フライトスーツと手袋



フライトスーツ  フライトスーツとは文字どおり、フライトする時に着る服のことです。これもスキーウェアと同じように、パラグライダー専用のものがあります。もちろんフライトスーツがなくてもフライトできるのですが、やはりパラグライダー専用の服を着るとカッコ良くなる(気がする)という利点があります。値段は2〜4万円程度。

 当然ながら利点は格好だけではありません。パラグライダーは空を飛ぶスポーツです。高度を上げれば気温が下がりますし、常に体に風を受けて飛ぶ関係上、体感温度はさらに低くなります。そんなパラグライダー用のウェアの機能として重要なのが保温性です。フライトスーツのほとんどが防風性に優れたワンピースなのも、そこに理由があるのです。

 そしてフライトスーツを着用する目的は保温だけにあるのではなく、風が直接体に当たるのを防ぐ役割もあるのです。
 肌に直接風が当たるというのは、予想以上に体力を消耗します。バイク乗りの人ならわかるかもしれませんが、長時間風を切って走っていると、知らず知らずのうちに体が疲れ集中力がなくなってゆくのです。常に周囲を警戒し、天候や風の変化に気を使い続けなくてはならないフライト中に集中力を失うというのは避けたいもの。そこにフライトスーツの利点が出てくるわけです。

 もうひとつ、フライトスーツの利点を挙げるとすれば、物理的な接触から体を守ることです。例えば森や薮の中に降りなければならない事態となった場合に、迫り来る木の枝などから体を守ってくれることでしょう。着地に失敗して転んだ場合なんかも、余計な傷を作らずに済むかもしれません。
 まあそんな理由があって、フライトスーツは見てくれの問題だけではない、十分な機能性を持っているわけです。保温性については裏地が起毛のものや、シンサレートを使用したものもあり、寒がりの人でもそういうタイプを選べば大丈夫です。逆に夏は裏地メッシュで透湿性に優れたタイプが涼しくていいでしょう。ただし真夏、太陽がギンギンギラギラに照りつけ、湿度ムンムンムレムレの日本の暑ーい炎天下ではフライトスーツなんて着ていられない(上空は涼しいが、テイクオフするまでが超暑い)ため、Tシャツ姿でフライトしたくなってしまうのは仕方ありませんね。


 体はフライトスーツが守ってくれるのは分かりました。では手はどうやって守るかというと、お馴染みの手袋です。
 パラグライダーでフライトする時にはけっこう細かい手先の操作が必要です。 例えば地上では機体を広げたり、ラインチェックをしたり。空中ではブレークコードから伝わる感覚も大切だし、バリオや無線機を操作することもあります。 そのあたりを重視して選ぶとよいと思います。

 まあ、それほど寒い季節でなければ「軍手」でも問題ないとは思いますけど、お世辞にも見てくれが良いとは言えません。フライトスーツを買うついでにパラ専用のカラフルな手袋を入手されるのはどうでしょうか。





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