捻挫・打撲にはアイシング

5. アイシングの具体的な方法




 みなさん、遅くなったけど、いよいよアイシングの具体的な方法について説明するよ。

 前回は、傷ついた内部は様々な過程を経て「瘢痕」という組織に置き換えられて治癒が完了するという事だったね。
 そしてその「瘢痕」組織は筋肉ではなく、運動には参加しないし、収縮率も違うし、筋肉組織とは馴染みが悪いので、あんまり大きくしないようにしなければならないという話だった。

 そしてそのテクニックがアイシングという事だった。今回はアイシングの具体的な方法についてお話しするよ。

 救急手当てとしてのアイシングには、二つの方法がある。
 アイスバケツ法アイスバッグ法だ。
 アイスバケツ法は、足とか手とかの末端の組織に適応するんだ。
 そしてアイスバッグ法は腿とか背中とか、ドンブリと漬けてしまえない部位に適応なんだな。


 アイスバケツ法はバケツに水を入れて、それにザザーッと氷を入れる。量は適当でいいよ。
 それにザブリと足首とか手首とかを漬けこんでしまうんだ。

 これは、グワオウ!冷てえぜ。
 でも冷たいのはほんの2〜3分、後は痺れて判らなくなるから、我慢しよう。
 漬け込む時間は20分が目安だ。
 初日から三日くらいはこれを三回繰り返す。
 こうやって冷やして毛細血管を縮小させて、内出血を最小限に防ぐんだ。繰り返す間隔は適当でいいよ。
 目安としては、感覚が戻ってきたらもう一回やるって感じでいいじゃないかな。


 アイスバッグ法もやり方は全く同じ。
 ビニール袋かなんかで、氷水の袋を作って、それを患部に乗せて冷やす。冷やすシーケンスも同じだよ。


 じゃ、アイシングのシーケンスを一覧表にして書いてみよう。
  初日〜3日目 20分×三回
  4日〜6日目 20分×二回
  7日〜9日目 20分×一回

 こうやって冷やすんだよ。
 捻挫打撲には冷やすのがいいってのは、大体皆も漠然と知っているんだけど、こんだけしっかりと丁寧に冷やすという事が、判らないんだな。

 で、この一覧表は大体最悪の場合を想定してある。
 普通はこれだけしつこく冷やさなくても、もっと簡単に熱が取れて痛みが消えてくるもんだ。つまり、最悪の場合は、怪我してから10日間くらいは、急性期と考えるんだ。その間は内出血が続いているから、冷やして内出血を最小限にとどめるようにする。

 従ってこの間は運動したりお風呂に入ったりお酒飲んだりしたら駄目なんだよ。
 良いね、最悪の場合は、10日間は急性期と考えよう。勿論これは程度によりけりで、そんなに長くアイシングする必要は、普通はないと思うけどね。

 じゃ、今回はここまでね。
 次回、もう少し詳しくアイシングの話をするね。質問受け付けてるから、どんどん質問してね!

 メールアドレスは SGU00142@nifty.ne.jp だよ。

 ちゃお!



ページ最終更新:1998/10


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