構成部材を、上記に当てはめて想定してみると、このスローガンの適切さがうなづける。
 教育というものはよくしたもので、ものごとの真髄を適確に捉まえて、見事に言いあらわしているのが本当によく判る。

 私は、こうした印刷業の世界の中に、とっぷりと浸ったままで生活して数十年となる。そんな中で、『活字の世界』を尋ね歩く気持になったのも、今はやりの「自分史」を記そうとする心境と同じとでもいえようか。
 そうした歩みの中で、「私立大学図書館阪神地区書誌学研究会」の皆さんの知遇を得たのであり、そうした皆さんのご好意に応えるために、『印刷術の原点』ともいえる「活字の由来」を技術者サイドでどう理解したかを述べてみようと思ったのである。
 そしてそれは、そのまま私にとっての「活字の世界」を尋ね歩いた足跡として、『活字の世界(4)』として取りまとめた次第である。


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