独り言2(ホームページと写真)



 ここではちょっと毛色を変えて、撮影した写真をデジタル化してホームページに載せる時のことについて書いてみたいと思います。ただしホームページ作成講座なんてものではなく あくまで私個人のやりかたについての話なので、ひょっとしたら間違っている点もあるかもしれませんが、その辺はご了承下さい。



1.スキャナについて

 デジカメで撮影した・あるいはフォトCDに焼いてもらう場合を別にして、写真をコンピュータに取り込むには何らかのスキャナを用意する必要があります。

フラットベットスキャナ  最も一般的なのが、「フラットベットスキャナ」でしょうね。ホームページをご覧になっているような方なら、それがどういうものかはご存知のことと思います。プリントされた写真はもちろん、本・雑誌・チラシ・チケット・紙に書いたイラスト等の平面的なものなら何でも取り込むことができるし、立体的なものでも小さいやつなら(例えば腕時計とか…)画像として取り込むことだって可能です。

フィルムスキャナ  もうひとつ、最近低価格化が進んできたのが「フィルムスキャナ」です。ネガ・ポジフィルムおよび機種によってAPSにも対応しており、プリントされていなくてもフィルムから直接取り込めます。いちいちプリントする必要がないので、特にプリント代の高いリバーサルフィルムをよく使う人にはバッチリだと思います。 必要かどうかは別として、フラットベットに比べて高い解像度が得られるのも利点です。
 ただし欠点は、当然ですがフィルムからしか取り込めないこと。印刷物やイラストを取り込みたい人は、別途フラットベットスキャナも用意する必要があります。

 ホームページに使う画像程度でしたら、どちらのスキャナを使っても画質的には全然問題ないと思います。そうすると最初の1台はやはりフラットベットスキャナが応用も効いていいでしょうね。
 ただし、リバーサルフィルムでも写真を撮っていて、それを載せるのであれば、フィルムスキャナをお勧めします。(フラットベットでないとスキャンできないものを取り込むことは、私の場合殆どありませんでしたので。)



2.画像の取り込み

 スキャナで写真を取り込む時、私の場合は...
  1. 大き目のサイズで写真をスキャナで取り込む。(特にフィルムスキャナの場合は、スキャンする時にフィルムにホコリが付いてないか注意して、もし付いていたらブロアーブラシなどで吹き飛ばす。)
  2. ホームページに使いたい範囲を任意にトリミングする。
  3. 同じ縦横比になるようにして、最終的にホームページで使いたい大きさに縮小する。
  4. その画像を一旦BMP方式などの、画質の劣化のない方式で保存する。
  5. 必要に応じて、フォトレタッチソフトで明るさ・色合い・コントラストなどを調整・加工する。(ただし私の「空の写真集」では、明るさの調整以外の加工はしないことを原則としていますが…)
という手順でやってます。

 ホームページに使う画像の大きさ(何dot×何dotか)は、その使用目的によって変わってくるので一概には言えないのですが、一部のノートパソコンのような小さい画面で見ている人のことを考えて、一番でかい画像でも横幅は550dot 程度以下の方が良いかもしれません。
 ただし、それでもなるべく大きい画像を見てもらいたいような場合は、この限りではありません。私の「空の写真集」でも、横幅640dot の画像を使ってます。(640×480dot 環境だと、スクロールさせないと見れない大きさですね...すいません。)



3.JPEG化する

 次にその画像を「JPEG」形式に変換する必要があります。
 使用するグラフィックソフトにもよりますが、JPEGは圧縮率を設定できます。(「標準」「高画質」といった段階的な選択をするものから、1から100まで1%単位で設定できるものまで様々です)
 圧縮率を上げれば(%値を下げる)当然画像の消費メモリサイズは小さくなりますが、その反面画質が悪化します。(色が滲んだような感じになる。)
 逆に圧縮率を下げると画質は良くなりますがメモリサイズが増えます。この圧縮率をどうするかが、JPEGに変換する時に迷う点です。
 私の経験では、同じ大きさの画像でも次のような傾向があります。

空と雲  空や雲といったコントラストの低い画像の場合(例:右図)
  ・圧縮率を上げても画質の劣化はあまりない。
  ・圧縮率を上げなくても、消費メモリサイズは小さい。

 人物の集合写真のような、ごちゃごちゃした画像の場合
  ・圧縮率を上げると画像の劣化が著しい。
  ・消費メモリサイズが大きい。その割に画質が悪い。

 つまり、同じ大きさの画像でも、その内容によってJPEGにした時のメモリサイズや画質が異なるということになります。
 以上のことから、コントラストの低いのっぺりした画像はJPEG向きで、大きい画像でも、消費メモリが小さくできます。
 逆に、コントラストの高い、ごちゃごちゃした細かい画像は消費メモリサイズを小さくするのは難しいので、画質の劣化はあきらめて高圧縮をかけるか、画像の大きさ自体を小さくしたりするなどの対応をしています。

 ところで画像の消費するメモリサイズをどの位にするのかも、迷う点です。
電話回線でモデムを使ってアクセスしてる方がほとんどなので、あまり重い画像は嫌われます。ひとつの目安としては、通常のページで画像サイズの合計が50KB以下、ドカンと大きい画像を見せるページなら100KB以下かなあ、と考えてます。

 画像のメモリサイズは小さければ小さい程いい。でも画質も維持したい。双方矛盾する課題ですが、その妥協点をどこに見つけるかがポイントだと思います。写真を見せるのが目的なら画質優先、ちょっとしたカット絵ならメモリサイズ優先というふうに、基準は変わります。
 私の場合、圧縮率を少しずつ変えたJPEG画像を何枚か表示させ、ウームと唸りつつサイズと画質、両方に納得がいく(妥協できる)圧縮率のものを選んで、それを採用することにしています。



4.その他

 画像を見てもらう場合、まず小さなサムネール画像を並べて、それをクリックすると大きい画像が出てくるパターンにすることが多いと思います。この時大きい画像を見せるのに、直接JPEGファイルにリンクさせるのではなく、きちんとHTMLファイルを作って、それにリンクさせる方が良いと思います。

 直接JPEGへリンクさせると、ブラウザには背景が灰色で左上に寄った画像が表示されるだけになり、これでは見栄えが良いとは言えませんし、「手抜き」という印象を見る人に与えかねません。そこで画像表示用のHTMLファイルを作ります。あたかも見ている人の前で説明しているような感覚で、背景の色を指定し、画像は画面中央に表示させ、タイトルや説明文を添えるなどの装飾を行なうのです。

 背景色ですが、画像がカラーの場合は白や黒の無彩色がいいと思います。特に黒の背景は引き締まった印象を与え、画像の色も鮮やかに見えるので、私も好んで使っています。

 「空の写真集」にある、先日追加した写真「上空 千メートル」で例を挙げてみますと...
 画像ファイルをそのまま指定した場合の表示のされ方はこれ
 専用のHTMLでレイアウト等を指定した場合の表示はこれ

 どう見ても、後者の方が見栄えがいいですよね。


 以上、思い付くままに写真のデジタル化について書いてきました。何か気付いた点があったら、ぜひメールでご指摘下さい。





※補足(2004.4)

 以上の文章は1998年に書いたものなので、現状と違ってきている部分もあります。ここではそれについて検証してみましょう。

 まずはスキャナについて。
 フィルムスキャナは「低価格化が進んできた」と書いてますが、それから6年たった現状を見ると... あまり低価格になってないです。
 それとは違い、需要の多いフラットベットスキャナは有名メーカー品でも実売で1万円を切る製品もあり、普及価格帯でも3〜8万円するフィルムスキャナとは価格的に勝負になりません。用途の限定されるフィルムスキャナは低価格化の道は辿らず、専門的なニーズに応じた、言ってみれば「業務用」「マニア向け」の製品のようにも思えます。
 じゃあ今、私が改めて新品のスキャナを買うとしたらどちらを選ぶかですが、やはりフィルムスキャナを買うと思います。その理由は下記によります。

  • 相変わらず、ホームページにはリバーサルフィルム以外からのスキャン物を使わないこと。(小物はデジカメで撮影)
  • リバーサルフィルムのダイレクトプリントは高いし時間がかかるし、なかなか表現したい画質(コントラストや色の階調、シャープさ など)が得られない。フィルムスキャナではプリントする必要はないし、ポジをルーペで見たものに近い仕上りを得やすい。
  • フラットベットスキャナでも中堅機以上は透過原稿ユニットを使ってフィルムからスキャン可能な機種も多いものの、使い勝手や画質の面から、フィルムスキャナにはかなわない。
 まあ現在はデジカメが主流になってますので、ホームページ作成におけるスキャナのニーズ自体が少なくなっているのでしょうけど。


 次に画像の取り込みについて。
 「一部のノートパソコンのような小さい画面で見ている人のことを考えて、一番でかい画像でも横幅は550dot 程度以下の方が良い」と書きましたが、さすがに640×480dotなんて小さいディスプレイは、最近はノートPCでもありませんね。800×600dotも少なく、大部分は1024×768dot以上だと思います。
 従って画像サイズはあまり気にする必要はないのかも知れませんが、必要以上に大きい画像は散漫・冗長な印象を与えてしまう恐れがあるので程々(横幅800dotくらい?)が良いでしょう。スクロールさせないと全部を見渡せないような大きな画像の使用は避けるべきです。
 私の「空の写真集」ではすべて横幅640dotで統一させてありますので、まずはこれを見ていただいて、その感想をもとに各人の好みで設定するのをお勧めします。


 最後にjpeg化について。
 「電話回線でモデムを使ってアクセスしてる方がほとんどなので…(中略)…通常のページで画像サイズの合計が50KB以下、ドカンと大きい画像を見せるページなら100KB以下」とありますが、ADSLや光ファイバーの普及に伴ない、電話回線+アナログモデムで接続している人の割合はかなり少なくなってきていると思われます。だから多少メモリサイズが大きくても問題ないハズなのですが、それでも小さい方が好ましいです。なぜなら、

  • 横幅600〜800dot程度の画像なら、jpegにすればほとんどの場合100KB以下になるはず。必要以上の低圧縮(高画質)はオーバークオリティである。
  • 高速の回線で接続しているからこそ、ホームページの訪問者は速いレスポンスを求めている。
  • だから読込みに時間がかかりサクサク表示されないと、他のページに移動されてしまう可能性が高くなる。
  • メモリサイズのでかい画像ばかり使っていると、すぐにプロバイダのホームページ容量の上限に達してしまう。結果として、追加料金が掛かる。
 もちろんこれは画像を表示させる目的によって異なるで、あくまで一般的な話です。




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