さて、前回は骨折の一般的な事についての話だった。痛い、腫れる、変形している、動かすとゴリゴリ音がする、折った先が動かない、が一般的な骨折の症状だが、そういう症状が一切でないでも、立派に折れている事もあるって事だった。
そして全ての場合に有効な判断方法は「疑わしきはそのように」だったね。
これは鉄則中の鉄則だから、ようく覚えておいてちょうだいよ。
さて、じゃ不幸にして骨折してしまったらしい場合、どうしたら良いか。
どうやって固定すべきか。
これは実地の訓練が必要だけれども、一般的な処置の方法を説明しよう。
先ずは「動かさない」。
これは当然のことだね。
しかしこれは単に自分で動かさないという意味だけじゃない。
動揺、振動も極力避けなさいという事だ。
つまり、搬送は担架でしなさいという事だ。
勿論これも指の骨を折った程度で担架という事じゃないが、少なくとも、肘から先の骨折以外は、全て担架の適応だと思えば正解だという事だ。
二番目は固定は上下二関節に渡って固定するという事だ。
つまり下腿、ふくらはぎの部分の骨折をしたら、膝の関節と足首を固定しなさいという事だ。
前腕だったら、肘と手首に渡って固定するという意味だね。
三番目は折れた形のまま、固定しなさいという事だ。
曲がって変形している場合、矯正してはいけない、折れて変形したままの形で固定する事が必要だ。
四番目は、必ず添え木を使いなさいと言う事だ。
添え木はなんだっていい。
生木の枝でもいいし、新聞を丸めて固くしたのでもいい。
勿論手足の場合は、梯状副子(テイジョウフクシ)という、針金を梯子みたいな形に編んで、包帯を巻き付けてある棒状のものが一番望ましい。注意するのは、前回書いたように空気を吹き込んで圧迫して固定する機材は、あまり宜しくないと言う事だ。
これは圧迫して固定するので、曲がった部分を伸ばしてしまう場合が有るからだ。
空気圧副子というんだが、安いので割合普及しているが、注意が必要だよ。
添え木の話しは大事だから、もう少し続けるよ。
ではでは。(^^)/
ページ最終更新:2000/7
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