空撮テク(2) 膝に装着



 先に紹介したヘルメットに装着する方式は、フライト中のまわりの景色を撮るのに適しています。それに対して今回は飛んでいる自分の姿を撮る方法についてです。
 もちろん、カメラを持った腕を伸ばして自分に向けてシャッターを切るだけでも撮影できますが、片手操縦になりますので安定した直線飛行中以外の場面を撮るのは難しいですし、当然伸ばした自分の腕も一緒に写ってしまいます。
 そこでカメラをどこか別の場所に取り付ける必要が出てきます。比較的簡単だと思われるのが一脚などの長い棒の先にカメラを取り付け俯瞰で撮影する方法と、今回紹介する足に付ける方法です。

膝に着けたところ


 パラグライダーで飛んだことのある方なら説明は不要だと思いますが、飛行中は言ってみれば 椅子に深く腰掛けたような姿勢になっています。そうすると目の前にあるのが自分の足。ここにカメラを取り付けることができれば正面からのフライト姿を撮ることができるというわけです。足のどの位置にカメラを取り付けるかというと、膝か足首のどちらかになると思います。

 上の写真は太股というか、膝の部分にカメラを取り付けた例です。
 この方法の利点は フライト中カメラが手の届く範囲にあるために、一番カメラを壊す可能性のある離陸・着陸時にカメラを外してウェストバックなどに収納しておけるということにあります。(カメラやレンズは高価ですから、転んで壊しちゃったりしたら大ショックです。)

拡大図 カメラの固定方法は人それぞれだと思いますが、私の場合は小型の三脚の雲台部分を取り外してそれを利用しました。
 バリオメーター(昇降計)を足に取り付ける時に使うベルトを利用して、それにアングル材を両面テープ・ガムテープ等で固定します。そしてそのアングル材に雲台をネジ止めして作りました。地上であらかじめ大まかな雲台の角度を調整しておき、フライト中頃合いを見計らって有線レリーズを接続したカメラを取り付けるわけです。
 あと、いくら小型軽量の雲台を選んだとしてもそれなりの重さがあるため、離陸前の準備中にずり落ちたりしないようにベルトごとウェアにガムテープで貼り付けた方がいいでしょう。多少見てくれは悪くなりますが... また走ってる時ゴンゴンと膝に当たって痛いのは我慢するしかないでしょうね。

 撮影が終わったらカメラを外して収納すれば、余分な心配をせずに後のフライトに専念できます。
 いずれにしてもカメラを自分の足に取り付けるのですから、フライト中の細かい角度調整も足を少し動かすだけ。自由自在です。

 どんなレンズを使うかも、好みで選んでいいと思います。あえて言うなら自分の顔だけアップで撮っても仕方ないので、広い画角を持つ魚眼か超広角系(少なくとも18ミリ以下)のレンズを使うといいでしょう。 空の写真集にある「雲に沈む夕陽へ」や「秋空を舞う」などはこの方式で、魚眼レンズを使って撮影しています。
 (1997.10)



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