空撮テク(1) ヘルメット装着



 ここではパラグライダーでの具体的な空撮方法について、いくつか紹介してゆきます。ただ、これはあくまで私の場合はこうして撮ったという体験談に過ぎないので、他にもっと良い方法があるかも知れません。「私はこうやって撮っている」とか、「こうした方がいいんじゃないか?」といった意見があれば、ぜひ教えて下さい。

ヘルメット全体図  さて、まずはカメラの固定方法のひとつ、ヘルメット装着についてです。写真のようにヘルメットの上に一眼レフカメラを載せて、有線リモコンでシャッターを切る方法です。

 利点は、まず両手が空くこと。両手を使って操縦するパラグライダーにとって、これにより安全性を高めることができます。カメラを片手に持っての撮影と違って操縦に専念できますから、空を飛ぶ仲間の機体に接近してその勇姿を写真に収めることだって比較的簡単です。

 もうひとつは、撮る時にファインダーを覗かなくていいことです。フライト中は他の機体の動きや風の具合、高度などに気を配り、常に視界を広く保ってなくてはなりません。しかしフライト中にファインダーを覗く行為は短い時間ですがスキが生じることになります。
(もちろん、だから即それは危険であるという訳ではありません。それに望遠系のレンズで撮影する場合はやはりファインダーを見てシャッターを切らないと、あさっての方向を写した写真しか撮れませんから。)
 その点、この方法はカメラの向きは首を動かすだけで変えられますから(当たり前か...)、撮りたい場所に顔を向けてシャッターを切るだけです。

 レンズの選択については迷う所ですが、青空をバックにした雄大な景色なんかを撮りたい時は魚眼や超広角系を、飛行中の他の機体や地上の被写体などを撮りたい場合は28〜50ミリ程度のレンズを選択すれば良いかと思います。
 いずれの場合もポイントはカメラの角度を目線と同じになるように調整すること。地上で誰かにファインダーを覗いてもらいながら調整するといいでしょう。あとは飛びながら気ままにシャッターを切るだけです。ただ、基本的に飛行中のフィルム交換はできませんから、あとで決定的瞬間?のシャッターチャンスを逃さないためにも撮影枚数を考えながら飛ぶ必要があります。


拡大図

 固定方法ですが私の場合、しっかり頭にフィットするものがいいだろうという考えで、オフロードバイク用のフルフェイスヘルメットを使っています。
 そしてその上にDIY店などで売っているアングル材をガムテープなどで固定し、それにカメラを載せます。オフロードバイクのヘルメットにはサンバイザー(日除け)を取り付けるためのネジ穴が開いていますので、アングル材の固定にあたってはそれも利用するといいでしょう。アングル材とカメラは太い輪ゴムでぐるぐる巻きにして、その上からさらにガムテープを巻きます。カメラ落下防止用のヒモも忘れずに...
 リモコンのコードは襟口からフライトスーツの中に入れ、手元までもってきます。


 この方法の大きな欠点は、”頭が重い”ことです。「写ルンです」程度の使い捨てカメラでしたら大したことないんでしょうが、さすがに一眼レフとなるとどんなに小型軽量の物を選んだとしても相当な重さです。それでも短時間ならいいんですが、長時間のフライトとなるとさすがに首が痛くなってきます。

 まあ、これはフライト中にライザーに頭をもたれかけて休んだり、カメラの搭載位置を変えて重量バランスを工夫すれば多少は軽減できるとは思います。ただしあまりに長時間フライトし続けたり、ハードランディングして強い衝撃を受けたりすると最悪、軽いむち打ち症になってしまう可能性も考えられます。
 ただでさえお金に余裕がなくて金策で「首が回らない」私のようなフライヤーがむち打ち症になったり首に筋肉痛でも起こしたりしたら、シャレになりません。 ご用心下さい....
 (1997.10)



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