皆さん、パラグライダーを楽しんでますか? 休日にしかフライトできないサラリーマンやOLの方々、いろいろ苦労されてることでしょうね。会社員なら土日休みの人が多いと思いますが、自営業やサービス業、看護婦等であれば平日休みの方もいらっしゃるでしょう。土日はエリアや道路が混雑するし、平日ならスクールが休みだったりとかして、なかなか思い通りには行きません。
お金だって余るほど持ってるなんて人はいないでしょうね。(いたらお友達になりたい…)私の所属するスクールにもそんな、時間も金もないフライヤーが集ってきています。
今回はそんな友人を集めて、パラについて言いたいことを語ってもらうことにして、座談会形式でまとめることにしました。
なにか役に立つ話が聞けるんでしょうか??
一応司会のS(以下S):えー今回はお集まりいただきましてありがとうございます。というのはたてまえで、昼飯時にたむろっているこの時間を利用して質問するので答えるよーにね。
おーい、N君、起きて下さーい!
まず、パラをするためには当然お金が必要だけど、君達の少ない給料からはどうやって捻出してるのか教えてくれないかなあ。 でもってそのために何か犠牲にしているものなんてある?
ツリーランF氏(以下F):犠牲にしているものはないつもりだけど、強いて言うなら会社のつきあいかな?
みんなは家庭を犠牲にしているのかな? うちは全然してないけど。だって夫婦そろってパラにのめりこんでいるからね。かかるお金は倍になるけど、かあちゃん家に置き去り、っていうことがない。 [左はニヒルにポーズを決めるF氏 ]風待ち睡眠魔王N氏(以下N):オイラの場合は服とかは買わないようにしてる。でも、パラやバイクといった趣味のファッション関係には金に糸目を付けないけどね。
S:同じような質問だけど、お金の倹約の知恵で何かいい方法はあるかなあ?
F:お金の捻出の仕方はやはり、パラ以外の支出を倹約することでしょう。収入が増えない限り、そうするしか方法がないのはあたりまえだよね。
さて、具体的に何を倹約するかだけど、
・欲しい雑誌全てを買わない。(コンビニ立ち読みで済ます)
・外食は極力しない。(我が家はパラ以外で外食した記憶は、過去5回もない)
・会社の昼飯は弁当
・エリアにはできるだけ相乗りで行く。
弁当を持っていって1日300円節約したとして、一ヶ月20日とすれば、それだけで6000円も浮きます。6000円あればそこそこのパラ用品が買えるよね。
あと独身であれば、デート代は割り勘というのを暗黙の了解にしてしまえばいいと思うよ。正直に、「オレ金ない」と言うしかないな。。。N:俺の場合、タバコや酒は一切やらんね。昼飯は社員食堂の定食で安く済まして外でなんか食べない。あと、うまくケガして通院すれば、保険金で儲けることもできるよ。
S:そりゃアンタだけだって。
でも、君みたいに酒が一滴も飲めないってのはある意味うらやましいね。何てったって会社生活で一番金を使うのは酒関係だもんね。もちろん私だってニッポンのサラリーマンですから、付き合い程度の飲み会は歓迎だよ。でもスナック系の店に連れていかれて割り勘にされ、水割りとポッキーかじっただけでウン千円、ウン万円と取られるハメになるのはあきらかに無駄だよね。F:あれ? Sさんこの前、おネーちゃんのボデコンに触ったとか何とか言ってなかったっけ?
S:うっ! そ、それは...... あーーうーー
えーー ではまとめますと、要するに、生活に最低限必要な物以外にはなるべく金を使わないっていう、あたりまえの結論しかないってことだね。そして、そのために自分がどこまで我慢できるか、そのレベルによって節約できるお金が変わってくるということね。
じゃあ見方を変えて、パラにかかるお金の削減方法についていいアイデアはないかなあ?
私はエリアの草刈りを手伝って、機材(エンジンユニット)のレンタル料を稼いだりしてますけど...F:パラにかかるお金の大部分はやはり道具類だと思う。
新しいグライダーを買わなくてもいいように道具は大切に使う、体重は増やさないのは基本でしょう。体重を増やさない=食べない 従ってお金も使わない。ってことね。
S:ま、機体を買い替えなくてはならないほど体重が急激に増えるなんてことはそう滅多にあるもんじゃないけどね。
F:でも俺もそうだけど、S君も最近、機体のスピードが速くなったような気が...[左はF氏(赤い機体)の上を飛ぶ司会のS ]
S:き、気のせいでしょう。いずれにしてもグライダーを大切に使って寿命を伸ばすというのは大切だね。
F:そう。紫外線や水分が機体の材質を劣化させるので、具体的には使う時以外は太陽の光に晒さない、濡れている地面に広げないっていうのがある。機体を広げたまま風待ちするなんて、とんでもないよ。
S:それは俺も気を付けてる。テイクオフが空いていても、機体を広げるのはバリオのセットとかの準備が終わってから。休憩中は絞ったキャノピーは日陰に置くか、紫外線を遮ることのできるシートを被せることにしている。そして地面が夜露で濡れている時は乾くまで広げず、定期的に固く絞った雑巾で汚れを落とす。
これを守っていれば少なくとも1〜2年は新品のあのパリパリした感じを維持できるんです。F:でも俺は多少地面が湿ってても、我慢できずに飛んじゃう時があるけどね。
あと、あたりまえだけどアウトランやツリーランしないことだね。そのためには自分の技量をしっかり把握し、テイクオフ・ランディングの技術を磨くしかない。N:山飛びだったらテイクオフまでの移動にお金がかかる所も多いし、モーターパラでも俺みたいエンジンユニットをレンタルしている人は飛ぶ度にお金がかかるわけだから、やたら飛ばずに条件のいいときだけ飛ぶっていう考えもある。
でもそれじゃあサンデーフライヤーはいつ飛べるかわかんないし、練習にならないよね。あとは安いスクールを選ぶことだね。新しい機体を買わないと技能証をくれない、なんていう所があるらしいから。S:飛ぶことが目的なんだから、そのためにかかるお金をケチってもしょうがないけど、なるべく安く済ませたいもんだね。
ところで、そこまでして皆さんパラにのめりこんでいるわけだけど、そのパラについてのいいところ悪いところについて思うところを言ってみて!F:いいところはやっぱり達成感を得られるところですね。
達成感にもいろいろあるが、テイクオフしてからランディングまでの達成感、いろいろな人達と付き合えることでの達成感。クラブ活動が充実していくことへの喜び、などかな。ねーNさん。N:そうね。何といったって空が飛べる。これ以上気持ちいいものはないよね。
仲間同志の輪が広がるのももちろん楽しい。それ以外にも、
・他人よりも高く飛んだときの優越感
・すばらしい景色が観られる
・風待ち時の昼寝が気持ち良い事
なんてのもあるよ。S:君は特に昼寝が得意だからねえ... ところで悪い点はどう?
F:パラというスポーツの性格上、みなさん自分の主義主張を強く持ちます。安全についての主義主張や論議は自分の視野を広げる意味で重要だけど、安全以外のことで他人に自慢げに話をしたり、主義主張を強要することを多く見受けます。
パラの悪いこと、嫌いなところはそこだなー。N:これは言っちゃあ始まらないけど、スキーほどじゃないがある程度金がかかること、そして多少の危険があることだね。ただ、それを補って余りある楽しみがあるからやってるわけだけど。
S:ま、危険性についてはもともと空を飛ぶ能力のない人間が道具の力を借りて飛ぶわけだから、ゼロとはいえないよね。ある程度危険性のあるスポーツだということを認識する必要があると思う。ただ、正しい知識・判断力を養い、無理をしなければそう滅多に事故るもんじゃない。ま、これは人それぞれの考え方、飛びかた、エリアの状況等で変わってくるので一概には言えないけど。
N:いずれにしても、家で寝てるよりゃあ危ないね。
S:そりゃあそうだ。何もしなければ何かが起こる確率も低いよね。
ちょっと話は変わるけど、パラ人口を増やすにはどうしたらいいと思う?
おやじモード入ってしまうが、若いのに自分のやりたいことに情熱を燃やす、という人が少ないなあって思ってるんです。自分の趣味・やりたいこととして打ち込んでいるものがなけりゃあ、つまんないよね。どうなのかなあ。F:まー、パラに限らず何かを始めようとした時に、それがどこかへ出掛ける必要のあるものだったら、自分一人で始める人は少ないよね。ほとんどの人が仲間といっしょに行くよね。
なかなかそういう機会がないんだろうね。N:もちろん一人で始める人だっているけど、それはたいてい男で、女の子はまずいないと思う。
だから最初のうちは友達同志で行くんだろうね。だから、ある程度一般受けする、安全かつ安いものにならないとだめだね。例えばスキー。雪山という非日常の世界に行くだけで楽しいし、お手軽に楽しめる。車を持ってなくても電車やバスツアーが沢山ある。まあパラはスキーと違っていい加減に取り組むと危険なスポーツだから、ある意味仕方ないのかも知れない。
ま、男を増やしたい場合は女の子増やす、女の子を増やすにはエレガントでゴージャスな僕の存在を世界に知らしめせば良いじゃん。 [左は得意の変な姿勢でグラハン走りするN氏 ]S:「.......」
じゃあここらで話を戻して...エリアへの交通や宿泊手段についての話題にしよう。
まずは宿泊について。うちのスクールは事務所に宿泊ができるので、勝手に布団やら冷蔵庫やらを持ち込んで快適に泊まれるけど、そういうことのできない人だったらどうすべきかな?F:もちろん日帰りしないで、土日とかで2日間連続で遊ぶ場合の話ね。
これは家が近い人なら全然問題ないけど、遠い人は大変だね。でも、仲間同士で過ごす夜もまた楽しいもんだよね。
当然、ホテル・民宿・ペンションといった宿泊施設に泊まることになるわけだが、お金がなかったら... 車に泊まるか、テントを張るしかないでしょうね。N:ただでさえ荷物の多いパラで、さらにキャンプ道具も用意するのは大変そうだなあ...
ユースホステルとか国民宿舎とか、安く泊まれる施設を探すという手もあるけどね。S:なかなか決め手がないねえ。じゃあ交通手段については?
F:高速道路は一切使わない。特に我々貧乏フライヤーは時間を金で買うようなまねはしないことだね。一般道は昼間は混むので真夜中に走って、深夜エリアに到着して睡眠を取るようにしてます。
N:カーナビをうまく使って、空いている裏道を探すのもいい。地図には細い道でしかないけど、実際は道幅も広く信号もない快適な道だった、なんてことが結構あるもんだよ。
F:この間、時間をお金で買わないように一般道を飛ばしてたら、覆面パトにつかまっちゃって12000円払ってしまった。これでは元の木阿弥。みんな気を付けようね。
S:うぐ、それは御愁傷様です。ところで車の種類はどんなのがいいかな?
F:2000cc以下(維持費が安い)の燃費のいいやつ。かっこいいスポーツカーはだれでも欲しいと思うが、そういうものをガマンしてこそ貧乏フライヤーは空を飛べるのです。
N:荷物つめるし人もたくさん乗れるRVタイプだね。クロカン4駆なら車内も広いし、山道を走る時も安心だ。
S:クロカンはいいねえ。でも、車体価格が高いし、普段は不必要に大きくて重いから燃費が悪いのが欠点だね。ま、ディーゼルなら多少うるさいのを我慢すれば燃費の点では問題ないんだろうけど。
さて、こんなところかな? とりあえず今回はこんな所にしましょうか。F:はーい。さて、グラハンの練習でもすっかな?
N:じゃあオイラは昼寝でもすっかな。
「グーーーー zzzzzzz .....」(1997.8)
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