その一つは、次に述べる<作字>又は<合字>の発見であり、別の一つは組立式組版を明確にさせる<行間用インテル>使用の発見であった。
これらのワクワクする発見は順次その調査内容と共に披露していくが、まず戸籍簿作りで感じたことを報告してみよう。
完全一覧表の掲載は省略するが、結論として強調したいことは、その殆どの文字が何回出現しようとも1本のコマで流用されていたということである。もう1点はやむを得ず補刻したとしても計2本以内である。(例外は全1292字種のうち1字種のみ)
まずその出現回数別の集計表を示してみる。
出現回数 文字種数 補刻のある字種数 33回 1種 0種 14 1 1 13 1 1 12 1 0 11 2 0 10 2 0 9 4 0 8 9 0 7 7 2 6 16 6 5 36 14 4 55 7 3 104 27 2 252 53 1 801 − 合計 1292種 111種
<注> 合計1292字種のうち異書体のあるのは111種である。言い換えれば、四字成句596句・延べ2384カ所の印字は1292種の文字種であるが、その殆どは<1字種=1コマ>であると言いたかったのである。
同一コマ使用例のサンプルの一部を<図8>として紹介しておこう。