普通、パラグライダーは草地などの平坦な場所に着陸します。しかし、何時でも何処でも誰でも、百発百中決められた場所(ランディング)に着陸できるかというと、必ずしもそうではない場合があります。 ツリーランとは「ツリーランディング」の略で、文字どおり木の上に着陸する(してしまう)ことをいいます。遠くから見ていると木々の繁る山の中へと消えてゆくため、別名「山沈」と言ったりもします。
ところでなぜそそんな羽目になってしまうかというと、例えば着陸進入の判断を誤ったり風向きが変わったりして狙っていた場所に届く前に高度がなくなってしまった場合が挙げられます。
では写真のセットを例にとって、ひとつづつ紹介してみます。
まずはいちばん重要な、ロープです。高い木の上から降下するときなどに必要となります。 次にシュリンゲ。これは巾25mm程度の丈夫なナイロンテープを、直径50〜100cm位の輪っかにしたものです。これを木の幹に巻き、ハーネスのカラビナに接続して体の確保に使用したり、木を登る際の足場にしたりします。 そしてエイト環です。文字どおり8の字型をした金具で、環の中にロープを何重か巻いて通し、ロープを滑らせながら降下するための道具です。パラグライダーの場合、ツリーランした木の幹や枝からロープを垂らし、このエイト環を使って降下します。 カラビナは、エイト環をハーネスに接続するのに使ったり、幹に巻いたシュリンゲを接続したりなど、いくつか持っていると便利です。 スパナはライザーに付いているラピットリング(ラインをまとめている金具)を開く時に使うもので、機体を回収する場合にラインをライザーから外した方が回収しやすい場合などに使います。
鋸ですが、どうやっても木に絡み付いた機体やラインが取れない時に、枝ごと切り落とすのに使います。当然やたら木の枝を切っていいワケはないので、あくまで最終手段です。
写真には無いですが、それ以外にも例えば森の中で自分の位置を知らせるためのホイッスルであるとか、回収が遅れて夜になってしまった場合に備えての懐中電灯なんかも、あった方がいいかもしれません。
ツリーランなんてものは、しない方がいいに決まってます。 |
もどる