捻挫・打撲にはアイシング

3. 症状は重い方に考える




 さあ、引き続いて行きまっせ(^^)

「2. 痛い、痛いと大騒ぎする。次第に楽になってくるので、止めたほうがいいよという仲間の忠告を振り切って飛ぶ。」

 これが大間違いなのは、もう皆判るよね。
 運動していればコーフンしているし、そうすると脳内に「えんどるふぃん」とやらの物質が分泌されてくるんだな。この物質は麻薬みたいなもので、「内因性モルヒネ様物質」という名前らしいよ。

 皆はランニングハイって言葉、知ってるでしょ?
 最初は苦しいけど、我慢して走っている内に段々と頭がボーッとしてきて、面倒な事を考えなくなって来るんだな、それと同時に苦しいのが段々と楽になってくるんだ。
 これは脳の中にこの「えんどるふぃん」とやらいう物質が分泌されてきて、苦しさとか痛みを感じなくさせてくれるらしいからなんだそうだ。

 パラの場合は「遠くから来てるんだから・・」とか、「先週も飛べなかったし・・」とか、『我慢してれば、やれない事は無い』という言い訳は山程あるしね。(^^;;;

 でもこれは大間違いなんだ。
 捻挫ってのは皆結構軽くみているけれど、きちんとした処置、手当てをしないと、後々まで不愉快な症状が残って何もできなくなってしまうんだ。
 この場合は軽いと思っても、即やめる事。
 悔しいけどフライトは断念する事だな。

 ここで症状は二つに分かれる。
 骨折しているのか、それとも単なる捻挫かという事だな。

 これは基本的にはシロートにはできない。レントゲンでキチンと診断してもらう事が必要なのだ。

 骨折と言っても完全に折れて分離している完全骨折だけじゃない、半分折れてるとか、ひびが入っているだけとか、色々有るんだ。
 だから「歩けるから大丈夫」、なんて簡単に考えてはいけない。
 救急法の大鉄則、「疑わしければそのように考える」がここで生きてくるんだよ。


 骨折かそうでないかの簡単な診断法を一つ教えてあげよう。
 それはね、その骨の「痛い部位と逆方向の末端を軽く叩く」事だ。
 骨折していれば間違いなく痛い所にビンビンと響く。
 特に問題なければ多分捻挫だよ。

 でも勿論これも解剖学的な知識がないと、骨の構造がどうなってるか判らないから、簡単な事ではないかもしれないな。

 でもま、骨折しているか、単なる捻挫かの判断は特に必要ないんだ。
 これは矛盾している言い方だけど、結論は一つ、「重い方に考える」のが正解なわけ。
 捻挫だから飛んでもいいとかいうわけじゃないしね。

 そして見た目にもはっきりと判る程の完全な骨折じゃない限り、ひびが入った程度の骨折だったら医療機関に手当てして貰う前の段階の、シロートができる方法は一つしかない。

 それがアイシング(icing)なんだが、これは次回に詳しく述べる事にするね。

ではばいばい。(^^)/


ページ最終更新:1997/12


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